オプーナ「月曜日に+90%以上のアップをしていた白血病薬開発バイオ・TGTX (TG Therapeutics) が、総額5000万ドルの株式公募 (public offering) の発表を行いました」


(月曜日の記事)
2017/03/06 弱小バイオが白血病薬で株価大アップ……これは…チャンスか?!

 

スライム「公募増資ってのはつまり、企業が新株を発行して資金を工面するって話ですよね?一般的には市場価格より割安で株を売りつけることもあり、ある意味現金が必要=資金繰りに苦慮しているってことで、多くの場合株価は下がるものと理解しているけど、TGTXは本日またしても大幅アップだね」


オ「しかしTGTXのような弱小バイオ企業の場合、臨床試験結果が良かった→さらなる開発・承認ステップに踏み出すために資金が必要→これは新薬の未来が明るいことの裏返しだ!…という推測で、増資は好印象と受け取られる場合も多々あるようですね」


ス「まぁ理には適っていますな」


オ「とりあえず増資について、準公式のPRニュースであるGlobeNewswireから今朝配信されていた記事を見ておくとしましょう」

 


----------
TGTXが、5000万ドル相当の普通株式増資を発表
(http://finance.yahoo.com/news/tg-therapeutics-inc-announces-pricing-141953079.html)


2017年3月9日、ニューヨークより (GLOBE NEWSWIRE) ――TGTX (TG Therapeutics, Inc.) が本日、普通株式512万8206株の公募価格を、1株あたり9.75ドルと発表した。これに伴うTGTXの総収入は5000万ドルと見積もられる。さらに加えてTGTXは、引受人に、引受差額および手数料を差し引いた公募価格で、追加で最大76万9230株の普通株式を購入できる30日間のオプションを付与した。この募集は、慣例的な完了条件が満たされることを条件に、2017年3月14日頃に終了する予定である。


Jefferies LLCが、本公募の唯一のブック・ランニング・マネージャー(公募の注文を記録し、誰に何株割り当てるかを決定する役割を持つ投資銀行)となっている。SunTrust Robinson Humphrey社とLadenburg Thalmann&Co.がリード・マネージャーを務めている。H.C. Wainwright&Co.、Aegis Capital社、Roth Capital Partners、およびOPN Capital Marketsが、本公募の共同マネージャーとなっている。


TGTXは本公募で計上する純益を、TG-1101およびTGR-1202の進行中の開発費として、並びにさらなる新薬候補の、将来的なライセンス取得、買収、開発および商品化、並びに研究開発活動および一般的な目的のため用いる意図である。


本公募は、以前2014年12月31日に証券取引委員会 (SEC) に提出されていた棚卸資産登録簿に基づいて行われている。この募集は、書面による目論見書、および登録声明の一部を形成する目論見書補足のみを用いて行われている。本募集に関連する仮目論見書補足および付随する目論見書はSECに提出されており、SECのウェブサイト (www.sec.gov) で入手可能である。入手可能になり次第、仮目論見書補足および付随する目論見書の写しは、Jefferies LLC: Equity Syndicate Prospectus Department宛、520 Madison Avenue、2F、New York、NY 10022から、または電話877-821-7388もしくはprospectus_department@jefferies.comまで電子メールで送付することによっても、取得可能となる。


本プレスリリースは、これらの有価証券の売却申込みを構成するものでも買入れの教唆を構成するものでもなく、また、証券法の下で登録または資格取得前の募集、教唆および売却が違法とされるいかなる州または管轄区域においても、これらの有価証券の販売はないものとする。

 

TGTXについて

 

TGTXは、B細胞悪性腫瘍および自己免疫疾患の新規治療法の取得、開発および商品化に焦点を当てたバイオ医薬品企業である。現在、TGTXは血液悪性腫瘍および自己免疫疾患を対象とした2つの治療法を開発している。TG-1101 (ublituximab) は、成熟Bリンパ球上に見出されるCD20抗原上の特異的かつ独特なエピトープを標的とする、新規な糖鎖改変モノクローナル抗体である。TGTXはまた、経口で利用可能なPI3キナーゼδ阻害剤であるTGR-1202も開発中である。PI3キナーゼのδアイソフォームは造血細胞において強く発現しており、Bリンパ球の増殖および生存において重要であると考えられている。TG-1101とTGR-1202はともに、血液悪性腫瘍の患者のために臨床開発中であり、TG-1101は自己免疫疾患の臨床開発中でもある。TGTXはまた、IRAK4阻害剤、BET阻害剤、並びに抗PD-L1および抗GITR抗体を開発するための前臨床プログラム中にある。TGTXは、本社をニューヨークに置いている。

 

将来予想に関する記述・免責


定型文・省略


----------

 


オ「そんなわけで、TGTXは1株9.75ドルでの増資発表により、昨日10.15ドルで取引を終えていた株価は、本日もそれなりにアップしていたのでした。お昼少し前のオプション板がこんな感じです」

 


ス「ふーん」


オ「昨日NVDAオプション1円抜き狙い取引に大失敗して余力がほとんどなくなってしまったスライムさんは、もう手が出せませんね」


ス「出すわ」


オ「…え?」


ス「もうあってもなくても全く一緒な残り資金しかないから、ボロオプションに手を出してみるわ」


オ「…ヤケになったらおしまいですよ」


ス「まぁ無鉄砲には映るかもしれませんがね、しかし臨床試験結果で株価が2倍だ、公募増資でまた大アップだとあっては、少なくとも今後しばらくは大きな値動きが期待できそうでしょう?
   正直上手くいく気はサラサラしませんが、絶対確実に上手くいく気しかしなかった投資が上手くいった試しもありませんのでね、逆説的に案外上手くいくかもしれんのです」


オ「『上手くいく気がする→上手くいかなかった』と、『上手くいく気がしない→上手くいく』は全く似て非なるものですよ。

 

   『失敗し続けているなら、真逆の選択肢を取れば成功するじゃん』という考えをしばしば見ますが、取引というのは一手で終わるものじゃない以上、反対の選択肢を取れば確実に上手くいくというものでもありません。
   また、無数にある選択肢の内、1つのみが正解で残り全てが失敗というパターンも普通にあるでしょう。多数の道から満を持して上手くいきそうなものを選んだら、実は上手くいかない結果に通じる道だった、これは自然でよくあることです。しかしスタートに戻ってみて、多数の道から今度はあえて上手くいきそうにないものを選んでみても、結局それはまた別のダメな結果につながっている道にすぎなかった、というのもよくあるオチです。

   上手くいきそうな道がそうそう上手くはいかないのと全く同じように、上手くいきそうにない道も結局あっさり上手くいかない結果につながっているだけのことが多いのが、投資の世界ですね」


ス「まぁそうかもしらんけど、でも失敗してもきっと得られるものはありますから」


オ「…今のところ失敗から学べたことはほとんど何もなかったんじゃないかと思えるのがスライムさんの現状ですが…。

…まぁいいでしょう。で、先日暴落期待でプットを購入したのに、本日も株価がアップをし続けているTGTXに対しては、一体どうされるおつもりで?」


ス「まぁ、話の流れから明らかかもしれませんが、やはり僕はまだ暴落に期待しているわけですよ。幸い火曜日に新設された行使価格のプットが、最低入札価格で買えるんじゃないか、ってレベルなんでね、なけなしの最後の資金を使って、今回はその行使価格9ドルプットの購入に挑戦です。てりゃー、食らいやがれ!」

 

 

 

オ「最低入札価格の0.05ドルで、15枚のプットの購入ですね。先ほどのオプション板にも示されていた通り、この行使価格9ドルプットのAskは0.10ドルのため、即座に約定はしないようです」

 

 

ス「ま、買えなかったら買えないでいいんだ。でももし約定したら、これはもう完全に暴落期待モードだ」


オ「約定するためには、プットの価格が下がる=株価が上がらなければならず、一度上がったらまたそのまま上がり続けてしまうのがオチになりそうですが…。


…おや、そう言っていたら、ものの3分かそこらで、なぜか株価は若干下落したのに約定しました。思わぬラッキーはなく、15枚、全て0.05ドルでの約定ですね」

 

 


ス「これで僕にはもう1ドルの余力もなくなってしまった。後はひたすらTGTXの暴落が来るのを待つのみだ!
   満期までは幸い1週間ある、来てくれるっしょ、多分!!」


オ「以下は市場終了時のオプション板です。息をするかのごとく予想はハズレ、株価はその後落ちることなくむしろ上がり続けていました」

 

 


ス「…まだ1週間ある!株価ってのは、落ちるときは一気だからね、正座して待つとしよう」

 

 


【本日の最注目銘柄】


ス「本日も市場には元気がなかった気がしたけど、そんな中で米国市場トップの値上がりはまた弱小バイオ、OCRX (Ocera Therapeutics) だったね。

   昨日も結構上がっていたんだね。しかし、正直2日連続で上がってもなお2ドル未満という弱小株でしかないけど、幸いオプションが扱われていたのでそれだけ見ておこう。

 

 

 

 

 

…って、取引されていなさすぎぃ!…あれ、日中見た時はもうちょい、少なくともこんな全てのBid-Askが0のような閑散っぷりじゃなかった気がするんだけどな。

   実際取引履歴やOpen Interest、Volumeなんかを見てもちゃんと取引はされていたみたいだし、こんなに大きな値動きをしているのに何故こんなに閑散としているんだろうね?」

 

オ「単にプラットフォームのエラーか何かで適切にアップデートされていないだけかもしれませんね。

   上がりの理由としては、ヘッドラインを見てみたら、フェーズ2bの試験結果が発表されたとのことのようです」


ス「TGTXと同じように暴落期待でプットを買おうにも、取引量が少ないのみならず、そもそも株価が小さすぎてアウトオブザマネープットが存在しないとはふざけてるね。まぁ余力もないから、買いたくても買えない状況ではあるんだけど」


オ「どう動いていくか、こちらもしばらく値を追っていきたいですね」

 

 

 

 


オ「本命株・NYMXに動きはなし…

 

 

 

   復活期待のNVDAは今日も冴えず…

 

 

 

   プット売却済みのRADは、5日目にしてようやく極々小額ですが下げ止まりです」

 

 

 

ス「RAD、日中は元気そうだったのに、結局わずか最小値の1セントアップかよ!ま、もう売却済みプットを買い戻す余力もないから、このプットからは権利行使を甘んじて受け入れて、金曜の市場終了後に行使価格の5.5ドルで300株お買い上げするしかない感じだね。これで底をつけて、来週からは回復してくれるといいんだけど」

 

オ「もし冴えない状況が続くようなら、オプション売りサイクルを回したいなどと考えず、速やかな損切りも重要になりそうです。よく考えましょう」