「六社参り」の旅
この旅は、計画段階では諦めていた六社すべてを巡ることができ、交通機関の乗り継ぎ、天気の回復、御朱印の拝受、タクシーの手配、薬の選択に至るまで、考えられないほどすべてがスムーズに進みました。そして何より、鹿、カラス、鳩、猫、烏骨鶏といった多くの動物たちと、印象的な形で出逢う不思議な巡り合わせの旅となりました。とても心に残る旅だったので記録することにしました。
出張の計画から旅の始まりまで
2025年10月6日(月)から8日(水)に関西近畿方面での出張を控えていた私は、この機会を活かして、かねてより念願だった伊勢神宮**への参拝を計画しました。出張直前の10月4日(土)と5日(日)の二日間を充てることにしたのです。
できれば、熱田神宮、椿大神社、春日大社、石上神宮、出雲大神宮といった由緒ある神社も参拝したいという願望はありましたが、物理的な時間や距離を考え、当初は**「時間的に無理だろう」**と半ば諦めていました。
旅の10日ほど前、伊勢神宮付近の天気予報は**「大雨」**。期待がしぼみかけたものの、日が近づくにつれて予報は奇跡的に好転し始めました。
1日目:不思議な体験(10月4日・土)
いざ迎えた10月4日、交通機関の乗り継ぎは驚くほど順調に進み、伊勢市駅には予定より1時間早い13:10に到着しました。
小雨が降る弱雨のなか、まずは外宮(豊受大神宮)の参拝を始めます。最初の鳥居をくぐったその瞬間、太鼓の音が腹に響くように鳴り響きました。境内へ進むと「神楽祭」が催されており、笛や太鼓の音で賑わっていました。お参りをする際には傘が不要になり、参拝もスムーズに進行。御朱印も待つことなく拝受できました。外宮の参拝を14:00に終え、予定より1時間半も早く、この勢いで内宮にも行けると気持ちが高ぶりました。
徒歩を考えていたところ、臨時バスのアナウンスが聞こえ、急いで乗車。ここでも移動はスムーズでした。**内宮(皇大神宮)**へ向かい、宇治橋から本宮へ。一度参拝し忘れた社へ引き返し、再び内宮を参拝。この時も御朱印は待たずに頂くことができました。内宮の参拝を終えると、雨がやみ、晴れ間が見え始めました。
その後は、内宮近くの猿田彦神社と別宮月読宮を参拝。薄暗くなり始めた月読宮の長く続く参道は、最初は不気味さも感じましたが、参拝後は一転して清々しい気持ちに満たされました。
ホテルに戻り、夕食に出た際、電線には目を疑うほどのカラスの大群が。その一部が頭上を飛び交いましたが、普段なら不快に感じるところを、その時はなぜかとても心地よく感じられました。
2日目:奇跡的な巡り合わせ(10月5日・日)
翌5日、早朝6:00から外宮付近の別宮月夜見宮と倭姫宮を参拝。参拝中は再び弱雨が降りましたが、参拝を終えた瞬間、雨がピタリとやむという不思議な現象がまた起こりました。
宇治山田駅から石上神宮へ向かう際、乗った普通電車に違和感を覚え、車掌に確認したところ、**「次にでる急行を利用した方が、乗り換えなくスムーズに移動できる」**と的確な助言をいただきました。この助言を素直に受け入れたことで、移動が大変スムーズに。石上神宮の最寄り駅に着く頃には、天気は完全に回復し、晴天となりました。
石上神宮でも御朱印を待たずに拝受。そしてこの日最大の奇跡的な巡り合わせが起こります。歩きすぎて足が痛み、「この足で駅まで歩けるか、タクシーを呼ぶか」と悩んでいる最中、石上神宮の鳥居をくぐると、なんと偶然タクシーがお客さんを降ろすために私の目の前で停車。運転手さんに尋ねると快諾いただき、天理駅までタクシーで移動することができました。**「神様が運んでくれた」**と幸せを感じる瞬間でした。
天理駅から出雲大神宮へ移動する際も、乗り換え場所がわからない時には目の前に駅員さんが現れ、スムーズに乗り換えをサポートしてくれました。さらに、最寄り駅の亀岡駅でも、観光案内所の方から最適なバス利用法を助言いただき、移動は終始スムーズ。ここでも御朱印を待つことはありませんでした。
宿泊地である近鉄奈良駅に戻る頃には、足の痛みは限界に達していました。妻からの助言で薬店へ立ち寄ると、店員さんから適切な薬を紹介いただき、夜中、ふくらはぎがつりそうになった際、紹介された湿布を貼ったおかげで、翌朝には痛みがほとんどなくなり、足は劇的に回復していました。
3日目:奈良での縁と鹿の導き(10月6日・月)
出張初日である6日、会社の同僚と合流するまでの制約された時間を利用し、早朝7:00から春日大社へ参拝しました。鳥居をくぐり、清めるための手水舎に向かうと、そこに一頭の鹿がいました。その場所が**祓戸神社(清める場所)**であったことに気づかされ、鹿のおかげで清めてからお参りすることができました。
朝が早く、御朱印は諦めていたのですが、授与所にいた巫女さんに尋ねたところ、「書き置きでよろしければ」と、御朱印をいただくことができました。参拝後、鳥居の参道の中央に座る鹿と視線が合うという出来事もありました。
昼前に同僚と合流し、用事を終えた後、急遽、東大寺へ参拝。参拝後の参道では、一頭の隻眼の雄鹿と出逢いました。悠々と歩きすれ違う際、目が合った瞬間、白くなったその目に驚きましたが、雄鹿はまるで私を見て微笑んでくれているかのように感じられました。
夜、同僚と別れた後、偶然、神輿を担いだ人たちに出くわし、導かれるように采女祭(うねめまつり)を見物しました。賑やかながらも、池に反射する赤い光と、空に輝く満月が織りなす幻想的な光景は、旅の素晴らしい締めくくりとなりました。
4日目:思わぬ誘いと導かれた参拝(10月7日・火)
翌7日、同僚と用事を済ませた昼食後、なんと同僚から**「時間ができた 椿大神社に行こう」**と誘われ、急遽参拝が決定。個人的に参拝したいと思っていたものの、車でないとアクセスが困難な場所だったため、非常に嬉しい展開でした。
さらに、昼食場所で予約時間より早く着いてしまい待っていたところ、店員さんに確認したことで、予約時間より30分早く食事ができることになりました。この機転のおかげで、当初予定より1時間近く待たずに済み、その余裕が椿大神社への時間となりました。導かれているとしか思えませんでした。
椿大神社でも、スムーズに参拝し、御朱印も待つことなく拝受できました。
5日目:熱田神宮での締めくくりと旅の総括(10月8日・水)
最終日8日、帰宅の移動日です。同僚からの提案で出発時間が1時間早まりました。出発までの時間を利用して宿泊地周辺の勝速日神社を探索。一度は鳥居が見つからず諦めかけましたが、ゴミ箱を探しているうちに偶然鳥居を発見し、参拝することができました。参拝後には黒白の猫が駆け抜けていきました。
早まった出発時間のおかげで、熱田神宮へ参拝したい気持ちが高まり、同僚にお願いして駅で降ろしてもらい向かいました。
熱田神宮では、本宮手前で結婚衣装の撮影に出くわし、参拝してすぐに太鼓の音が鳴り響きました。ここでも御朱印は待たずに拝受。この太鼓の音は、お宮参りの祈祷のものであることが、境内で出会った家族連れを見て分かりました。
参拝後、境内を歩いていると、私の前を鳩が横切り、さらに白い烏骨鶏(うこっけい)が羽繕いし、カラスが目の前に現れても逃げないなど、まるで動物たちに見送られているかのようでした。
帰りの新幹線では、疲れて眠ってしまいましたが、ふと目が覚めた瞬間、車窓から富士山が完璧なタイミングで見えました。
この旅は、計画段階では諦めていた六社すべてを巡ることができ、交通機関の乗り継ぎ、天気の回復、御朱印の拝受、タクシーの手配、薬の選択に至るまで、考えられないほどすべてがスムーズに進みました。そして何より、鹿、カラス、鳩、猫、烏骨鶏といった多くの動物たちと、印象的な形で出逢う不思議な巡り合わせの旅となりました。