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※注意:本記事には戦争体験に基づく、生々しい描写が含まれます。読む方によっては強い感情を伴う可能性があります。

祖父の話

祖父は軍医として、当時の東南アジアに派遣されました。
話の多くは「逃げ続ける日々」についてで、野戦病院での勤務や帰国の道のりを淡々と語ってくれました。

戦争の終わり頃か終戦後でしょうか、祖父は二人の仲間とともにビルマの山から港まで歩いて向かいました。山道のあちこちには、力尽きた日本兵の姿が横たわっていました。ある時、同行していた兵士が「軍医さん、あそこで休んでいてください」と声をかけました。その場では理由が分からなかったものの、後にそれは、亡くなった兵士の所持品を物色する姿を見せないためだったと知ったそうです。生き延びるために必要な行為でしたが、見せるのは無礼だという配慮でした。

橋のない川を渡る途中、水しぶきが突然上がりました。魚が跳ねたのかと思った瞬間、それが銃撃によるものだと気づきました。
また、遠くから道を見ていると、日光を反射してギラギラと動くものが見えました。近づいてみると、それは亡くなった兵士の身体に大量のウジが発生し、蠢いている光景だったといいます。

祖父はこれらの出来事を、感情を大きく揺らすことなく淡々と語りました。

その隣にいた祖母は「もう戦争の話はよしましょう」と一言。祖母が戦争について語ったのは、この時が最初で最後でした。

これらは、家族の記憶として、そして平和の大切さを語り継ぐ証として残したいと思います。
どうか、未来永劫、平和でありますように。