ミホは二十歳で自殺しました。

もう10年以上前になるか、彼女はとても綺麗な女の子で10代の頃から大手キャバクラNo.1でした。
出逢いは僕のナンパ。

別に付き合ってた訳でもないし、肉体関係があった訳でもありません。

ミホは過去にレイプ経験があり、精神を病み、沢山の薬、そして大麻にイリーガルなドラッグにも手を出していた。

親御さんは既に離婚しており、父親の顔を知りませんでした。

成人式を迎え、彼女は喜んでいた。
女手一つで育ててくれた母親に感謝しておりました。

二十歳になった記念に父親と会う約束をし、その話を嬉しそうに僕に話していたものです。

やっとお父さんに会えるんだよ!
ってね。

父親と再会し、二人で飲みに行った帰り、彼女は実の父親にレイプされました。

その話を僕だけに打ち明けてくれたのですが、当方は怒りが収まらず、父親を殺してやりたい程に憎んだ。

ミホの精神はみるみる狂ってゆき、目を離したら危険だと解りつつも、僕達は恋人でもないし、極力励ます事しか出来ませんでした。

限界がきたミホは母親に、私はお父さんにレイプされたんだよ!と叫び、家を飛び出し、行方を眩まし警察に捜索願いを出したものの。

次の日の朝には、遺体として発見されました。
ビルの屋上から見投げとの事。

それ以降のミホの家族の事は何も知らない。

肉親には無償の愛情が芽生える、しかし例外もある。
あの父親の様な外道も実在するのです。

以前に軽く触れましたが、友人が過去に3人自殺しております。

自殺は逃げだ、などと宣う奴等は多い。
でもね、貴方達はこんな状況に遭った事がありますか?

ずっと会いたかった実の父親に犯される。

そもそもね、逃げて何が悪い?
逃げ場を失った友人は命を絶った。

逃げ場があるなら、いくらでも逃げたら良いのですよ。

死んでしまったら、何もかもが終わり。
僕には自殺する程の勇気なんて御座いません。

だから、瀬戸際でも生き延びてる訳です。

たかだか36歳、どれだけ生き恥晒しても生き延びてやりますよ。