先週の33の秘訣にも先頭で述べられていましたが、今後急成長大爆上げが期待される企業に投資したいというスタイルの場合、やはりインサイダーと機関投資家の動きというのが、何よりも一番参考になる情報ではないかと思います。

 

ちょうど、この話題にピッタリに思える記事があったので、例のごとく丸っと紹介させていただく感じです。有用な情報が多く見つかるinvestopediaには感謝しきりです。

 


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インサイダーと機関投資家の取引活動に注目しよう
(http://www.investopedia.com/articles/stocks/05/042605.asp)

 

会社のオーナーが何をしようとしているのかを知ることは利益に繋がる。企業のインサイダーや巨大機関投資家の取引活動を注視することで、株の見通しはぐっと立てやすくなる。

インサイダーあるいは機関投資家による所有は、必ずしも買いもしくは売りのサインとは限らないものの、間違いなく良い投資先を探す上で、お手軽で最初の選別材料となってくれる。

 

よりスマートな投資判断を行うために、どのようにインサイダーや機関投資家の所有状況を調べ、用いていけばよいか、本記事で簡単におさらいしてみよう。

 


インサイダーの所有
インサイダーとは、会社の役員、関係者、あるいは公になる前に会社の重要な情報にアクセスできる全ての人のことを指す。


有能な投資家は、インサイダーは他のいかなる人よりも会社の見通しを遥かによく把握しているはずだという合理的な仮定の下、インサイダーが会社の株に対してどのような処置をしているのかについて強く注意を払っている。

 

そして、インサイダーによる所有と取引は株価に影響を与え得ることから、SEC(米国証券取引委員会)は、企業にこれらの事柄に関して報告書を提出することを義務付けており、投資家がインサイダー取引に関する知見を得る場を提供している。


(インサイダーに関するさらなる情報は、以下の記事・違法インサイダー取引の定義 (http://www.investopedia.com/articles/03/100803.asp) とインサイダー取引を明るみにする(http://www.investopedia.com/articles/02/061202.asp) を参考に)

 


申告書類
報告書類の情報は、SECのEDGARデータベース (http://www.sec.gov/edgar/searchedgar/webusers.htm) またはSECインサイダー取引報告情報 (http://www.secinfo.com/$/SEC/Filings.asp?Type=3%2F4%2F5%2F144%2FU-12%2A&Label=Insider+Trading+Reports&Since=2) から読み出せる。


フォーム14Aは、取締役と役員、それから彼らの保有する株式総数とがリストアップされている株主総会議案書類である。受益株主、すなわち5%以上の株を所有している人あるいは機関もリストアップされている。

 

他の関連書類には、外部の受益所有権を公開するフォーム13Dと13G、インサイダーの受益所有権を公開するフォーム3, 4, 5がある。

10%以上の議決権のあるインサイダーは、フォーム3, 4, 5を提出し、5%以上を所有する部外者はスケジュール13Dあるいはその改正版であるフォーム13Fを提出する。

個々人は最初株式を取得した時にフォーム3を、変化の報告にフォーム4を、そして保有に関する年次報告としてフォーム5を提出する。インサイダー取引は、外部の投資家が最新の所有情報を得られるように、取引の2日以内に、エドガーシステムを通して電子申請がされなければいけない規則となっている。

 


インサイダー報告書の解釈
インサイダーの所有数が高いことは、一般的には会社の見通しに対する自信を示しており、その所有状況は経営陣に、会社に利益をもたらすこと、そして株主価値を最大化することに対しての、良い動機付けになる。実際、学問的な研究から、著しい量のインサイダー購入のある会社は、市場インデックスを上回るパフォーマンスを誇る傾向があると示されている。

 

一方、インサイダーによる所有が度を過ぎる可能性もある。インサイダーが会社を支配してしまうと、経営陣は株主に対する責任を感じなくなるかもしれない。これは、株式に複数のクラスがある会社ではしばしば起こることである。つまり、あるクラスが他のクラスの株式よりもより大きな議決権を持つ、といった状況だ。

例えば、2004年秋のGoogleの巨大なIPOでは、「スーパー議決権株」という特別クラスを特定の企業の幹部に発行したことで批判されていた。二重クラス株式構造の批判家は、仮に経営陣が満足に行く結果を生み出せないとしても、彼らは通常の株主の10倍の議決権を保持しているので、滅多に立場を追われないだろう、と強く主張している。

(続きは二重クラス株式の二面性 (http://www.investopedia.com/articles/fundamental/04/092204.asp) で)

 

インサイダーによる購入は通常良いサインではあるが、大量のものでない限り、インサイダーによる売りについては心配する必要はない。インサイダーは、ポジティブな結果を期待している時には購入をするものだが、売る時の理由には、会社の予想とは無関係な様々な要因が存在するからだ。

 

複数のインサイダーによる取引活動の一群を探してみること。短期間に似たような取引が1人以上のインサイダーによってなされていたら、それはインサイダーの意見が一致していることを意味しているであろう。もちろん、より大きな取引は、小さな取引よりも大きな意味を持っている。

 

どのインサイダーに注目すべきかを把握しておくことは重要だ。フォーム4を提出してきた実績のあるインサイダーは、過去の記録のほとんどないインサイダーよりも注意深く見た方がよい。最も有力な取引活動は、最も会社を良く知るトップの経営陣によるものなので、CEOやCFOによる取引を探してみること。

 

最後に、報告書類を解釈するのは難しいことがあるので、インサイダー取引がなされているといっても、あまりにも大きすぎる出資をすることには慎重になった方がよい。多くのフォーム4取引は、将来の株価パフォーマンスと関連した『買い』や『売り』を意味してはいない。例えばストックオプションの権利行使は、フォーム4書類においては、購入と売却の両方として表示される。よって、それはあやふやなサインと言えるのである。


自動取引は、解釈の難しいもう一つの取引活動だ。訴訟リスクを避けるために、インサイダーは購入と売却のガイドラインを設定し、誰か他の人に実際の行使を委ねることがある。SECのフォーム4はこういった人任せのインサイダー取引をも明らかにはするが、必ずしも、売却が事前に予定されていたものだと述べられるわけではないのである。

 


機関による所有
大量の資金を操作して証券を購入している機関―投資信託、年金基金、あるいは保険会社―は、機関投資家と呼ばれている。


それが暗示している所についての議論
機関投資家による株の保有が利益になるかどうかは、今なお議論の的だ。

ピーター・リンチは、ベストセラー『株で勝つ―アマの知恵でプロを出し抜け』で、完璧な株の13の特徴を挙げた。その内の一つはこうだ: 『機関投資家が所有しておらず、アナリストがフォローしていない株』。リンチは、巨大投資家グループ全員が見落としている株を好んでいるのだ。そういった株は、過小評価されている可能性が非常に高いからである。リンチは、機関投資家によって所有されている会社は、過大評価とは言わないまでも、十分に評価されつくされていると主張している。

 

一方、インベスターズ・ビジネス・デイリーの創設者ウィリアム・オニールは、株価が上昇するには非常に大きい需要が要求され、そして最大の需要産出源は機関投資家であると主張している。


オニールは、もし一切の機関投資家が所有していない株があるとするならばそれは、彼らは既に調査し、そしてそれを拒絶したからに他ならないと考えている。著書『成長株発掘法―良い時も悪い時も儲かる銘柄選択をするために』で、オニールは購入する価値のある株を探す6番目の特徴として、機関投資家による後援を挙げている。

 

しかし、オニールもリンチも、機関投資家の所有が危険であり得ることには同意している。こういった巨大機関投資家は、極めて巨大なブロックでポジションをイン・アウトするので、彼らは落ち着いて保有株を売買することができないのだ。何か会社に悪いことが起こって、全ての大口保有者が大挙して売るならば、その株価は暴落することになろう。

 

より長期の展望で運営する投資信託はあるし、年金基金は通常長期の株主である傾向があるが、一般に機関投資家は短期的なイベントに反応する傾向がある。機関による大きな所有と株価のボラティリティとの間の高い相関性は、紛れもない事実である。したがって、機関投資家が何をしようとしているのかを知ること、また興味のある株が既に機関投資家にも関心を持たれているかどうかを知ることは、利益に繋がるのだ。

 


どこで情報を見つけられるか
証券で1億ドル以上の投資判断を行う機関投資マネージャーは、所有株を、フォーム13FとしてSECに報告する義務を持つ。これも、SECのEDGARデータベースから検索し、フォーム13Fの情報を引き出すことができる。

特定の資金マネージャーの申請書類を見つけ出したい場合は、"Companies & Other Filers"という項目の検索を用い、"General Purpose Searches"へと行き、資金マネージャーの名前を入力すればよい(※どうやら情報が古いのか、ちょっと試そうとしてみましたがイマイチ上手いこと行きません。またやり方を詳しく調べて何か分かったらまとめてみようかと思います)。

 

MSNマネーも、株式所有者を詳述している非常に役に立つサイトを提供している。"Institutional Ownership"のリンク(※これもリンク切れでした)へ行き、特定の会社の機関保有者の詳細を見るために、その会社の株式コードをタイプすればよい。

 


結論
確かに、インサイダーや機関投資家はスマートで、勤勉で、洗練された投資家であり、彼らの保有状況は株リサーチにおける最初の選別のため、あるいは自身の株分析に対して信頼できる確証を得るためとしての良い基準である。しかし、投資判断を、単にインサイダーまたは機関投資家の保有情報のみに根拠を置いて行うなどということは、決してしてはいけない。

 

このトピックについてさらに読みたければ、インサイダーが購入する時、飛びつくべきか? (http://www.investopedia.com/articles/02/121002.asp) やインサイダーはより良い取引の助けとなるか? (http://www.investopedia.com/articles/technical/03/120303.asp) をご覧いただきたい。

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…という感じで、結論は『インサイダーの動きだけを頼りに全力投資などとんでもない!』というもので、インサイダーの動きだけを頼りに全力投資している自分には耳が痛いものだったのですが、さらに機関投資家の動きも、ピーター・リンチなどの著名投資家でも否定的な見方をする向きもあるということが分かり、見ておいてよかったようにも思えます。

 

しかし、そもそもの主目的であった『機関投資家の売買状況を見たい』という点に関しては、情報が古いせいもあってか結局何も具体的な案が見出せなかったというやや片手落ちなまとめになってしまいました。
取っ掛かりは見つかった気がするので、また詳しく調べてから改めてまとめてみようかと思います。

 

個人的なまとめとしては、記事では色々言われていたものの、やはりインサイダーや機関投資家は、間違いなく、少なくとも自分よりは遥かに情報通であり有能であることは間違いないので、今後も大いに参考にしたいと思っている感じです。