私の家の近くに元々母方のばあちゃんが住んでたんです。関西弁が特徴的でよく家に来てくれてました。
でも、頑固で完璧主義で少々口うるさいばあちゃんが苦手でした。
よく喧嘩もして家に来なくなったり、かと思えば仲直りしてたり色々複雑でした。

小学校4年の時に両親が離婚してパパっ子だった私はショックを隠しきれませんでした。でもそんな時、あんたはパパに会っていいんだよってばあちゃんが言ったんです。 
その言葉が少しだけ私を救ってくれました。
そのあとは母親が男遊びに鬱病。父親の暴力、育児放棄と振り回され続け、それでも無事高校を卒業できました。毎月2回、欠かさずばあちゃんは小遣いをくれました。
本当にありがたかったんです。

そして今日、ばあちゃんの家に浴衣を着に行ったら作り帯の、帯にあたる部分がなくばあちゃんとじいちゃんと買いに行きました。そのとき車の中で、今まで欲しいものとかたくさんあったやろ?だから帯くらい買うてやる って。
私は正直動揺しました。優しい言葉を聞いて。そして素直に嬉しかったのです。初めて優しい言葉をくれたから。では最後にばあちゃんにむけて。

ばあちゃん、もう80になったんだね。
昔はどんぐりの背比べだったのに、そんなに小さくなって。
今までたくさん大変な思いしてきたんだよね。こんなだめな孫でごめん。
直で言うのは恥ずかしいから勘弁してな?
いつまた倒れてもう2度と会えなくなるかもしれないから、最後の時にはちゃんと口で伝えるね。
だから今はさ、健康でいてほしい。ぼけて私の事忘れたって構わないから、長生きしてほしい。
また二人で電車旅しようね。だから、さ、まだこんな子供な私だからさ、せめて花嫁姿みてからにしてよ?

普段なら絶対言えないけど、

いつもありがとうばあちゃん。
私のばあちゃんでいてくれてありがとう。
次は私が恩返ししていくね。
またきつねうどん作ってくれんの楽しみに
待ってるから。
子供な私をまだまだ見守ってください。