10年後、20年後、30年後の自分を想像したことはありますか?
未来から逆算して今を考える思考法を
“バックキャスト”と呼びます。
先を描くから見えてくる選択肢もあれば、
考えないことで失ってしまう可能性もあるのです。
今回は、人生にバックキャストを取り入れる意味を考えてみます。
バックキャストとは?
バックキャストとは、「こうなりたい未来」から逆算して、
現在の行動を決めていく方法のことです。
多くの人が使うのはフォーキャスト
(今の延長線上で未来を予測する考え方)ですが、
バックキャストは逆方向。
未来を先に描いて、
そこから「じゃあ今何をすべきか」を考えていきます。
もともとは環境問題や政策立案などの分野で使われてきた考え方ですが、
実は人生設計にも応用できます。
「30年後どうなっていたいか」を描くことで、
日々の選択が違って見えてくるのです。
人生をバックキャストで考えるメリット
バックキャストを人生に取り入れると、
今の優先順位がクリアになるという大きなメリットがあります。
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将来像から逆算するので、「いま本当に大事なこと」が見えやすい
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「やらなければいけないこと」に振り回されにくくなる
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仕事・家庭・健康・学びなど、人生全体のバランスを意識できる
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40代からの副業やキャリア設計にも応用できる
例えば「60歳で経済的に安心して暮らしたい」と思えば、
「50歳までに副収入を育てておこう」と逆算できます。
「健康に年を重ねたい」と思えば、
「今日から運動を取り入れよう」と行動に落とし込めます。
未来から逆算することで、
「いま」の選択が未来につながる実感を持てるのです。
考えないまま進むリスク
逆に、バックキャストを使わず
「なんとなく」で日々を過ごすとどうなるでしょうか。
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気づいたら惰性で働き続けてしまう
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親や会社など、他人の価値観に流されやすくなる
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本当に大事にしたいことに時間を使えないまま年を重ねる
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「あのとき考えておけば」と後悔する可能性が高い
私が介護の現場で出会った方々の中にも、
「もっと早く準備しておけばよかった」
「違う選択をしていれば」と振り返る人は少なくありませんでした。
未来はある日突然訪れるのではなく、
日々の積み重ねの延長線上にあります。
だからこそ、考えないリスクは意外と大きいのです。
バックキャスト思考の注意点(デメリットと付き合い方)
バックキャストは確かに有効な方法ですが、万能ではありません。
未来を描くこと自体に不安を感じる人もいますし、
あまりに逆算にこだわりすぎると
「計画から外れたら失敗」と捉えてしまい、
逆に自分を追い込んでしまうこともあります。
だからこそ大切なのは、
バックキャストを“羅針盤”や“道標”のように使うことです。
道を歩いているうちに考えが変わることもあれば、
思わぬ出来事で進路を変えることもある。
そんなときは軌道修正すればいいのです。
人生のすべてを逆算で管理する必要はなく、
むしろ「計画にない余白」や「予定外の遊び」から、
新しい出会いや発見が生まれることも多いでしょう。
バックキャストは未来を縛るためのものではなく、
あくまで進む方向を照らす灯り。
歩きながら、必要に応じて道を変えればいいのです。
まとめ
バックキャストは、未来から逆算して「いま」を選ぶ思考法です。
すべてを計画通りに進める必要はなく、
あくまで人生を進むための道標。
考えることで、未来に安心感を持ちながら今日の行動を選べるようになります。
未来は突然訪れるものではなく、
日々の積み重ねの先にあります。
だからこそ、いま一歩をどう踏み出すかを考えることが、
30年後のあなたの姿につながっていくのです。