第3回目にしてイントロダクションとはおかしな感じですが、最初の2回で巻末の付録に触れ終わったということで、ここからようやく順番に本文に触れていこうかと思います。


(その2: 満期日カレンダー / その4: オプション取引のメリット

 


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個別株オプションを理解する
(http://www.optionseducation.org/documents/literature/files/understanding-equity-options.pdf)


p. 3 序論 (Introduction)

 

オプションとは、個人投資家であるあなたに、出会う可能性のあるほぼ全ての投資シチュエーションにおいて必要となる柔軟性を与えてくれる、金融商品である。


オプションはオプション(選択肢)を与えてくれる。それは市場から、買うこと、売ること、あるいは留まることのみに限られない。オプションによって、自分のポジションを、自分自身の状況と株式市場の展望に合わせて、自分好みの形に仕立て上げることが可能なのだ。以下に挙げるオプションの潜在的なメリットを考えてみてほしい:


・保有中の株を、市場価格の下落から保護することができる。
注コメント:プットの購入です


・現在保有している株からの収益を増加させることができる
注コメント:カバードコール売りですね


・より低い価格での株の購入に備えることができる
注コメント:コールの購入、あるいはプットの売却からも言えそうな話です


・大きな市場の動きに対して、優位な位置に立つことができる ―― どちらの方向に動くのか分からない時でさえもだ
注コメント:ロングストラングル的な戦略のことでしょうか


・株を売買するコストを負うこと一切なしに、株価の上昇もしくは下落から利益を上げることができる


注コメント:もう一つ重要かつ素晴らしいメリットを加えると、『株価が一切動かない状況でも利益を上げることができる』という点がありますね(オプションの売却で)

 


個別株オプションとは、その保有者に、「指定された日かその前に、特定の価格で、対象となる株を購入または売却することができる」という権利(しかし義務ではない)を譲渡してくれる契約のことである。この指定された日を過ぎると、そのオプションは存在が消滅する。
翻って、オプションの売却者は、オプション購入者のリクエストに応じて、その株をオプション購入者に(から)売却する(購入する)義務を負う。株取引と同じように、オプション取引は米国証券取引委員会 (SEC) によって規制されている。

 

 

 

このハンドブックの目的は、個別株オプションとそれがどのように用いられ得るかについての初歩的な理解を提供することである。オプションはまた、多種多様なインデックス(指数)、米国債金利、さらには海外通貨に対しても取引がされている; これらのオプション商品に関する情報はこのハンドブックには含まれていないが、お使いの証券会社あるいはこれらのオプションが上場されている取引所に問い合わせることで、情報を得ることができるであろう。


米国オプション取引所は、標準オプションの売買のための、競争力と流動性があり、秩序だった市場を提供しようと努めている。米国証券取引所で取引される全てのオプション契約は、OCC (The Options Clearing Corporation) によって発行・保証・清算がなされる。OCCはSEC付属の公認清算企業であり、米国資本市場において、取引所取引のされているオプションの唯一の情報センターとして重要な役割を果たしている。OCCの保守的な、財政的かつ手続き的な安全保証機構、十分かつ即座に利用可能な財源、そして決済メンバー相互の意識の高さは、この組織が巨額な損失の負債を抱えてしまうことから保護している。


この入門書は、Characteristics and Risks of Standardized Optionsというタイトルのオプション公開ドキュメントと合わせて読むのが良いであろう。このドキュメントは、オプション取引の目的と危険性を概説してくれている。


多くのメリットがあるものの、オプションは全ての投資家に向いているものではない。証券会社、オプション取引所、あるいはOCCから得られる危険性を示したドキュメントを読み、理解ができるまで、オプション取引を始めてはいけない。

各取引所は市場の流動性を提供しようと努力しているが、特定の状況下では、オプションのポジションを清算することが困難あるいは不可能な場合もあることに注意するように。個別株オプションを取引する際の、このリスクと他のリスクについてのさらなる議論は、公開ドキュメントを参照されたい。

さらに、必要証拠金、取引手数料に委任手数料、それからオプション売買にかかる税金については、オプション取引を始める前に、証券会社かつ/または税理士とじっくり入念に相談・協議すべきである。


注: 話を単純にするために、このハンドブックでの合計損益の計算は、委任手数料、取引手数料、税金を考慮しないこととする。


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非常によくまとめられた、お手本のような教科書的導入部でした。次回はオプション取引のメリットについてのようですね。2-3ページずつぐらい読み進めていければいいかなと思っています。


個人的にそういえばずっと気になっていたこととして、文中に出てきた取引手数料 (transaction costs) と委任手数料 (commission costs) について(そもそも適切な日本語かどうかすら分かりませんが)、いつもオプション取引画面で手数料が2つ取られているのは何なんだと思っていたのですが(例: 金曜の取引結果画像(下に再度貼り付け)の、FeeとComm)、恐らくOCCに払う分と、証券会社に払う分なのかな、という気がしました。
…とはいえじゃあ普通の株取引では何でNYSEやNASDAQに払う手数料がないの?という気もしますが…。若干気になってきたので、証券会社に聞いてみようかと思います。

 

 


また途中に出てきたCharacteristics and Risks of Standardized Optionsという公開ドキュメントですが、このハンドブックの後はそちらも紹介しようかと思ったのですが、なんと188ページもありました。
(http://www.optionsclearing.com/components/docs/riskstoc.pdf)


あまりにも膨大ですが、話題のない時のお茶濁し記事には持ってこいかもしれないので、このハンドブックの紹介を終えたら、そちらを紹介してみるかもしれません(しないかもしれません)。