ゆらゆら天国(デット島) | RAKUEN QUES†

ゆらゆら天国(デット島)


RAKUEN QUES†-バンガローから見る朝日

デット島のバンガローから見る朝日。夜はやることがなく、早く寝てしまうので、朝6時には目が覚めてしまう。



チャムパサックからツーリストバスでシーパンドンへ向かった。ソンテウを乗り継いでもそんなに金額は変わらないし、いつシーパンドンに到着出来るかわからないからである。


シーパンドンとはラオス語で四千の島々という意味である。カンボジア国境に近づくとメコンの川幅は最大で14kmにもなり、その流域にはシーパンドンの名の通り、大小無数の島々が浮かんでいるのだ。


RAKUEN QUES†-シーパンドン


バン・ナカサンという村でバスを降り、そこからボートでシーパンドンのデット島へ向かう。シーパンドンの見所が集まっているのはコン島という島で、デット島はコン島と橋で結ばれている。どちらの島に宿泊するか迷ったが、デット島の方がバン・ナカサンから近いのでそちらに宿泊することに決めた。


ボートはメコン川に浮かぶ島々の間を進んでいく。メコン川はコーヒー牛乳みたいな色で、その水面からもっさりとした木々が顔を出し、四方八方に枝を伸ばしていた。行ったことないけど、なんだかアマゾンみたいな感じがする。オラ、なんかワクワクしてきたぞ。


RAKUEN QUES†-デット島船着場


デット島の船着き場でボートを降り、メコン川沿いのバンガローに投宿した。私が泊まった宿は隣の宿まで100mぐらい離れており、まわりは田んぼが広がっているだけなので非常に静かな環境である。宿代も1泊約240円と安い。といっても宿の設備はそれなりである。デット島には電気が通ってないため、電気が使えるのは発電機を使用する夕方6時からなのだが、食堂兼母屋には電灯があるんだけどなぜかバンガローの部屋には電灯がないのである。当然部屋にトイレやシャワーはない。共同のトイレ・水シャワーがあるだけである。


RAKUEN QUES†-デット島を散歩

この島はたぶん水道もない。だから外から水を買ってくるのかは知らないが、貯水タンクに水を貯めている。写真右のプリミティブな貯水タンクに注目。でっかいつぼが並んでいる。



宿に荷物をおろし、この日はデット島を軽く散歩することにした。道の両側には背の高いヤシの木がにょきにょきと生え、あたりで犬が昼寝していたり、水牛の群れが草をむしゃむしゃと貪っていた。島内に点在する民家を覗いてみると、鶏の親子がうろうろと餌をついばんでいるような庭で、皆日陰で寝転がったりおしゃべりをしたりしていた。ギラギラと太陽が照りつける日中にも関わらず、子供たちは元気に外で遊びまわっていた。かなりのんびり指数が高めの島である。


RAKUEN QUES†-長縄を飛ぶ少女


デット島北部のフア・デットと呼ばれる場所がデット島の中心部となっている。メコン川沿いにバンガローやレストラン、雑貨屋が並び、この島では一番の繁華街(?)である。このあたりはバーなんかもあるため夜は喧しいらしいが、多少競争があるからか割と安いレストランもあった。私は島の南部に泊まったけど、こちらの方が便利そうだ。うちの宿のメシは結構高いし、まわりにお店がないのである。


RAKUEN QUES†-デット島の一風景


宿に戻ってシャワーを浴びてから、バンガローのテラスにぶら下がっているハンモックの上にに寝転んだ。あ~ハンモックええわ~。なんでこんなに心地いいんだろう。テラスの手すりを押して、ハンモックを軽く揺らすとさらに気持ちがいい。赤ん坊がゆりかごを好むことから考えると、ゆらゆら揺れて気持ちいいっていう感覚は、母親のお腹の中で、なんの不安も悩みもなくたぷたぷと浮かんでいた頃の記憶につながっているからだろうか。


RAKUEN QUES†-デット島の少年

デット島の少年。ほっぺたにご飯粒がついてる?



ゆらゆら揺れていると、次第に目が半開きになり、口の中にヨダレが溜まってくる。たぶん今脳波を測定したら、α波がだだもれになっているはずだ。あ~気持ちえ~な~。もうハンモックなしでは生きられない体になってしまいそうだ・・・。


ハンモックの上で本を読んだり、ぼーっとしたりしていると、あっという間に日が暮れていった。ハンモック恐るべし。ふと思ったんだけど、精神病の治療の一環として使えないかな、これ。


RAKUEN QUES†-デット島に日が落ちる


夜10時前には寝たので、翌朝は6時頃には目が覚めていた。バンガローから外へ出るとコン島の方角から太陽が顔を出し始めていた。早朝の空気は冷たかったが、日が昇るにつれてぐんぐん気温が上がっていく。曖昧だった光と影もその領域を明確に主張しはじめ、くっきりとしたコントラストを示しだした。


RAKUEN QUES†-自転車でコン島へ


宿で朝食を喰ってから、自転車でコン島へ向かった。宿はデット島の南部に位置するので、コン島へつながる橋はすぐ近くである。


しばらく走ると橋が見えてきた。割と長い橋である。この橋はフランスの植民地時代に造られたらしい。その昔は橋の上に線路が敷かれていたという。


RAKUEN QUES†-竹のトンネル


橋を渡ったところにチケットオフィスがあり、そこで入島料を支払う。コン島に入り、最初に目指したのはソンパミットの滝である。シーパンドン流域は川の流れが早く、いくつもの滝が存在するのだ。 ソンパミットの滝はリーピーとも呼ばれ、精霊が住むと言われているらしい。


竹のトンネルをくぐり抜け、自転車を走らせると次第に水が激しく流れる音が聞こえてくる。ソンパミットの滝はもうすぐそこだ。


RAKUEN QUES†-ソンパミットの滝


険しい岩場の間を、幾筋もの流れが轟音を立てながら、流れ落ちていた。ソンパミットの滝だ。メコンといえばゆったりと流れる大河というイメージだったが、そのメコンがここでは猛々しく水しぶきをあげている。メコンのまた異なった一面を見るようで興味深い。他に観光客もいなかったので、ゆっくりと眺めることができた。


RAKUEN QUES†-稲から籾をとるおばさん

足踏み式籾とり機?



ソンパミットの滝から来た道を戻り、今度は打ち捨てられた機関車を見にいった。なんでこんなところに機関車があるのかというと、植民地時代にフランスが、ベトナムから中国雲南省への通商路を築こうとしたからだ。貨物船がシーパンドンの早瀬や滝を通過できなかったため、一度コン島で貨物を陸揚げして鉄道で運び、再び船に積み込もうと考えたのだ。しかし多大な労力をつぎ込んだが、結局うまくいかなかったらしい。


RAKUEN QUES†-おんぼろ機関車


それはこじんまりとしてかわいらしい機関車だった。鉄っちゃんだったら狂喜乱舞するのかもしれないが、私は別に鉄道には興味がないため、へ~これが昔の機関車なのね、と思っただけで何の感慨もわかなかった。別につまんないというわけではないが。


RAKUEN QUES†-恐ろしい橋

自転車を押しながら渡るのが、かなり恐ろしかった。



そこからまた自転車を駆って、島の南端に位置するフレンチポートへ向かった。フレンチポートまでは石がゴツゴツしていたり、だいぶ道が悪くてケツが痛くなった。結構距離もあるんで汗もダラダラ出てくる。途中線路と板を並べただけの恐ろしい橋を越えて、走ること30分ぐらい(?)でフレンチポートに到着した。


RAKUEN QUES†-フレンチポート

フレンチポート。兵どもが夢の跡。



ここで貨物を陸揚げしたのだろうか。荷物を引っ張り上げるような機械が残されていた。近くにはさっき見たような機関車が横倒しになっている。涙ぐましいほどのフランス人の努力の跡だ。島に線路を敷いたり港を整備したり、これだけがんばったのに結局ダメでしたっていうのはかなりとほほだよなぁ。フレンチポートの近くに村があったので、そこでコーラを飲みながら休憩した。いやはや、疲れた疲れた。


RAKUEN QUES†-コン島中心部


村からの帰り道すぐのところ、ここに来る時に通った道が倒れた木で塞がれていた。山の中で男どもがわいわい騒いでいる。どうやら木を切っているらしい。おいおい、勘弁してくれよな~。道は1本しかないから戻れないじゃないか。男どもが待てと言うのでしばらく待ってみたが、切った木をどけるどころかもう1本木を切ろうとしていた。おい、いつ通してくれるんだ?こりゃ状況が悪化する前に強行突破するしかない。男どもの1人にナタで枝を切らせ、脇道を自転車を運びながらむりやり通過した。あ~しんどかった。


RAKUEN QUES†-ハチミツマン

ハチミツを持ったハチミツマン。舐めさせてもらったが、さっぱり後引く甘さでうまかった。



宿に戻ってビールを飲みながら昼飯を喰った。シャワーを浴びてからは当然ハンモックタイムである。ゆらゆらしながら本を読んだりぼーっとして、まったりと過ごした。やっぱりハンモックは最高だ。


RAKUEN QUES†-ゲッコー・ロード


この日の夜は満月で、メコン川に映った月光の道が美しく輝いていた。


RAKUEN QUES†-宿のおかみさんとその子供

宿のおかみさんとその子供。2人ともひょうきん者だった。お父さんは謙虚でいつも笑顔だし、いい家族だった。



シーパンドンは楽しかったけど、ローカルフードを色々喰いたいしネットもしたいんで、もうカンボジアへ行っちゃおう。

ほいじゃ、また。



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