続き…
夕食が終わり入浴前のゆったりとした時間、
レファンさんにピクニックをしてもいいか聞く為に、ロチュス様と一緒に廊下を歩く。
朝に私に聞いた後、レファンさんに尋ねに行くと意気込んだ。しかし、午前中は留守にしていて帰ってくるのは夕方だと伝えたのだ。
「おそらくキッチンにいると思います。」
「分かったわ!」
トントントン…
「…おや?どうかされました?」
ドアが開いている為、食材が入っている扉を開け、しゃがんでいるレファンさんと目が合う…。
「…レファン、ひとつお願いがあるのだけど…。」
ロチュス様は話し掛け、レファンさんの隣に行き同じようにしゃがむ。
「ええ、聞くだけ聞きますよ。」
「…今度、ピクニックをしたいの、お天気もいいし。一日じゃなくて1.2時間でいいの!お願い‼︎」
両手を祈るように組む。
「…意地悪ではありませんが、理由を伺っても?」
「…ただのワガママじゃないわ。…食材の残り、まだ食べられるのに捨てちゃうこともあるみたいなのよ。だから少しでもそれを無くしたいっていうのもある…。それに…私もう13になるのよ?自分が出来ること、何かしたいわ。」
静かにロチュス様は話す。
「…畏まりました、後日詳しい事を話し合いましょう。サラ、日程を調整して頂けますか?」
「…っ‼︎承知いたしました!」
「…ありがとうレファン!」
「では、もうそろそろ入浴のお時間になりますよ、ご準備下さい。」
「ええ!…では入ってきますわ。」
ロチュス様は嬉しそうに、少しスキップをしながら自室へと歩いていく。
「良かったですね、ロチュス様」
「ええ!サラもありがとう。後でアルディにも伝えないといけないわ。」
しばらくしてロチュス様の自室に戻りそのまま入浴へ、この後はメイドさんに任せる。
その間に自分の夕食を済ませて就寝前のお茶を用意し、再度ロチュス様のお部屋へ…
トントントン…
「失礼いたします。」
「どうぞ」
中に入ると、パジャマ姿のロチュス様はベッドの上に座り本を読んでいた…
「…入浴前のレファンさんにおっしゃった事さすがです、もったいないですもんね。」
紅茶をカップに注ぎ、ロチュス様に手渡しをする。
「ありがとう。…と言っても、そのことを教えてくれたのは商人さんとアルディなの。サラが知っていた人。」と、カップを受け取りながら答えた。
「ユニヴェールさん、ですか?」
「…あの日。私がお部屋から飛び出した後、街中を散歩していたら迷ってしまって…。そこで会ったのよ。」
「それでご一緒だったのですね。」
「ええ、大通りまで連れて行ってくれて。私姫だってこと言ってないのに"よろしければこの王都をご案内しましょうか?"って言ってくれて、それから色んな場所を案内してくれたわ。お店や家が沢山ある所、綺麗な場所や汚れている所、物が何処から来て何処へ行くのか。物で溢れている所と何もない所…。新鮮だったわ。一通り見せてくれた後で最後に、ゴミで溢れた場所に連れて行ってくれたの…。嗅いだ事の無い臭いだったわ、遠くからでもしたのよ…。山のように積んであって、物と食べ物の山があったわ。物の山は服や靴や家具なんかもあって、食べ物の山はリンゴや野菜なんかが沢山あったわ。商人さんは"まだ使えるのに次々に捨てていくんだ。そして新しい物を作り、そしてまた捨ててどんどん増えていく…。"って言ったの、私は要らなくなったら捨てて、新しい物を作るのに何が悪いの?思ったの、だって新しいのは綺麗でワクワクするじゃない?それで聞いたら…"新しい物を作るのを止めている訳じゃないよ。ただ、物には限りがある、大切にして欲しいんだ。増やしすぎるといずれ足りないが出てくる、そして色々なものを知らず知らずのうちに壊していってしまうんだ…。必要な物を作り少し余裕がある…余り過ぎない程度が大切なんだよ。"って。あまり分からなかったけどゴミの山を見て、これを少しずつでも減らしたいと思ったの…。それで、まずはお城の食べ物の余り物を無くせないかなと思って。」
「そうだったのですね。…アルディさんも教えてくださったんでしたっけ?」
「ええ。食堂に行ってアルディに余り物が出ているか聞いてみたの、そしたらあるって言っていたから、それで何か出来ないかしらと思ってそのまま相談したら色々と教えてくれて…、もうピクニックやるって決まったから話しちゃうわ!…私、料理したいの。レファンに日頃のお礼もしたくて…。でも、料理の仕方がまだ分からなくて包丁も2回くらいしかした事がないのよ。だから、サラに包丁の使い方を教えて欲しいの!アルディに聞いたら忙しくて無理だって言っていたから…。」
「もちろん、お手伝いさせて下さい。」
「ありがとうサラ!」
「では、そろそろ夜も更けてきましたので…。」
「そういえばそうね。おやすみなさいサラ」
「ええ、おやすみなさいませ。ロチュス様」
片付けをしロチュス様の自室から出て廊下を歩く。
右側の窓から覗くお月様が輝いていた…。
ロチュス様の考えがユニヴェールさんとの出会いで深まった感じだ。
ロチュス様が見つかって帰ろうとしたあの時、ロチュス様が何かを言い掛けたあの時…。もしかしたら、ロチュス様なりに今話してくれた事を話そうとしていたのかもしれない…。
続く…。