まさに「小ネタ」と呼ぶに相応しいショボいネタ記事ですが、「ちょいネタ」がある内は、何か適当に見繕って、書くことのない週末を埋めてみようかと思います。


オプションの権利が行使された後は、引き続いて株の売買が行われるわけですが、言うまでもなくこの株の売買は証券会社がタダで行ってくれるわけもないので、普通に手数料を払って売買を行わなければいけません。

(もちろん売買手続きは自動で証券会社がやってくれますし、そのことに対して特別に手数料が追加されるわけではなく、通常の株売買と全く同じ手数料が課されるのみですが。)

 


これは、そのことが完全に頭から抜けていたがために実際に自分がやらかしてしまった苦いミスのお話です。

 

しばらく前のことですが、プットオプションを、余力資金を本当にギリッギリまで使う形の注文で売りに出しました。

(米国株オプション取引では、(少なくとも現物口座では)権利行使されて株を買うことになった場合に、きちんと全て買い取る余力がないと注文を出すことができないのは以前に書いた通りです。)

 

例:余力410ドル、権利行使価格1.0、プット価格0.2で、プットを5単位(1単位=100株)売却
→注文に必要な資金=(1.0 - 0.2) x 500 + 手数料 8ドルとか = 408ドルで、余力資金には2ドル残るので注文が可能。
→権利が行使されなければ0.2 x 500 = 100ドルの丸儲けとなる取引ですが、この時は、残念ながら権利が行使されてしまいました。
→権利が行使されたら土曜日に株の買い付けの連絡が来るのですが、その翌日の日曜の朝に、なんと、「追証が発生しました」という旨のメールが届いていたのでビックリ仰天です。

 

もう言うまでもないですが、残った2ドルでは株を買う時にかかる手数料には足らず、たしか実際はわずか1ドル未満ぐらいの微妙な不足だった気がするのですが、口座をチェックすると買い付け余力がマイナスになっており、世にも珍しい(そうでもないかもしれませんが)現物株口座における追証の発生に至ったわけでした。

 

実際は「この日までに不足分を振り込んでください」となっており(確か金曜日までに、だった気がします)、それまでに振込みが済めば特に物質的なペナルティは何もなかった(もちろん、余力のマイナスが解消されるまでは取引が制限されていたようでしたが)のですが、精神的なペナルティは十分受けた気がしました。

 

もし何らかの具体的なペナルティを払わなければいけなかったとしたら、「注文のプレビューでマイナスがないことを確認して、それを信用して注文したんです。それなのに追証が発生するだなんて、株の売買に必要な手数料まで喚起してくれなかったそちら側にも責任があるのではないでしょうか……追証が発生しうるならそもそも注文を受け付けないでいただきたい、こんなのはフェアじゃないと言わざるを得ませんな」…みたいな、クレーマーもびっくりなレベルの責任のなすり付けを行うのもやぶさかではない気でいたのですが、幸い特に何もなかったため、モンスタークレーマーにならずに済んでホッとした限りです。

 

しかし自分で言うのも何ですが上のクレームの主張は本当に破綻していて、もし注文時に株の売買に必要な手数料まで考慮されていたら、上記の例で示したプット売り注文は余力不足で出せないことになり、権利が行使されるかどうか分からない注文前の状況では、逆に「何で払うかどうかも分からない株売買の手数料が考慮されなくちゃいけないんだ!プット売却代金を儲ける機会を逸した、訴訟。」となるのが目に見えているわけですね。

 


…以上、大したネタでもないのに無駄に長くなりましたが、オプション取引後に現物のやり取りがあるような場合には、権利行使後に現物取引の手数料があることを失念しないように十分ご注意下さい、という話でした。


(ちなみに、日経225オプションのような、株価指数を対象としており、取引するものの実態・現物がないオプションでは、純粋に行使価格と現在価格との差額がやり取りされるようですね。

その場合どういった手数料がかかるのかは分かりませんが、この場合基本的にレバレッジをかけた取引であり十分な証拠金が用意されていると思うので、『最後の手続き手数料が足らなくてマイナス残高が発生』みたいな情けないことは通常起こり得ないのではないかな、という気がします(もっとも、プット売りで暴落、コール売りで暴騰を喰らってしまうと、シャレにならないレベルの本物のいわゆる追証が発生し、大変危険なのは言うまでもないことですが)。)