『神聖少年図鑑』
第ニ章・天野さん
少年→少年→少女という
一方通行の恋を書いています。

2・天野さん
私は不安になる。
中学の頃も広瀬は誰とも
付き合っていなかった。
高校生になって三ヶ月が
経とうとしているけど、
その状態は変わらず
継続中ってことになる。
つまり、金井くんと?
私は考えることをやめる。
これ以上考えたら、
きっと私はまたあれをやってしまう。
広瀬に対するこの想いだけは
大事に取っておきたいと
思っているのに、
私はほとんど反射的に
「私」を捧げることしか
考えなくなるだろう。
正義中毒って言葉を一番最初に
言ってきたのは
小学校の同級生だった。
給食で出たプリンを床に落として
泣いてた子がいて、
私は迷わず自分のものを差し出した。
その子は遠慮したのか
受け取ろうとはしなかった。
私はどうしたらいいのか
分からなかった。
別に感謝を期待していたとか
そういうことじゃない。
ただ、もうプリンは
私のものじゃなくて、
当然その子のものでもなくて、
たちどころにしてどこにも
属していないプリンになって
しまったのだけど、
そういうふうにしてしまったのは
私の責任だった。
私は本気でプリンに
申し訳なく感じていた。
それで、堪えきれずに
泣いてしまった。
聞こえてきたのはその時。
音琉ちゃんみたいな人って、
正義中毒って言うんだよ。
ありがとうって言って欲しいから、
そのためならいくらでも
自分のものをあげちゃうんだよ。
それを聞いたとき、
ショックでしばらく立ち直ることが
できなかった。
私は、他人からの「ありがとう」が
ほしくてやっているんじゃない。
それが普通だと思っていたから、
どうして困っている子を見て
みんなが何も行動しないのか
いつも不思議だった。
私は正義中毒?
おかしいのはみんなじゃなくて
私の方?
その疑問はしばらく続いたけど、
ある出来事がきっかけで
やっぱり私の方が
おかしいんだということを
自覚せざるを得なくなった。
それを教えてくれたのが広瀬だった。
【続きます】
ピンタレストの方も開設しました。
今後、画像でショートショート
みたいなものも表現していく
予定です。
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