今回は個別株オプションと普通株との比較と、やや中途半端ですがページ数の関係でその次の章を少し見てみようかと思います。

 

(その4: オプション取引のメリット / その6: オプション取引とは何か?

 


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個別株オプションを理解する
(http://www.optionseducation.org/documents/literature/files/understanding-equity-options.pdf)
 
p. 7 普通株と比較したオプション (Options Compared to Common Stocks)


上場オプションは、普通株と多くの類似性を持つ:


・オプションも株も、上場有価証券である。オプションの売買注文は、株の売買注文と全く同様に、証券ブローカーを通して行われる。上場オプションの注文は、取引が競争的オークション市場で実施されている、SECの規制下にある国営の取引所にて遂行される。


・株と同様、オプションは、入札を行う買い手と、売出しを行う売り手との間で取引が行われる。株では、これら入札と売出しは、株式に対して行われる。オプションでは、入札と売出しは、規定の1株あたりの価格で、対象となる株(オプション1契約単位につき)100株を購入または売却する、規定の期間有効な権利に対して行われる。


・オプション投資家は、株式投資家と同様、価格の動き、取引量、そしてその他関連する情報を、日々、さらに言えば毎分ごとでさえ、追跡することができる。オプションの購入者または売却者は、自身の注文がいくらで行われたかを素早く知ることができる。


   非常に類似してはいるものの、オプションと普通株の間には、いくつかの重要な注意しておくべき違いがある:


・普通株とは違い、オプションには有効期限が存在する。普通株はその価値が上昇するかもしれないという希望のもとに永久的に保有することができるが、全てのオプションには失効日が存在する。もしオプションが、保有ポジションが閉じられることなく、かつ満期日に先立ち権利の行使もなされなかった場合、金融商品としての存在は消滅する。この理由から、オプションは『消耗資産』とみなされている。


・普通株には取引可能な一定の流通数というものが存在するが、オプションには存在しない。オプションというのは単純に、特定の権利を取得するために一定の価格を支払う意志のある買い手と、その価格と引き換えにその権利を供与する意志のある売り手との間の、契約なのだ。つまり、普通株とは違って、オプションの発行済総数(通常、『建玉 (open interest)』と呼ばれる)は、単にこれらの権利を受ける・与えることに関心を示した買い手と売り手の総数に依るものなのである。


・最後に、株式の所有者であることはホルダーに対して企業の一部を株として保有すること、特定の議決権、そして配当の権利(もしあるなら)を与えるが、オプションホルダーは、その株の値動きからの潜在的利益を享受することができるのみである。

 

 

オプションとは何か? (What Is an Option?)


個別株オプション*とは、その保有者に、「指定された日かその前に、特定の価格で、対象となる株を購入または売却することができる」という権利(しかし義務ではない)を譲渡してくれる契約のことである。この権利は、オプションの売却者から与えられる。


*文中太字の用語の定義は、このハンドブックの用語解説でも説明されている)


オプションには2種類のタイプがある。コールプットだ。コールオプションは対象となる株を購入する権利をコール購入者に与え、一方プットオプションは対象となる株を売却する権利をもたらす。例えば、アメリカンスタイルの、5月満期・行使価格60ドルのXYZ株コール(XYZ May 60 callと表記される)は、このコール購入者に、XYZ社の普通株を、5月の満期日の前のいかなる時点でも、1株あたり60ドルで100株購入する権利を与える。

同様に、5月満期・行使価格60ドルのXYZプットは、このプット購入者に、XYZ社の普通株を、5月の満期日の前のいかなる時点でも、1株あたり60ドルで100株売却する権利を与える。

 


対象となる株(原資産)
オプション契約が対象としている特定の株は、一般的に原資産と呼ばれる(注コメント:個人的な好みで、原資産ではなく『対象となる株』みたいに記述することが多いですが)。オプションは、派生証券として分類される。その価値が、部分的に対象となる証券の価値と特性によって決定される金融証券であるからだ。

個別株オプション契約の取引単位は、そのオプションが対象としている株式の株数である。一般的には、個別株オプションの取引単位は100株である。これは、オプション契約1単位(1枚)が、対象となる株を100株購入または売却する権利に相当することを意味している。

 

 

行使価格
オプションの行使価格、または権利執行価格とは、オプションホルダーすなわち購入者の、オプションライターすなわち売却者に対する権利行使によって、対象株が購入または売却される場合の、指定価格のことである。オプションの権利を行使するということは、対象となる株を、オプションの指定された行使価格で購入する(コールの場合)または売却する(プットの場合)権利を行使するということである。


オプションの行使価格はまず、対象株の現在株価に合理的に近い価格が設定される。追加・後続の行使価格は、必要に応じて追加される。新しい行使価格は、対象株の株価が、現在存在する行使価格の最高値以上に上がるまたは最低値以上に下がる場合に導入される。

オプション契約の固定された設定である行使価格は、契約に応じて取引される価格であるプレミアム(オプション価格)と混同しないよう注意が必要である。プレミアムは日々上下変動するものである。


もしコールオプションの行使価格が現在の市場株価よりも低いならば、そのコールはインザマネーであると呼ばれる。このコールの保有者は、市場価格でその株を買う場合に払わねばならなくなる価格よりも安い価格でその株を買う権利を有しているからだ。

同様に、もしプットオプションの行使価格が現在の市場株価よりも高いならば、プット保有者は市場価格でその株を売る場合に受け取ることになる価格より高い価格でその株を売る権利を有していることから、そのプットもインザマネーであると呼ばれる。

インザマネーの反対は、当然のことながら、アウトオブザマネーである。もし行使価格が現在の市場株価と等しいならば、そのオプションはアットザマネーであると呼ばれる。

 


オプション価格(プレミアム)
オプションの購入者は、対象となる株を購入または売却する権利として一定の価格を支払う。この価格が、オプションのプレミアムと呼ばれるものである(注コメント:何度も書いていますが、『コール価格』『プット価格』と言った方が分かりやすい気がするので、そう書くことが多いです。言うほどプレミアムが分かりにくいわけでもないですし、人によっては逆に混乱するだけかもしれませんが)。


プレミアムはオプションの書き手、すなわち売却者に支払われる。その代償として、コールオプションの売却者は、そのコールの権利が行使されたら、コール購入者に対して、対象株を(1株あたり行使価格と引き換えに)受け渡す義務を有する。
同様に、プットオプションの売却者は、そのプットの権利が行使されたら、プット購入者から、対象株の(1株あたり行使価格での)引き渡しを受ける義務を有する。


オプションの権利が行使されようとされまいと、オプション売却者はプレミアムを保有し続けることができる。プレミアムは、1株あたりの価格で表示される。つまり、0.80ドルのプレミアムというのは、オプション1契約あたり80ドルのプレミアムの支払い(0.80 x 100株)を意味している、ということである。

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ちなみに、現物との比較というのは、以前(つい最近のイメージでしたが、もう3か月以上も前でした!)自分なりにまとめてみたこともありました。
今流し読みで見直してみると、何というか冗長極まりない気もしたものの、こちらではメリットデメリットに着目してまとめているので、こちらも参考にしてもらえる点があるかもしれません(しかし、これは先週の『オプション取引のメリット』の記事とほぼ同じと言える内容かもしれません)。


(以前の記事)
現物買いとコールオプション買いの比較~それぞれの利点・弱点は?

 

 


次回は、既に突入済で若干最初の方の項目にも触れていますが、『オプションとは何か?』の章の途中からです。
あまりにも当たり前すぎて若干まとめる意味もない(どこにでも存在する情報という意味で)気もしていますが、まぁ気にせず読み進めて行こうかと思っています。