先週の追記記事(株式分割・併合後のオプションの調節追記)でもなお疑問が残っていた状況だったのですが、ようやく当面の疑問は全て解決したような気がするので再度の追記をしておきます。

 

 

疑問: 例えば3-for-2の分割が行われた場合、扱われる株数がオプション1単位あたり100株→150株のように変わるはずだけど、分割前に取引きしていた人(=分割による調節で、保有中のオプションは1単位あたり150株に変化する)と分割後に新たに取引きした人(=特に調節は受けないので、通常通りオプション1単位あたり100株)とで、同じオプションなのに取扱う株数が違うことになる気がするけど、どうやって折り合いをつける!?

 

: 分割後に新しく生まれる『ノンスタンダード』なオプションでは、全員がオプション1単位あたり150株を扱うようになる。

 

 

なぜそこに目が行かなかったのか我ながら情けない限り(ってほどでもないですが)なんですが、ズバリ、上記疑問点で述べたような意味不明な状況に陥らないように、分割後に作成される調整後のオプションでは、分割前に保有していたか否かに関わらず、全員が『1単位150株』のオプションを取扱うことになる、という実にシンプルなシステムだったようです。

 

ただそうすると、以前も疑問に思ったのですが、「じゃあ調節後にできたオプションは、永久に『1単位150株』のオプションになるの?でもそんなオプション見たことないし、いつかは通常通りの1単位100株に戻るんだよね?その『通常に移行する』タイミングはどうする!?」と一瞬思えたわけですが、これもよく考えれば特に問題ない感じでした。

 

 

つまりはこういう流れだったわけです。

 

・非整数倍の分割がなされる
→分割以前に取引きしていた人のオプションが全て、新しい『ノンスタンダード』なオプションに移行される
→同時に、上記調節で完全にリセットされて保有者が0になった『スタンダード』なオプションが、分割後の株価に対して適正な価格で取引きされ始める
→ノンスタンダードなオプションは、これ以後新しいオプション項目が増えることはない。新しい満期のオプションは、全てスタンダードなオプション板で行われることになる

 

 

…もしかしたら自分以外ほぼ全ての人が、「説明されなくてもそういう流れになるのは自明じゃん、この人何を当たり前なこと言ってるんだか」と思われたかもしれなく、もしそうならお恥ずかしい限りですが、個人的にはようやく納得できた形です。


新しくできたノンスタンダードなオプションは一時的なものであり、現存する全てのオプションが満期日に達し次第消滅するものだったというわけですね。

(=スタンダードなオプションは、分割時にリセットされるが、分割後も以前と変わらず通常通り扱われ続けている、ということですね)

 

 


また、証券会社に「現在ノンスタンダードなオプションが取扱われている銘柄はないか?具体的にどんな感じか見たいんだけど」と尋ねた所、「SYBTという銘柄でノンスタンダードオプションが扱われているようですよ」との回答がもらえました。

 

これは、ちょうど5月31日から分割後の取引がされ始めたという極めてタイムリーな銘柄だったのですが、ちゃんと探したはずなのになぜ自分では見つけられなかったのか、それは、参考にしたYahooのSplitsカレンダー (https://biz.yahoo.com/c/16/s5.html) に、"Optionable?→N" と、はっきりと『オプション非取扱い銘柄』と書かれていたためです。

 

実際見てみると、SYBTではオプションが取扱われていました。
なんだよヤフー、情報間違ってるジャン、と思わないでもなかったですが、とりあえずせっかくなのでノンスタンダードなオプションがどう表示されているのか実際に見てみようかと思います。

 

 

SYBTのオプション板を開きました。しかし開く際に選択肢などはなく、ノンスタンダードなオプションはどこにも見当たりません。


やっぱりないじゃないか!と憤怒に駆られる所だったんですが、落ち着いて右上のMenuをクリックすると…

 

 

あった!さっそくこれをクリックすると、ついに出てきました、待望のノンスタンダードオプションです!

 

 

へぇ~、こうなってるんだぁ~…という程でもないですが、分かりやすくオレンジの枠とともに150株扱いであることが明示されていますね。


Menuをクリックしないと出てこないのも、前回触れたとおりノンスタンダードなオプションはあえて取引きするメリットの一切ないものであり、必要な人以外には必要ないものなので、能動的にアクセスしない限り目に付かないようにしてくれている証券会社の親切設計なのかもしれないですね。

 

残念ながらSYBTのオプション自体が大して活発に取引きされていないので(画像を撮ったのは金曜日の取引時間中でしたが、こんな惨状です)、本当にノンスタンダードなオプションの方が圧倒的に取引量が少ないのかどうかの判別はつかない感じでしたが、とりあえずどんな感じなのか実例が見られて満足です。

 


以上、大多数の人にとってあまりにもどうでもいい、分割・併合後のオプションの調節についてでした。

 


【最後のまとめ】
・オプションを保有している株が突然分割や併合されることになっても、オプションもそれに応じて自動的に合理的に調節され、資産価値に変化はないので、心配する必要は全くない。

もちろん、カバードコール売りしていたものは、全てカバードコール売りのままである。

 

・ただし、調節後の端数価格が出たオプションや、取扱い株数の変わった“ノンスタンダード”なオプションを新たに取引きする積極的なメリットは一切ないので、あえて手を出すことはしない方が無難である。

 

・非整数倍の分割や併合を経ても、ノンスタンダードなオプションが存在するのは一時的なことであり、分割後すぐであろうともスタンダードなオプションは取引きされ続けている(=1銘柄の株に対して2種類のオプションが並存することになる)。

上記の通りノンスタンダードなオプションに手を出す意味はないので、分割してすぐの株のオプションに手を出す時は、間違えてノンスタンダードな方を取引きしないように注意しよう。