前回に引き続き、注目株への仮想投資はすこぶる悪い成績でした。予想自体は結構当たったんですけどね。
週の頭に触れていた今週の注目株、順番に振り返っておきます。


1. T (AT&T)
火曜日(市場終了後)に決算報告がありました。



決算は上記Nasdaqの決算カレンダーの表にある通り、大方のEPS(1株あたり利益)予想にMetということで、大体予想通りピタリだったようです。
『大体予想通りピタリの決算になるのではないだろうか』という自分の予想もピタリ当たった感じです。

火曜日の時間後取引では、上がったり下がったりしていましたが…


翌水曜日、市場が始まればほぼ前日比同値と、さすが安定のT、王者の貫禄を見せ付けました。

 


さらに水曜日の市場終了時点では微妙に株価は伸び続けるなど、仮想投資でプット売りをした立場としては文句なしのパターンです。

 


しかし、その後株価が伸び続けることはありませんでしたが、ほとんど同じ価格帯を横ばいと、まさに安定のTという値動きでした。以下は例によって今週の値動き(決算報告後の1日を範囲選択で表示)と、最新・金曜日市場終了時点でのオプション板です。

 

 


【仮想投資状況おさらい】
○行使価格40ドルプットを、0.43ドルで25枚売却(証拠金として10万ドル拘束・1075ドルのプット売却代金ゲット)
◎投入合計:-9万8925ドル→満期まで放置。

【結果】
あれ、大勝利かと思いきや、欲張って結構高い行使価格40ドルのプットを売っていたので、権利が行使されることになってしまいました。しかし、プットは1株あたり0.43ドルで売却しており、行使価格と現在株価の差額は0.37ドルなので、差し引き0.06ドルだけ、一応儲けが出た形になります。
例によって、プットの権利行使に伴い株を行使価格で買わされることになるわけですが、金曜日の終値で即売却したものと仮定(実際は月曜日にならないと売れませんが)して損益を計算します。

○行使価格40ドルプット→現在の株価は39.63ドルなので、行使価格-プット売却価格=実質1株39.57ドルで買わされたものを、39.63ドルで売ることになる。プット25枚分、39.63 x 25 x 100=9万9075ドルが手元に戻ってくる。
◎合計損益:9万9075ドル-9万8925ドル=+150ドル

…10万ドル使って、たった150ドルの利益かよ!しょぼすぎぃ!!…でもまぁ、1週間での損益としては普通ぐらいですし、損失にならなかっただけ良しとしましょう。
損益的にも、予想的にもこれは勝利扱いで。


2. KO (Coca-Cola)
火曜日(市場開始前)に決算報告がありました。



コーラとマクドナルドのジャンクフード両雄が同日決算だったわけですが、素晴らしい決算だったマクドナルドとは対照的に、コーラは冴えなかったようですね。

火曜日は、もちろんマイナススタートです。

 



しかし、日中下がり続けることはなく、火曜日は開始時よりも回復して取引を終えていたようです。

 

 


結局強いコーラは下がり続けることなく、ほぼ横ばいで今週の取引を終えていました。

 

 

 

売却したプットの行使価格はいくらだったっけな…?勝利いけるか…?

【仮想投資状況おさらい】
○行使価格43ドルプットを、0.40ドルで25枚売却(証拠金として10万7500ドル拘束・1000ドルのプット売却代金ゲット)
◎投入合計:-10万6500ドル→満期まで放置。

【結果】
○行使価格43ドルプット→株価は見事43ドルを上回って満期を迎えたので、売却したプットは紙くず化、しかも、売却していたのは最もインザマネーに近いアウトオブザマネーだったということで、見事完全勝利!!
証拠金として拘束されていた10万7500ドルがそのまま戻ってきます。
◎合計損益:10万7500-10万6500ドル=+1000ドル

…まぁ、完全勝利と言っても所詮売り取引なので、この程度の利益なんですけどね。しかし、1週間で1%程度の利益は、まぁまぁな感じでしょうか。これで2連勝。


3. PG (Procter & Gamble)
水曜日(市場開始前)に決算報告がありました。

 



EPSの予想と実際の結果の比較としては悪くはなかったようですが、決算はEPSだけが全てじゃないですし、株価自体は決算報告のあった水曜日、マイナスで始まっていました。

 



さらに、この日は下がり続けて取引を終えています。これは良くないですね。

 



結局、P&Gはこの日以降やや下がり気味な横ばいで今週を終えており、イマイチ冴えない感じですね。





個人的には、何となく冴えない気がしていたので予想自体は当たりましたが、売却したプットは権利行使がされてしまいそうですね。

【仮想投資状況おさらい】
○行使価格88.5ドルプットを、0.95ドルで10枚売却(証拠金として8万8500ドル拘束・950ドルのプット売却代金ゲット)
◎投入合計:-8万7550ドル→満期まで放置。

【結果】
○行使価格88.5ドルプット→株価は、行使価格を下回る87.33ドルで満期を迎えてしまった。プット売却資金を差し引いても、現在の株価より高くついているので、これはトータルで損失、残念。
手元には現在株価の87.33ドル x 1000株分が戻ってくることになるが、投入資金には及ばないという形。
◎合計損益:8万7330ドル-8万7550ドル=-220ドル

…まぁ、マイナスではあるけれど、極小さな損失。一応、予想自体は外していたわけではないので、ここは自分に甘く引き分け扱いで。


4. BA (Boeing)
水曜日(市場開始前)に決算報告がありました。

 



PG同様、予想を上回る数値的には悪くはなさそうな決算ですが、こちらも市場が始まったら株価は下がっていました。



しかし、ここからが庶民を相手に小物を売り捌くP&Gなんぞとは違う所!キナ臭い世界情勢にあって、国防さえ司っているといえるボーイング様は強いのだ。

 

水曜はそのまま若干の下がりで取引を終えたものの…



…そこから株価は一気に回復、結局決算前よりも高い株価で今週の取引を終えています。

 

 



アウトオブザマネーのプットを売っていたはずなので、これもプット売却代金完全丸儲けの大勝利。

【仮想投資状況おさらい】
○行使価格180ドルプットを、3.00ドルで5枚売却(証拠金として9万ドル拘束・1500ドルのプット売却代金ゲット)
◎投入合計:-8万8500ドル→満期まで放置。

【結果】
○行使価格180ドルプット→紙くず化、丸儲け。
◎合計損益:9万ドル-8万8500ドル=+1500ドル

…欲を言えば、1段階高い行使価格182.5ドルのプットを売っていればさらに利益は大きかったけれど、それは結果論ですね。結局一度も行使価格を割ることはなかったようですし、これは実際に売却していたら早くに勝利が確信できた気持ちのいい取引だったことでしょう。


5. TWTR (Twitter)
水曜日(市場開始前)に決算報告がありました。

 



既に週の途中でも触れていましたが、まさかのTWTRさん大勝利!!これじゃツイッターじゃなくてアガッターじゃねぇか!
まぁ、死亡待ったなしな経営状況と思われていたため予想が低すぎたってのもあると思うんですけど、数字的にもやはり凄い、大方の予想を68.75%も上回るEPS!
当然、大下げに賭けてプットを大きく買い付けた仮想取引は大爆死。

 



購入した行使価格13.5ドルプットは、損切りをしようにも最低入札価格0.01ドルでも買い手が全く見つからない状況。

水曜日の市場終了時点、若干株価が下がっても状況は変わらず。




またすぐに下がるのではないかと思っていたけれど、さすがにそこまですぐ暴落することもなく、好調なままTWTRは今週の取引を終えていました。

 

 

 


【仮想投資状況おさらい】
○行使価格13.5ドルプットを、0.22ドルで5000枚購入だ!(11万ドル)
◎投入合計:-11万ドル→決算発表後、プラスになっていなかったら即損切り。プラスになっていたら、水曜日市場終了時まで粘って売却しましょう。

【結果】
○行使価格13.5ドルプット→購入した全5000枚、完全紙くず化!!残念無念。
◎合計損益:購入したプットは全て価値0になって満期を向かえ、投入資金は全てドブ捨て、-11万ドル

…せめてコールとプットの両建てをしていれば、コールからはかなりのリターンがあったのに、悲惨な結果に。やはり、全力一点ギャンブル投資は絶対にやってはいけないということでしょう。大敗北。


6. GOOGL (Alphabet)
木曜日(市場終了後)に決算報告がありました。


こちらも、今さら言うまでもなく誰もが知る決算結果に。

木曜日の時間後取引では、一瞬ノイズのスパイクが入っていたものの、翌日の大上げを予想させる素晴らしい値動き。

 



ご存知の通り、金曜日は時間後取引の通り、大きく値を上げて取引がスタート。当然、売却したプットは紙くず化しています。

 



AMZN同様、まだまだ伸びていくのでしょうか…?素晴らしい値動きで今週の取引を終えています。

 

 


【仮想投資状況おさらい】
○行使価格850ドルプットを、11.00ドルで2枚売却(証拠金として17万ドル拘束・2200ドルのプット売却代金ゲット)
◎投入合計:-16万7800ドル→満期まで放置。

【結果】
○行使価格850ドルプット→文句なく、完全紙くず化。
◎合計損益:17万ドル-16万7800ドル=+2200ドル

…GOOGLの強さを信じて、消極的にプット売りなどではなく、コール買いをしていれば凄まじい利益になっていた(先週貼っていたオプション板画像に入っていた中で最高の行使価格・872.5ドルのコールを10ドルちょいで買っていれば、決算後、5倍以上に)。
まぁ結果論ですね。一応、この取引自体は完全勝利。


7. INTC (Intel)
木曜日(市場終了後)に決算報告がありました。

 



予想EPSと実際のEPSとの差は悪くはない感じのようですが、個人的な予想通り、決算報告後、時間後取引の時点で株価は結構下がっていました。

 



…明けて金曜日、下落です。

 



インテルはオプションを両建て買いしていたので、取り決めどおり、この時点で両方とも売却です。下がりはしたけれど、大幅下落とはいかなかったので、さすがに利益を上げるのは難しいかな?また、コールは値段が付いている内に売却してもいいけれど、プットは、株価がさらに下がりそうな気しかしないので、市場終了間際まで粘るのもありだったかも。

まぁ所詮仮想投資なので、当初の取り決めどおりで。


結局金曜日は、最後少し戻したものの、日中はなだらかに下落し続けて、回復することなく終了、この冴えなさは、実際に現在投資中のNVDAにも悪い影響を与えたのではないかと思いますが、来週以降どうなるでしょうか。

 

 



【仮想投資状況おさらい】
○行使価格37ドルコールを、0.35ドルで500枚購入(1万7500ドル)
○行使価格37ドルプットを、1.05ドルで500枚購入(5万2500ドル)
◎投入合計:-7万ドル→決算後、即売却。
 
【結果】
○行使価格37ドルコール→0.02ドルで500枚売却(1000ドル)
○行使価格37ドルプット→1.30ドルで500枚売却(6万5000ドル)
◎合計損益:6万6000ドル-7万ドル=-4000ドル

…うーん、ちょっと下落幅が足らず、ストラドル取引から利益を出せるまでには至らず…!金曜日朝一のオプション板の、評価額の前日比 (Mark Chg) だけ見ると、もう1段階高い行使価格37.5ドルのストラドル買いなら、コールが-0.615ドルのプットが+0.715ドルで、利益も出せたのかもしれない。
紙一重で損失にはなったけれど、予想はバッチリ当たったので、ここも自分に甘く、引き分け扱いで。
 

8. DCM (NTT DOCOMO)
木曜日(市場終了後?→恐らく、米国市場の開始前には既にされていた)に決算報告がありました。
 
(日本企業であるためか、NASDAQの決算カレンダーには結果が載っておらず。代わりに検索したらヒットしたまとめ記事で→2016年度決算も増収増益のドコモ 5Gで未来を作る&新プランでユーザー還元 (http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/395/395940/))

この記事を見る限り、また、株価の動き(↓は木曜日市場開始後のオプション板)を見る限り、良かったみたいですね。さすがおれたちのドコモ!そこにシビれる!あこがれるゥ!

 


こちらは木曜日市場終了時点のオプション板。

 



売却していた行使価格22.5ドルプットには、0.10ドルのAskが入った。取り決め通り、0.10ドルで買える状況なので、ここで買い戻すことにしましょう。

結局翌金曜日も株価はアップ、米国市場に上場しているドコモは好調なようです。ただ、やはり本国ではないため取引量は少なく、オプション取引も活発にはなされていないようなので、あえてNYSEのドコモ株を取引するメリットはないかも。

 

 



【仮想投資状況おさらい】
○来月満期・行使価格22.5ドルプットを、0.15ドルで10枚売却(証拠金として2万2500ドル拘束・150ドルのプット売却代金ゲット)
◎投入合計:-2万2350ドル→0.10ドルで買い戻せそうな状況だったら、即買い戻す。

【結果】
○来月満期・行使価格22.5ドルプット→無事、0.10ドルで買い戻せた。証拠金2万2500ドルはリリース、買い戻しに0.10 x 10 x 100=100ドル消費。
◎投入合計:2万2500ドル-100ドル-2万2350ドル=+50ドル

…まぁ、米国市場のドコモに触れるだけのオマケ取引だったんで、こんなものでしょう。しかし、取引自体は無事勝利。


9. SBUX (Starbucks)
木曜日(市場終了後)に決算報告がありました。

 


上の結果を見る限り、そこまで悪くはなかったようですが、決算発表後の時間後取引で、株価はそれなりに下がっていました。やはり、市場はスタバの分かりにくい注文システムに嫌気、という感じでしょうか(冗談ですが)。

 


金曜日、やはりマイナススタートです。

 



しかし、日中徐々に回復して、株価は60ドル台に復帰して今週の取引を終えたようです。オプション板とGoogle検索結果のチャートとで株価が微妙に0.01ドル違いますが、時間後はさらに下げていたようなので、低い方の60.06ドルを終値としようと思います。

 

 

 


【仮想投資状況おさらい】
○行使価格60.5ドルプットを、0.98ドルで10枚売却(証拠金として6万500ドル拘束・980ドルのプット売却代金ゲット)
◎投入合計:-5万9520ドル→満期まで放置。
 

【結果】
○行使価格60.5ドルプット→株価は60.06ドルで満期を迎えた。行使価格以下なので権利が行使されて株を買わされるが(60.06 x 10 x 100=6万60ドル、プット売却資金と合わせたら利益の出る取引になる模様。
◎合計損益:6万60ドル-5万9520ドル=+540ドル

…株価は行使価格より下がってしまったものの、予想は当たり、利益も出せたので、これは勝ち。


10. XOM (Exxon Mobil)
金曜日(市場開始前)に決算報告がありました。

 


数字を見ると、かなり良かったようですね。金曜日は、プラスで始まっていました。

 



プット売りをした立場としては文句なしです。
しかし、チャートを見ると、その後伸び続けることはなく、むしろ市場開始から萎び続けている感じで、来週の動きに不安も残る形ですが、まぁXOMなら大丈夫なのではないでしょうか(根拠なし)。

 

 



【仮想投資状況おさらい】
○行使価格80.5ドルプットを、0.73ドルで10枚売却(証拠金として8万500ドル拘束・730ドルのプット売却代金ゲット)
◎投入合計:-7万9770ドル→満期まで放置。

【結果】
○行使価格80.5ドルプット→株価81.65ドルで満期を迎えたので、無事紙くず化、丸儲け。
◎合計損益:8万500-7万9770ドル=+730ドル

…やはり安定した強い企業のプット売りは、小額なれど安定して利益を上げられそう。しかしもちろん大暴落することもあるので、絶対とは言えないのが難しい所ではあるが…。



【注目10銘柄・仮想投資の合計】
○投入資金=89万915ドル
○回収資金=78万2865ドル
◎合計損益額・率=-10万8050ドル-12.13%

予想自体は7勝1敗2引き分けとまずまずだが、オプション買い取引が完全に足を引っ張り、またしてもマイナス10%超の大幅損失。

やはり、向こう見ずなギャンブル一点張りはいけませんね。…しかし、もしGOOGLに大幅アップ予想のコール買いギャンブル一点張りで、TWTRと同額の11万ドルぐらい賭けていたら、+50万ドルは軽く行っていたのか…。
…ま、そんな都合よく当てられないのが市場ですけどね。次回は、なるべく利益を出すことを目標に仮想投資に臨もうと思います。