今回から米国個別株オプションについての税金のようです。まずは一方向の単純ポジションの話、これは個人的には重要で役に立ちそうな話の気がします。


(その6:コンストラクティブ・セール / その8:税金ストラドル・ルール


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税と投資~個人投資家へのガイド~
(http://www.optionseducation.org/content/dam/oic/documents/literature/files/taxes-and-investing.pdf)


p. 15 一方向の個別株オプションポジション

 

損益処理が長期扱いになるか短期扱いになるかは、長期キャピタルゲインの優遇税率のために、個別株オプションにとって非常に大きな意味を持ち得る。特に明記されている場合を除き、本章での議論では、一般的なルールの下での結果を変更する税金ストラドル・ルール(17-26ページで詳述)は適用されないものと仮定する。以下の議論は、『第1256条契約』(26-27ページで詳述)にあたるオプションには適用されない。

 

コールの買い

コールオプションが取得され、1年以上保有されている場合、その売却による損益は長期キャピタルゲインまたはロスとなる(7ページ参照)。コールが購入され、1年以内に売却された場合、その結果得られる損益は短期扱いとなる。

コールの失効は、満期日に売却または交換したものして処理され、コールの保有期間に応じて、短期または長期のキャピタルロスをもたらすことになる。

コールの権利を行使する場合、支払われたプレミアム(コール価格)、行使価格、行使時に証券会社に支払われる委託手数料、コール購入時の手数料は全て、その株の取得ベースに含まれることになる。取得した株式の保有期間はコールが行使された翌日から開始され、コール自体の保有期間は含まれない。


コールの売り
コールの売却で受け取ったプレミアムは、受け取った時の収益には含まれず、コールが失効する、またはコール売却者がコールの権利行使割当ての結果として対象株式を売却するもしくはポジションを閉じる取引(=コールを買い戻す)でそのコールポジションを畳むまで、保留される。

コールが失効した場合、コールが発行済であった期間に関係なく、短期キャピタルゲインとしてプレミアムが収益に取り込まれることになる。同様に、ポジションを閉じる取引によるオプション契約終結時の損益は、コールが発行済であった期間にかかわらず、短期間のキャピタルゲインまたはロスとなる。

しかし、コールの権利行使が割り当てられる場合、行使価格プラス受け取ったプレミアムは、損益を決定する際にその株の売却価格となる。結果として得られる損益の税務上の取扱いは、権利行使の割当てを果たすための受け渡しを行う際に用いられた対象株の保有期間および取得ベースに基づいて決定される。受け渡しがされた株式の保有期間が1年を超える場合(税金ストラドル・ルールを考慮して)、損益は長期扱いとなる。


プットの買い
プットオプションを購入する場合、プット契約の終結時(ポジションを閉じる取引または満期を迎える)の損益は全て、プットの保有期間に応じて、短期または長期のキャピタルゲインまたはロスとなる。

プット買いポジションにおいて満期が到来することは、プットの保有期間が1年以下の場合短期キャピタルロス、1年より長い保有期間では長期キャピタルロスとなることを意味する。

プットの権利を行使する場合、プットの費用および株式の売却にかかる手数料は、受け渡される対象株の売却時に受け取る評価金額から減額される。


プットの売り
コールの売却資金と同様に、プットの売却資金は、プット売却者の義務が解消されるまで保留される。プット売りポジションを閉じる場合、プットが発行済であった期間の長さにかかわらず、短期キャピタルゲインまたはロスとなる。

プットが満期を迎える場合、プット売却者は受け取ったプレミアムの範囲で短期キャピタルゲインを計上することになる。

プットの権利行使が割り当てられる場合、行使価格プラス手数料からプット売却時に受け取ったプレミアムをマイナスした金額が、取得した株式の取得ベースとなり、その株式の購入の翌日からその株の保有期間が始まることになる。

 


一方向個別株オプションの処分における損益の取扱い

(権利行使されない場合)

保有期間

コール買い

コール売り

プット買い

プット売り

1年以下 短期 短期 短期 短期
1年より長期 長期 短期 長期 短期

 

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文章で読むと割とややこしい気もしましたが、最後の表にまとまっている通り、オプションの売りでは何がどうあろうと短期保持扱いで高い税金を課されてしまう、というのが結論のようですね。


これは人によるかもしれませんが、1年以上のそこまで長期のオプションを扱うことはほぼないと思うので、個人的にはいずれにせよオプション取引は短期になることは決定しているようなものであり、特にまあ問題ないかな、という感じです。


次回は相殺ポジションに関する税金のようで、さらにもっとややこしそうです。ずっと名前だけ出てきていた税金ストラドルルールの説明もあるようですが、大抵説明を聞いてもよく分からんまま終わるのが関の山な気がするものの、しっかり読んでみようと思います。