においがした

嘘のにおい

月が嘲笑った

嘘のにおい

私を疑心暗鬼に陥れた

嘘の塊

真実が飲み込めないくらい

嘘にまみれた

月が嘲笑う

何もかもが嘘に見えて
真実が影を落とす

月が泣いた

私は笑った

何もかもが分からなくなって
嘘を手招きする

月が笑った

私は泣いた

嘘に
殺された

素直
臆病
自閉
罵倒

嘘に
生み出された

月は恐怖を知っている

嘘のにおい

私は恐怖を感じている

嘘の気配

疑心暗鬼を
殺した

嘘に翻弄された人達

嘲笑う声

喉が詰まって
私は声を失った

月の下

月影

私は笑った

すべてが終わったから

最近ふと思い出す人がいる

私の素直さを"羨ましい"と言った
"裏切りにも価値がある"と教えてくれた
"人生は試練"だと悟っていた
"いい女"をかざしていた

"知らない方がいいこともある"と
私を騙した

"恨むとか憎むは、何も産まない"と
自分を守った

お蔭で私は黒い心を持たずに済んだ

本来なら恨むべき相手

でもいい想い出になっているのは
私の心が広がったからかな?

あの日、
生まれ変われたからかな?

ふと思い出す

元気かな

まだ好き勝手生きてるのかな

この空の下
もし偶然会えたとしたら
私はなんて声をかけるかな?

久しぶりに会った"友達"として
いつも通り明るく話しかけるんだろうな

いろんな事を教えてくれて
ただただ語り合った
濃いあの一晩を
私は一生忘れないんだろうな

煙 雨 嘘 闇
私を堕とした

月 歌 空 光
私を救った

歌声
ふと流れてきた歌声
目を閉じると
甦る車内

たくさん泣いたけど
たくさん笑った

ひとつの時間の共有

神を信じた
神に祈った
神を恨んだ
神に叫んだ

歌声
あの時耳にした歌声
目を閉じると
甦る記憶

月を仰ぎ
空を感じ
歌を口ずさむ

会いたくて会いたくて
会いたくない

時を越えてまで
君を愛せない

口ずさむ
破片