たとえば、病院通訳の現場で
診察や、検査が終わった後の
会計書類や処方箋などのファイルを
時々、おそらく無意識に
ドクターやナースが
手話通訳者に渡そうとする時があります。
普通なら、当事者に渡すべきものを・・・
ごく自然にさりげなく
手話通訳者に渡そうとします(笑)。
もちろん、聞こえない人の前であれば
困惑しながらも本人が手にされることが殆どでしょう。
ところがですね、
稀に、絶妙なタイミングで
聞こえない人が別の事をしている
服をなおしているとか
バッグに物をいれているとか、で
出されたものを見ていない場合
容赦なく
手話通訳者に渡そうとされることがあります。
その時、あなたはどうしますか?
私は、基本的には受け取りません。
えっ、なんで?と思われますか、
当然でしょう、と思われますか、
ではどうするか、
方法は大体二つあります。
まずは鈍感に気がつかないふりをする。
次に、さりげなく、‘すみません、私は受け取れないんですぅ’と
少し待って頂いて
ご本人に渡してくださいオーラを醸し出します。
ここは決して喧嘩腰のような
感じ悪さをださないようにしたいですね~。
ともかく、本来、本人に渡すべきものはご本人へ
当たり前なことなんですが
心優しい通訳者はすぐ受け取ってしまう事があるようです。
えっその位、いいんじゃないですか?と思われるでしょうか。
いえいえ、、それを受け取ってしまったら
次には、当事者である聞こえない人ではなくて
手話通訳者に話しかけてきます。
そして、最終的に、じゃあ、あなたから伝えといてください、的な
展開へいく懸念があります。
昔は手話通訳者という存在が
今ほど認知されていない頃は
認知症が進み始めた高齢者の患者の
付き添いできている家族のような存在に
手話通訳者がみられることは
そんなに珍しいことではありませんでした。
聞こえない人はあくまでも庇護すべき存在
手話通訳者が聞こえない人をお世話する立場と
考える人たちが少なくありませんでした。
まだまだ聞こえない人にとっては
釈然としない場面が多い現状はあり
課題は山積状態ではありますが
今では、随分と医療現場も変わってきた気がします。