コールオプションをカバード売りした時に得られる資金(コール代金、プレミアム)について、火曜日に『またまた訂正があった』との旨を載せ、改めて正確な情報が確認でき次第追記しますとしていたのですが、実はまだ確認の半ばだったりします(既にメールの返事はもらえたのですが、どうも説明がよく分からなくて、再度質問を繰り返したりとしていたら、最終回答がもらえる前に週末になってしまいました)。

 

しかし、重要と思われる点についてはほぼ確認が取れたので、確実に判明した点を追記しておこうと思います。

 

 

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質問: カバードコール売りをして得られた売却資金は、いつ『余力資金』として利用可能になるのか?
   注文のプレビュー画面を見ると、得られた売却資金が『買付余力』に反映されていなかったので、気になって以前ヘルプチャットに質問した所、『満期を迎えてオプションが失効するまで利用可能になりません』と説明を受けました。しかし、本日カバードコールを売ったら、いつも通りプレビュー画面では買付余力は増えないように表示されていたものの、実際は売却後すぐに買付余力が増えていました。なぜ?

 

 

回答: カバードコール売りで得られるプレミアムは、口座残高と、買付余力に反映されます。取引きしたオプションが完全にカバーされているのであれば、そこにオプションの要求資金はかかりませんからね、買付余力に反映されますよ。混乱させてしまい申し訳ございません。

 

 

質問2: なるほど。では、再度確認だけしておきたいのですが、売ったコールオプションが完全にカバーされている場合は、常に、売却後即座に買付余力に反映されて、その資金はその日の内に取引に使えるということでいいんですね?

 

今改めて注文プレビュー画面を見てみましたが、やはり『取引後の買付余力』には、売却して得られる資金が反映されていませんでした。非常に紛らわしいので、可能であれば直していただけると幸いです。

 

 

回答2: アウトオブザマネーのカバードコール売りであれば、全額が買付余力に反映されます。しかし、インザマネーのコールを売った場合、プレミアムの内の一部は、オプションの要求資金として保留されることになります。というのも、インザマネーであればそのオプションは本質的価値を含んでいますからね、保有している株ではカバーできない部分が出てくるためです。

 

こういった理由で、現在我々のプラットフォームの注文プレビュー画面では、カバード売り後の買付余力への反映が正しくできていない状況になっております。技術部はこの問題に気付いておりますので、近い将来、このバグを直せるよう全力で取り組んでいる次第です。

 

 

質問3: えぇーっ??インザマネーであろうと、オプションで取引きする量以上の株を保有しているのであれば、別に問題なくカバーされていませんか?

 

例えば、XYZという株を100株持っているとします。XYZは現在1株20ドルで、行使価格15ドルのコールを1単位、6ドルのプレミアムで売ったとしましょう。このコール売りで得られる資金は、600ドルです(手数料は無視)。


いただいた回答によれば、これはインザマネーのコールなので売却資金の一部(多分現在価格との差を考慮して、100ドルぐらい?)しか買付余力に反映されないとのことですが、仮にもしこの時点で権利が行使されたとしても、その後自分がしなければいけないのは『XYZを100株、15ドルで権利保有者に売る』ことだけであり、コール売却資金が『オプションの要求資金』として保留される理由はどこにもないように思います。


もちろんOCCやSECがそういう制限を設けているのかもしれませんが、なぜそんな非合理的な制限があるのか理解できません。個人的な意見でもいいので、何か合理的な理由を教えていただけたらありがたいです。

 

 

回答3: インザマネーのコールを売って、権利保持者が即座に権利を行使したとしましょう。もし株を買ったのが昨日で、そこから株価が動いていなかったとしたらどうなります?購入価格と行使価格の差を埋める利益は上げられなかったということですからね、受け取ったプレミアムは権利が行使されるのに伴い、その差分として、そのまま明け渡さねばいけないことになるわけです。


仮にプレミアムが全額買付余力に反映されるとしましょう。そしてあなたはそのプレミアムを全額使い切って、既に失ってしまっていたとしたらどうなります?今やあなたの口座は負債を抱えることになりますが、その口座は現物口座ですから、買付余力がマイナスになってしまうわけです。これは追証の発生につながり、速やかにアクションを起こさねばなりません。


こうならないように、前述のオプションの要求資金はリスクマネージメントとして必要なわけです。

 

 

質問4: いや、そのりくつはおかしい。現物口座なんだから、株を買ったなら既に全額支払い済みのはずだろ?(そうじゃないならその株は買えない!) じゃあそこから負債が発生するはずはないじゃないか!

 

では極端な例を考えてみます。


初め余力資金が2万ドルあったとします。昨日100ドルでXYZを100株買いました。この時点で、余力は1万ドルになり、XYZの現物株を100株保有していることになります。

 

さて、今日XYZの株価が50ドルに下がってしまいました。そして、即座に行使価格20ドルのXYZのコールオプションを1単位、プレミアム35ドルで売りました。

もしコール売却資金が全額利用可能になるなら、3500ドルを受け取って、この時点で余力が1万3500ドルになります。

 

そして、万一即座に権利保持者が権利を行使したとしても、自分がやらなくてはいけないのは、その人に1株20ドルでXYZを100株『売る』ことだけ、つまり、2000ドルを受け取ることだけです。

 

もちろんこの取引でかなりの大損をしていますが、どう考えても、借金を負う可能性は一切ないと思うのです。

 

多分何か大きな勘違いをしているだけだと思うので、どこが違うのか、具体的にご指摘いただければ幸いです。

 


回答4: あー、これ以上のサポートを受けたいなら、電話するかヘルプチャットに聞いてくれたまえ。

 

 


…そんなっ…!…と思いましたが、仕方ないのでヘルプチャットで改めて質問することにしました。ヘルプチャットが頼りにならないからメールで聞いたのに、何だかたらい回しでひどいなぁ、とは思ったものの、まともなチャット係にあたることを祈って…。


チャット:
「アウトオブザマネーのカバードコール売りであれば売却資金は全額買付余力に入るけれど、インザマネーだと一部しか利用可能にならないと聞いたんだけど本当?」


『本当です』

 

「じゃあ、なぜそんな制限があるの?」

 

『ディープインザマネーであればあるほど、カバーされているオプションが少ないとみなされるからです。受け取ったプレミアムを全て使ってしまったら、権利が行使されてしまうと困るでしょう?』

 

「行使価格がいくらであろうと、保有している株によって、権利行使で生まれるリスクは完全にカバーされてると思うんだ。なぜなら、権利が行使されても持っている株を売ればいいだけで、これ以上資金を必要とする場面なんてどこにもないんだから!そこに負債が発生する可能性などないと思うんです」

 

『ちょっとチームに確認してみます』

 

「あ、ちなみに現物口座の話ですよ」

 

…10分ぐらい経過…

 

『話を聞く限り、オプションがどんな仕組みなのかはご存知のようですね。

 買付余力に反映される金額は、レバレッジを効かせた株の購入に基づいているものなのです。つまり、レバレッジを効かせて株を購入し、そしてオプションを売った場合、受け取れる買付余力には要求資金がかかってくるわけです』

 

「ちょっと待ってよ」

 

『現物口座であれば、コールを売って得たプレミアムは全額受け取れるはずです。オプションが決済されるのは翌日ですから、それには1日かかりますが』

 

「うーん…じゃあ、レバレッジを効かせていない限り、アウトオブザマネーだろうとインザマネーだろうと、カバードコール売りをしたら、得られるプレミアムは全て、即座に買付余力に反映されるということでいいんですね?」

 

『そのはずです。…いや、即座にではありません。オプションの決済には1日かかるので、1日後になります』

 

「確かにそれは一理ある気もしますが、実は月曜にカバードコールを売ったら、即座に余力に反映されて実際その日の内に使えたんです。なぜ?」

 

『取引部門の担当の者に尋ねてみます。何という銘柄を取引きされましたか?回答が用意でき次第、メールで返信します』

 

「SRPTです。月曜日に、コールを1枚行使価格1.05で売り、即使いました」

 

『ありがとうございます。追って連絡します』

 


…という感じでした。そして今の所、この質問に対する返事は来ていない状況です(しかし、『チャットでの質問、確かに受け取りました。追って連絡します』という確認メール自体は来ていたので、現在対処してもらっている所だと思っています)。

 

 

ということで、まだ完全に解決はしていないのですが、現時点で明らかになったことをまとめると…


現物口座で購入した株を用いたカバードコール売りであれば、コール売却代金は、全額、即座に(←経験上ですが、これは要確認)買付余力として反映されるので、すぐに次の取引に使うことができる。


・しかし、オプションの決済には1日かかるので、コール売却代金を用いて取引したものは、翌日まではそれ以上触ってはいけないと思われる(=GFVになります。参考(以前の記事): グッドフェイス・差金決済について)。

 

・信用口座でレバレッジを効かせて購入した株を用いてカバードコール売りをする場合は、買付余力として反映されるのは売却資金の一部となる。

 

…という感じですね。

 

 

少なくとも現物口座で売却資金が即利用可なのは間違いないと思うので、速やかに資金を回せるこのカバードコール売りのシステムは、非常にありがたく、資産運用上極めて有用な戦略として使えるものと言っていいのではないでしょうか。

 


また返事が来て、余力が反映される日について等の情報が確定したら、再度追記しようかと思います(その際、以前に投稿した関連記事も訂正しておきます)。

 

 

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※ちなみに、月曜の記事でも書いたのですが、最初の質問メールで「ヘルプチャットで誤った情報を教えられて、取引の機会損失を出してしまった気がする。大変ショックです、何か補償を」というメッセージも入れてみました。

しかし、正直実際具体的な損害を被ったわけでもないので、あまりモンスタークレーマーになっても気分がいいものでもないですし、「例えば1~2回分取引無料にしていただく、なんてのはどうでしょう」と、緩い条件も提示してみました。

 

結果、「ご迷惑おかけして申し訳ありません。では、無料取引を1回分、アカウントにお付けしておきました」という感じになりました。

 

大したものでもないですが、言ってみてよかったな、ラッキー、と思っていたのですが、土曜日にコールオプションの権利が行使されて株を売ったわけなんですが、確認してみたら、普通に手数料が取られていました…。

 

何かやっぱりこの証券会社色々適当だなぁ…と思わないでもないですが(例えば上記の回答3って、現物口座を前提にした説明なので矛盾しており、回答になっていない気がします)、まぁ実害を被っているわけではないので、良しとすべきかもしれませんね(とはいえ、メールで「無料取引、どうなってるんでしょう?」とは既に問い合わせ済みです)。