- 私的生活 (講談社文庫)/講談社
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『私的生活』
田辺聖子の最高傑作と呼ばれている三部作の2作目です。
(1作目は『言い寄る』。3作目は『苺をつぶしながら』)
忘れないうちに感想を。
物語前半の、恥ずかしいくらいの仲の良さは
後からじわりじわりと効いてくるスパイスだったとは。
前作同様、主人公の乃里子には、
全部が全部共感・・・とはいきません。
乃里子の視点で語られるので、
乃里子がすべて正しいかのように
うっかり錯覚しそうになるときもあるけれど、
男の勝手も、女の勝手もある。
引いてみている私からすればどっちもどっちなのだけど・・・
う~ん、やはり夫の方がトータルひどいのかなぁ。
1つ3,000円の、すみれ色の貝殻の形をした石鹸のくだりが印象的。
色がきれい、形がきれいだと思って使うのと、
1つ3,000円もする(のだから良いに決まっている)と思って使う違い。
心に響くフレーズや感覚が出てくるところが素敵です。
2人の楽しい生活の、
バランスの崩れていく様の描き方が見事!
静かに感動しました。
乃里子のゴージャスな暮らしぶりを想像したり、
乃里子にも、乃里子の夫にも、
その他の登場人物にもついひとこと言いたくなったり、
ドラマ化するなら女優さんは誰がいいかとか勝手に考えたり。
存分に楽しめる作品でした。