2017/9/22
こまつ座第119回公演「円生と志ん生」
紀伊國屋サザンシアター
生きるって笑うことだし、歌うことだ。どんな時代にあっても、この二つを手放してはダメだ。落語とそこそこ長く付き合って生きてきた者として、たまに救われてきた者として、それこそガーコンとかも含めて、色んな想いが胸に去来した。
この作品には「落語の言葉」が溢れている。
ある意味で淡々と進むこの物語のなかで、随所に忘れられない言葉と出逢う。
面白くておかしくて柔らかくてかわいらしくて、いとおしい言葉。
こまつ座の作品を観る度に思うのは、言葉の美しさと、そしてぬくもりだ。
心と直接握手してくれるような素敵な言葉。
喬太郎の「錦木検校」にある「心の凝りをほぐしてくれる」ような言葉。
こうした言葉を生み出せるんだ、人間は。捨てたもんじゃないって思える。
また最低な言葉を聞いた。とある政治家の言葉だ。この人の、この人達の言葉には、人のぬくもりがない。肌触りを感じない。
僕は温かい言葉を聞きたい。
心に灯をともしてくれるような素敵な言葉を聞いて生きていたい。
だから落語を聴くし、芝居を観る。
易しい言葉はいらないんだよ。
優しい言葉が聞きたい。
そんな言葉に溢れた世界になってほしい。