『パラショッパーズ』1巻(小学館)より引用
5. 「藁」を武器に変えた、驚異の分析力
スマホの誤操作で手に入れてしまったのは、「藁を1本だけ動かせる能力」。
絶望的な状況下で天良木が取った行動は、あまりに冷静でした。
「藁……イネ科植物の茎が乾燥したもの」
彼は逃走の最中、道端に生えていた草を引きちぎり、それが自分の能力の対象になるか、どう動くかを即座に検証します。ピンと直立させ、トグロを巻き、結び目を作る。この理系的で徹底した現状把握こそが、彼の真の武器でした。
6. 閉鎖空間への逃走:ビルを舞台にした心理戦
180kgの衝撃を放つ輪ゴムを操る西園寺から逃れるため、天良木はあえて建物内へと逃げ込みます。
遮蔽物があるビル内では、西園寺の攻撃は建物を破壊しかねないリスクを伴います。しかし、それは西園寺にとっても織り込み済み。
「結局逃げ場は・・・“屋上“しかねぇよなぁ。」
西園寺の言葉通り、天良木は屋上へと追い詰められ、絶体絶命の標的になります。
7. 異能バトルの醍醐味「能力の買い換え」
天良木に向けて撃たれた至近距離の攻撃が何故かすべて外れ、弾切れ(輪ゴム切れ)を起こした西園寺。
その隙に隣のビルへ跳び移るために走り出す天良木。
しかし、ここからが「パラショップ」の恐ろしいところです。西園寺は、その場でポイントを使い「能力の買い換え」を敢行。新たに「相手の体を強制的に攣(つ)らせる能力」を手に入れ、逃げる天良木の足を封じます。
「後出しジャンケン」が成立するこのゲームの理不尽さが、絶望感を加速させます。
8. 逆転の結末
足が攣りながらも、なんとか隣のビルへ跳び移った天良木。
しかし、追撃のためにビルを跳び出した西園寺に対し、天良木は静かに言い放ちます。
「跳んだな。オレの勝ちだ。」
『パラショッパーズ』1巻(小学館)より引用
『パラショッパーズ』1巻(小学館)より引用
『パラショッパーズ』感想まとめ
昨今のマンガ界隈では「強力なスキル」で勝ち進めていく主人公が人気ですが、本作はその真逆を行くからこそ最高に熱いんです。
初見では「いや、何ができるんだよ!」と突っ込みたくなるような超マイナー能力ですが、これを駆使して強敵を翻弄する姿には、ページをめくる手が止まりませんでした。
「そんな使い方があったのか!」という驚きの連続で、読んでいるこちらまで頭が良くなった気分になれます(笑)
読者の期待を軽々と超えてくる福地先生、マジで天才すぎます……!
「不自由」だからこそ面白い、能力バトルの醍醐味
あの名作『うえきの法則』の福地先生の作品。
「ゴミを木に変える能力」をあれだけ面白く描いた先生ですから、この「藁」という縛りの中で話を広げる手腕も納得ですよね。
登場する他のキャラクターたちの能力も一癖も二癖もある変なものばかりで、「次はどんなヘンテコな能力が、どうやって牙を剥いてくるんだろう?」とワクワクが止まりません。
パラショッパーズ』は、機転と知略でどん底から成り上がっていく物語が好きな人にはたまらない一冊です。
「藁1本で世界は変えられるんだ」と本気で思わせてくれるこの面白さ、ぜひ皆さんも体験してみてください。本当におすすめです!





