スライム「それは僕がしっかり保険を購入していたから。よ~く考えよう~ 保険は大事だよ~……と続けたかったんですが、タイトル文字数の都合上入りませんでしたね」


オプーナ「保険会社の上手い宣伝文のようですね。とりあえず例によって順番に振り返っていくとしましょう」

 

ス「市場開始3分前…

 

 

…時間前取引で、105.85ドルですか。そうか、あかんかと思いましたね」


オ「そして市場スタート、始値はなんと103ドル台です」

 

 

ス「きえぇぇーーっっ!死ぬうぅぅーー!
…っと、待てよ、僕は保険としてプットを買っていたじゃないか!株価が大下落すれば、こいつが値上がりしてくれる寸法なんです。

   開始直後すぐに取引きした人もいたみたいで、直近取引価格は3.55ドル…僕はプットを10枚買いましたから、この価格で売れれば3550ドル…。コールもまだ紙くず化していませんので、BidとAskの平均値、0.25ドルで売れたとして、コールは50枚買いましたから、コール売却から1250ドル…。しかし現状さすがに下がりすぎだと思うんで、きっとすぐNVDAは回復してくれるでしょう。

   プットを3500ドルで売っておいて、コールは少し待ってもうホンの少しでも高く、例えば0.5ドルででも売れば、むしろこんな予想大外れの展開から利益を生み出せるじゃないですか!何てすごいんだオプション取引!!」


オ「オプションストラングル買いの場合、どちらであれ大きく株価が動いてくれれば利益を出せる確率が高いですからね。スライムさんはかなりのコール偏重買いでしたが、これが逆のプットの比重を大きくしていた形であれば現時点で極めて大きい利益であったものの、予想を外してもまだ利益を出せる可能性が十分に残されているのは素晴らしいですね。
…しかしスライムさん、相変わらず勝った気になるのは早計でしょう。きちんと収益が確定されて、初めて結論は得られるものです。ホラ、そう言ってるそばから5分もしない内に、NVDAは105ドル台に復帰して、プットの価格は大きく下がってしまいましたよ」

 


ス「しかし、コールの価格は上がっています。うーん、どうすべきか」


オ「欲張ってはいけませんよ」


ス「それから10分、104ドル台になった。プットはまたアップ、コールもそれなり…。うーん、プットだけでも売っておくべきか…」

 


オ「慌ててはいけませんよ」


ス「さらに5分かそこらで、また103ドル台に!プットはさらにアップ、しかしまだ株価は下がる気もするから、手を出せない…!!」

 


オ「欲張ってはいけませんよ」


ス「結局手を出す勇気もなく、ずっと見ていたら105ドル台で安定してしまっているね。以下は10時30分頃のオプション板、プットの価格は大分寂しくなってしまいました…」

 


オ「言わんこっちゃありませんね。欲張ってはいけないと、何度もご自身言い聞かせていたのに、まるで成長していません…」


ス「あのねオ師匠、勇気を出して取引きしようとしたら『慌ててはいけない』、じっくり様子見をしていたら『欲張ってはけない』って、んなもん外野の声は無敵じゃないですか!
…やりながら、上手い人ならもっと上手く取引きするんだろうな…とも思いもしましたがね、ハッキリ言って、こんなもん運だ!仮にさっき103ドル台でプットを売っていたとしましょう。でも今105ドル台に戻ってきたのはたまたまであって、もしかしたら100ドル切る方向に動いていたかもしれないじゃないですか!そんなの、どんな達人だって完璧に当てられやしませんよ!!」


オ「それはそう言い切れますかナ?例えばスライムさんが麻雀のプロ3人と3日3晩麻雀を打ち続けたとしましょう。麻雀は次に引く麻雀牌が何かなど誰にも分からない、大きく運の絡むゲームだと言えますが、スライムさんはその3人にトータルで勝てるとお思いですか…?」


ス「いや僕は麻雀をしませんから分かりませんけどね、まぁ運が良ければあるいは…」


オ「勝てませんよ。ルールを覚えたばかりのレベルの人では、運も大きく絡むような麻雀ゲームでさえ、歴戦のプロには絶っ対に長期的には勝てません。
   言わなくても分かると思いますが、彼らはスライムさんには見えていないものが見えているのです。一方スライムさんは自分が上がることしか考えていないような初心者です。もちろん豪運を発揮して、初戦2戦目を奇跡の連勝で始めることもあるでしょう。しかし世の中そんなものが続くようにはできていません。繰り返し試合を行っている内に、間違いなくスライムさんはカモにされることでしょう。株取引もそれに近いところがあるのではないですかナ?」


ス「長々とご高説いただきましたが、そんなこたぁ正直うすうす分かってますよ。じゃあどうすればいいんだ、って話なわけですよ」


オ「結局世の中確率に支配されていますから、『確実に勝つ』ためには、『勝率の高い方法』で『試行回数を増やす』(または『「長期間」と言えるぐらいの長い時間をかませる』)他ないでしょう。スライムさんのように無策でデタラメに取引きしていては、勝つこともあれば負けることもある、単なる運否天賦です。
   市場にはスライムさんより遥かに優秀な、勝率の高い手法を駆使する猛者たちが大勢いますから、運否天賦勝負では長い目で見てまず間違いなく負けるでしょう」


ス「…だからその『勝率の高い方法』ってのは一体何なんだ、ってのがないと情報量0の話でしょうが…!……っと、グダグダ話しているうちにまた104ドル台に下がってくれたぞ!プットも3ドル台に復帰、これは今度こそチャンスか?」

 


オ「まぁまだ11時前ですから、しばらく様子見するのもいいでしょう。昨日はお昼過ぎからも下がり続けましたからね。しかし、どうなるかは分かりません。それを独特の理論と感性で、確率高く嗅ぎ分けられる人こそが『上手い人』であると思われますが、スライムさんには難しそうですね…」


ス「お昼過ぎまでは様子を見ましょう。午後、その時の株価次第ですが、来週はまた月曜日が正月代休で市場お休みなこともあり、時間的価値の面で不安がありますから、3ドル以上で売れそうならもう思い切ってプットを売っておこうかなと思います。
   ちなみに、年明けさらなる大暴落があるかもしれませんから、売却資金からまた1000ドルぐらい使ってさらに低い価格のプットを買っておく予定です」


オ「本日この時点で、スライムさんの目標はプットを高く売ることであり、大量のコールを抱える立場ながらも、短期的にはNVDAの下がりを期待している感じですね。
   NVDAの大上がりを期待して取引きしたのに、翌日もう下がることを期待しているとは何ともおかしな話ですが、果たしてそう都合良く事は進むでしょうか…?どうなるか見ものですね」

 

 

~午後1時少し前~

 


オ「期待に反し、NVDAは復活しつつあります」

 


ス「ぐぬぬ…。ぬかったか…。もうちょい様子を見よう」


オ「それからものの5分で、もう前日比プラスになるのではないかという勢いです」

 


ス「クワッ!!断言しよう、NVDAはあっさり前日比プラスをマークする!!
…そうとなれば、『さっきまでは○ドルで売れたのに…』などということは最早関係無い、今すぐプットを売って、予想通り株価がどんどん上がってプットが値下がったらまた買い直すのがベストだ!!プット売り注文、あらよ~っと」

 

 

オ「相変わらず深く考えずに飛びついてしまわれますね…。BidとAskの中間ぐらいで出した売り注文は、一瞬で約定しました。

 

 

 

   嬉しいサプライズはなく、注文通り1.75ドルで10枚売却ですね。このプットは昨日1.12ドルで購入したものであるため、もちろんプット単体の売買としては利益の出ている形ではありますが、この思いつき売却が吉と出るか凶と出るか…」


ス「すぐにNVDAは前日比プラスへ行く、見とれよ見とれよ~」


オ「…それから10分ほど経ちましたが、前日比プラスにいくどころか売却直後より下がっているんですがそれは」

 

 

ス「ハハハぬかったわ!失敗じゃ失敗!!」


オ「何たる軽さ…。例のプット価格はスライムさんの売却した1.75ドルより既にかなり上がり、余裕で2ドル超えで売却できるような感じです。
   しかし、少なくとも1740ドル弱手元に戻ってきた事は間違いありませんから、前回のNAV・FDXへの投資とは違い、残金ほぼ0で終わる目は、今の所なくなりましたね」


ス「株価が本格的に上がり始めちゃったら、購入価格以上で売ることすらままなりませんからね、タイミングは悪いですが、利確ってやつです」


オ「それはプット価格が3ドルを超えている時にすべき決断でしたね。さすがに下手なタイミングと言わざるを得ません」


ス「まぁまだ本日時間は残っているからね、また強いNVDAが来てプットを買い直すチャンスは来るかもしれないから、正座して見守ろう」

 


~ずっとマイナスで1時間以上くすぶり続けた中、午後2時20分頃…~

 


ス「おっ、上がってんじゃ~ん!」

 

 

オ「かなり不安定で、またすぐに下がりそうですが、この全体的に弱い相場の中、一時的にでも前日比プラスに辿り着いたのはさすがですね。
   プットはどうされるおつもりで?今なら1.5ドル台で買い戻せるようですが」


ス「どうすっかな~俺もな~」


オ「現在コール1点張りになっていますから、NVDAは回復基調に入ったように見えるとはいえ、念のためちゃんと保険をきかせておくのは言うまでもなく重要ですね」


ス「もうちょい様子見る」

 


~午後3時少し前~

 


ス「110ドル超えましたか…。やはり強いね」

 


オ「間もなくコールも買値に届いてくれるか、という感じですね。なお、プットで得た利益と合わせれば、既にこの時点で売っても利益を出せるぐらいにまではなっています」


ス「誰がどう考えても、明日からも上がっていくでしょう。コールは売りませんよ。しかし、保険のプットだね。これはやはり、改めて買い直しておくべきでしょうね」


オ「それはそうでしょうね」


ス「っしゃ、上がるか下がるか分からんから、どっちになってもバランスを取っていい取引だと思えるように、またスプレッド買いを実行する!コールは同じポジションを10枚買い増し、プットは1000ドルぐらいで買えるように、行使価格102ドルのを10枚の買い注文だ!」

 

 

オ「また若干ケチってBid-Askの結構Bid寄りの買い注文を出されましたが、約定するでしょうか?午後3時を回り、株価は先ほどより若干弱くなっています」

 


ス「ま、約定したらラッキーってことで。残り30分切って約定していなかったら、注文を変更しましょうか」

 

 

~15分後~

 


オ「約定したようですよ」

 

 


ス「ほぉ、コールは1枚0.88ドル、プットは1枚1.02ドルですか。まぁ、昨日と似たような保険プットを買いながら、さらにコールを昨日より安く買い増しまでできたという形ですし、本日は間違いなくベストな取引ではありませんでしたが、まあまあ上々だったんじゃないでしょうか」


オ「ご自身がそう思えるのならそれ以上幸せなことはありませんね。明日以降、NVDAが更に立ち直れるのか、楽しみに期待しましょう」

 

 

【暴騰暴落銘柄推移表】

銘柄 業種 登場日 登場日の株価(前日比) 登場~本日までの値幅 本日の株価(前日比)
NYMX (Nymox Pharma, 本命株!) バイオ

6/22

8/10

8/24

9/13

↑3.15

(35.19%)

↓1.85

(-40.51%)

↑4.45

(83.13%)

↑3.64

(30.94%)

1.85-4.89

↓2.75

(-1.79%)

TSRO (Tesaro) バイオ

6/29

↑77.64

(108.65%)

77.64-148.50

↑135.06

(0.15%)

REN (Resolute Energy) オイルガス

7/11

↑6.07

(59.74%)

5.94-41.43

↓40.31

(-2.44%)

SRPT (Sarepta Therapeutics)

バイオ

9/19

↑48.94

(73.85%)

27.63-62.35

↓27.63

(-2.61%)

AKAO (Achaogen)

バイオ

12/12

↑13.03

(148.19%)

12.44-14.86

↓13.30

(-0.15%)

VCEL (Vericel)

バイオ

12/14

↑4.10

(57.69%)

2.85-4.10

→3.10

(0.00%)

CNAT (Conatus Pharmaceuticals)

バイオ

12/20

↑4.73

(141.33%)

3.77-6.11

↑5.45

(3.22%)

PTLA (Portola Pharmaceuticals)

バイオ

12/23

↑25.06

(33.80%)

22.29-25.06

↓22.29

(-2.79%)

MSDI (Monster Digital)

デジタルカメラ

12/28

↑2.20

(80.33%)

1.70-2.20

↓1.70

(-21.05%)

KOOL (Cesca Therapeutics)

バイオ

5/19

12/29

↑3.61

(79.60%)

↑3.74

(36.00%)

2.52-5.42

↑3.74

(36.00%)

IONS (Ionis Pharmaceuticals) バイオ 5/26

↓21.36

(-39.42%)

20.62-55.12

↓48.62

(-5.67%)

TWLO (Twilio)

クラウド通信

10/10

↓52.02

(-14.13%)

29.15-52.44

↓29.27

(-3.11%)

ELGX (Endologix) 医療機器

12/27

↓5.27

(-26.70%)

5.27-5.92

↑5.92

(11.07%)

CEMP (Cempra) バイオ

12/29

↓2.60

(-57.38%)

-

-

 

オ「本日はトップもワーストもバイオでした。トップのKOOLはオプションが扱われていませんが、他に目ぼしいものもないのでこちらを取り上げておきます」


ス「あぁーっっ!コイツは!!COOLじゃなくてKOOL、覚えてますよ、この表を取りはじめた最初期に出てきた銘柄じゃないですか!
…まぁ、毎度、だからってどうということもないんだけど」


オ「昨日トップのモンスターデジタルは大きく下げていますね」


ス「年末だというのに中々動きが激しいね。まぁ、僕としては大きく動く株は魅力的ではありますが、やはりオプションがないと保険をかけられないし、手を出し辛くはありますね」

 

 

 

 

オ「NYMXは下がりましたが、大きく売却したオプションに大きな動きはないようです」

 


ス「ニュースの前触れかもしれんよ…。NVDAで大きく益を上げたら、早い所売却ポジションのコールを買い戻そうと思うから、それまで待ってておくれよ」


オ「すっかり触れることもなくなってしまった金鉱株は本日大上げだったのか、ブル3倍ETFのNUGTは、21.52%ものアップで急騰です」

 


ス「やるねぇ。株式市場全体がどうも冴えない空気だから、金鉱株に流れたんでしょうか?しかしやっぱり僕は、今となっては流れの読めない金鉱株より、強いNVDAを信じて上がりに賭ける方が自分に合ってる気がするな」


オ「そのNVDAは、あれからも順調にやや上昇して、前日比+1.91%の111.34ドルで終えたようです。コール価格自体も、昨日スライムさんが購入された0.95ドルを、早くも上回っていますね」

 


ス「…しゅ、しゅごすぎぃ~!あんなクソみたいなスタートを切った日だというのに、実はコールだけでざっくり前日比10%近くの益を出す形で終わるとか、強いNVDAさんが戻ってきてくれたようですね」


オ「何が起こるかは分かりませんよ。明日また下がる可能性だって大いにあります」


ス「ありませんよ。近い内あっさり120ドル超えますから。そうなったらアレだよ、…スゴいよ!」


オ「もし明日120ドルに届くかどうかぐらい上がったら、5倍、500%近くの利益は堅いかもしれませんね。しかし、本日の様子を見る限り、欲張るクセは一向に治ってらっしゃらないようで、スライムさんが上手い取引をできるかについては疑問符がつきますが」


ス「まぁ、できんでしょうな。しかしまぁ最強NVDAさん、NYMXとは違って、こう上でも下でもガツンガツン株価が動いてくれると、やっていて楽しいやね」


オ「完全に思った通りの上手な取引ができていたならばもっと楽しいんでしょうがね」


ス「もちろん僕の取引が噴飯ものの下手さなのは認めますがね、実際やってみると難しいですって!オ師匠も外から口を出すだけじゃなくてやってご覧なさいよ、思ったよりムズいから!」


オ「私がスライムさんのポジションを持って今日を迎えていたならば、3.6ドルだった時点でプットを売却し、スライムさんが再購入された半額の0.40ドル程度の時点でコールを再購入、保険のプットは市場終了間際、スライムさんの再購入の80%程の価格・0.8ドルぐらいで再購入していましたね。ざっくりと、本日だけでスライムさんより2 x 2 x 1.25=5倍以上のリターンでしょうか」


ス「クッ…後付けくさいが、さすがはオプション取引の達人…!…って、そう思うならやってみせて下さいよ!!」


オ「ホッホッ、スライムさんは『代理で取引きしてもらう権利』をお持ちではありませんからナ、それはできませんナ」


ス「そんな初期設定生きてたのかよ!…その権利、お値段はいかほどで?」


オ「ごにょごにょ」


ス「ギャヒョーン、それは一生かかっても払えそうにないぞ!…仕方ありません、オ師匠には頼らず、自分の力で頑張っていくしかなさそうですね…」


オ「そういうことです。そもそも結局はご自身がレベルアップする以上に確実な投資はありませんから、失敗しながらも少しずつ成長していくのが、スライムさんにとって何よりの財産になるでしょう」


ス「自分で言うのも何ですが、1.75ドルでプットを売ったあの場面、昔なら『さっきまで3ドル以上で売れたのに…。悔しくて今さら売れるか!』と思ってスルーしていましたが、あそこで売ることができたのは成長の証と言えるのではないでしょうか」


オ「もっと成長して、その『さっきまで』の3ドル以上で売れていた時点で、『ひとまず売って様子を見る』ことができるようになるといいですね。十分な利益が出ているなら、欲張らずにまずは一旦仕切り直した方が、スライムさんの場合上手くいくことが多いでしょう」


ス「今後の課題だ」