三鷹駅北口から10分くらい北上。
井の頭通りを越え、また少し北上した
郊外の住宅地といった一画に、
その「食堂」は存在する。
カウンター7席だけの小さな食堂だ。
最近この三鷹通りにも、よく雑誌などで
見かけるラーメン店の名前がチラホラ
現れてくるようになった。
見覚えのある店名が書かれた、看板や
風に煽られている暖簾やのぼりを見ると
「あの店がここにも店舗を出したのか」
とわかるくらいの存在感を示している中
お目当ての食堂は、なかなか姿を
表さない。
周囲の住宅や小売店が並ぶ風景に
溶け込んでいるという表現がぴったり
くる店である。
看板にもあるように、この食堂の名物は
「つけめん」
ラーメンを出す事もあるが、冬場のみ。
このつけめん店が「食堂」で
ある所以がここにあると感じた。
一押しメニューは「とまとつけめん」
麺は太・細・全粒粉太の3種類から
選ぶ事ができる。
もちろん、魚介系のつけめんも
あるが、通ってくれるお客様に
身体により良い物をと、この
トマトのつけめんを考案したのだ。
じっくりと炊かれた鶏ガラ・
野菜ピューレの出汁は作って
一度冷ます。そうすることで酸化が
防止出来るという。
冷ました出汁は一見、ホワイトソース
の様な見てくれ。
その出汁とトマトのタレとの
合わせ技がつくり上げる味わい
豊かなつけ汁はほんの少しピリ辛で
口にすると、角が丸く包まれた
トマトの酸味の後に、鶏の食欲を
そそる香りが鼻に抜ける。
※写真は細麺
つけ汁も送り込まれてくる。
このつけ汁は太麺にも負けない。
底には自慢の鶏チャーシューが
隠れている。噛み締めると鶏の
肉汁があふれる。
トマトと麺というとパスタを思い
浮かべるが、これは全くの別物だ。
麺とつけ汁のせめぎあいは
まさに「つけめん」そのものである。
このつけ汁、小鍋で提供される。
つけ汁が冷めたら焼石を入れてくれる
店はあるが、ここではこのまますぐ
火にかけて温め直してくれる。
最後まで熱々のつけ汁で味わえる。
「つけめんって最初は美味しいけど
後の方になって、つけ汁が冷たく
なったら、美味しくなくなる
じゃないですか。
そういうの嫌なんですよ。」と北山さん。
さすがは麺好き。
こういった来店客目線の心配りは
店内のあちこちに見られ、手作り感
満載な作りの店は非常に居心地がよい。
「鶏が苦手なら、他のトッピングに
変更できます」という張り紙があったり
麺の量を詳しく書いてあったりと
痒いところに手が届くようだ。
手作りなのは店づくりだけではない。
自慢の鶏チャーシューは当然、
メンマは水でもどすところから
手間暇かけて仕込んでいる自家製。
辛つけめんの辛味も自家製でジャンを
作って、それを加えている。
メンマもさることながら、このジャン、
かなり美味い。
アミのような海老類、さば節等を
唐辛子と併せてペースト状にしたもの。
※企業秘密で詳しくは不明
辛味が結構強いが、非常に風味豊か。
この店のつけ汁のどれ混ぜても
合いそうだ。
こんな味を提供する店だからこそ、
地元の人々の日常生活の中に溶け込み、
住人達は、お腹が空いたら、
この「食堂」に立ち寄って、
つけめんをすすり、空腹が満たされたら
帰っていく。
そういった事が繰り返されれるのも
極当たり前のことであろう。
「高価なものではなく、身近に買える
食材を使って、家庭では作れない
味を作って提供したい」
そういう清水さんの言葉にはプロ
としてのプライドが伺える。
店名の「あすなろ」、
明日はヒノキになろう…
大きくなろうという気持ちを
忘れない様にという事からだそうだ。
常に高みを臨む姿勢と、プロとしての
味への探究心が、次にどんな
新しい味を打ち出してくるか、
今後が非常に楽しみな店だ。
◆◆メニュー◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
トマトつけめん並
800円
濃厚つけめん並
750円
辛つけめん並
830円
淡口つけめん並
750円
冷し(とまと、和風)つけめん並
※季節限定メニューです 730円
鶏チャーシュー(赤字覚悟)
200円
鶏めし(懐かしい味)
150円
メンマ(手間かけています)
80円
味玉(LLサイズの玉子使用)
100円
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
つけめん処 あすなろ食堂
〒180-0066
東京都武蔵野市中町2-6-2
武蔵野ビル102
0422-77-7815
営業時間
平日 11:30-15:00、18:00-21:00
土祝 11:00-16:00
最寄り駅
JR中央線三鷹駅
カウンター7席


























