去年まで、特に何の迷いもなく選んでいた服たちが、ある朝、急にしっくりこなくなりました。
クローゼットに並ぶカーキのシャツ、黒のパンツ、ネイビーのセーター。
「どれもわたしの定番だったはずなのに……」 鏡に映った自分を見て、「「やばっ」と焦りました。
年齢のせい?体型のせい?それとも、心の変化? 理由はわかりません。
これまでずっと「似合う」と思っていた色や形が、突然合わなくなるなんて…。
「オシャレ迷子」が爆誕した瞬間でした。
藁にもすがる思いで、パーソナル診断へ
もともと、ファッションは大好きだったんです。
おしゃれ番長ではなかったけれど、「番長の右隣」くらいのポジションにはいたつもりです。
けれど、キョーレツな違和感を感じたあの日から、買い物もコーディネートも手が止まってしまいました。
何を着ても「違う」。
だからといって、どう変えればいいのかが分かりません。
そんなわたしが飛びついたのが、友だちに紹介してもらったパーソナル診断でした。
診断で “自分に似合う” を知れば、今の違和感から抜け出せるかもしれない。
藁にもすがる思いで、即、予約しました。
受けたのは、パーソナルカラーと骨格診断。
診断後、わたしにすすめられたのは、淡い色や女性らしいシルエットの服。
ペールトーン、フリルやレースなど、やわらかくて華やかな印象のスタイルでした。
それは、わたし史上最大のフリル率(笑)。
帰り道、クローゼットを思い浮かべながら、絶望していました。
カーキや黒、シャープなラインの服。
今までわたしが選んできたものは、ことごとく「似合わない」と言われた色と形だったのです。
まさか、クローゼットの95%が戦力外通告を受けるとは。
「これで迷子卒業だ!」と一念発起し、カーキ色の服を一気に処分しました(黒は死守)。
そして、フェミニンなワンピースやブラウスを買い足しました。
「わたしに似合う服を着れば、きっと気持ちも上がる」――そう信じていたから。
褒められる。でも、しっくりこないわたし
新しく迎えたワードローブには、ふわっとした素材、甘めのディテール、明るい色。
確かに、それまでのわたしにはなかった華やかさがありました。
仕事先では「雰囲気変わったね」「その色、似合う!」と評価は上々。
外からの評価は、たしかにポジティブでした。
でも、鏡を見るたび、どこか“借り物感”が消えませんでした。
たとえば、ペプラムブラウスを着て歩いているとき。
確かに“似合う”のかもしれません。でも、心の中ではなぜか落ち着かない。
「これはわたしじゃない」という感覚が、背中に貼りついて離れませんでした。
わたしの“好き”が、どこかへ置いてきぼりにされていたのです。
「似合う」と「好き」の分かれ道
パーソナル診断に頼ってみたけれど、心は晴れませんでした。
でもそのおかげで、わたしはようやく向き合うことになります。
「わたしは、本当はどんな服が好きなんだろう?」
周囲の評価や、似合う・似合わないの理論を一度横に置いて、自分の気持ちに耳をすませました。
すると、ふと浮かんだのは、昔好きでよく着ていたカーキのミリタリージャケットや、ざっくりしたニット、シンプルなTシャツ。
それらを着ていた頃のわたしは、少なくとも気持ちは軽やかだったのです。
フェミニンな服も、たしかに新しい世界を見せてくれました。
でも、それはわたしを縛るルールにはなりません。
自由に選んでいい。
自分の好きで決めていい。
だって、服を着るのは「わたし」だもの。
そう思えるようになったとき、診断の呪縛から解放されました。
選び直した服と、戻ってきた「わたし」
ある休日、気の向くままにふらっと立ち寄ったセレクトショップで、カーキ色のシャツワンピースに目が留まりました。
「あ、これ着たいかも」
気づけば、試着室に向かっていました。
袖を通した瞬間、なんとも言えない安心感が体を包みました。
懐かしいけど、今のわたしにしっくりくる。
そう、やっぱりわたしには、こういう服が心地よかったのです。
それから少しずつ、服を“買い直し”始めました。
診断でおすすめされたものを否定するのではなく、「自分の好き」と「ちょっと似合う」を掛け合わせるようなイメージで。
たとえば、ラフなTシャツには、揺れるイヤリングやパンプスをあわせる。
あと「これは寝間着じゃないですよアピール」のリップも忘れずに。
そんなふうに、“好き”と“新しいわたし”をバランスよく混ぜていくうちに、 だんだんと「自分にとってのいい塩梅」がわかってきました。
ファッションって、一番「外側」ですが、自分の「内側からの延長線」にあるもの。
ここが腹落ちしてからは、迷いはなくなりました。
今日から「心がよろこぶ服」を着よう
40代になって、突然やってきた「似合わない」の違和感。
それはただのファッション迷子ではありませんでした。
大げさではなく、“内なる声”に気づかせてくれる大事なきっかけだったのです。
パーソナル診断で「似合う」を知ることは、大きなヒントになりました。
でも、最終的に選ぶのは、自分の“心がよろこぶ”服。
年齢を重ねた今だからこそ、誰かに褒められるためではなく、 自分自身が心地よくいられるスタイルを、大事にしています。
服を着ない日はありません。
毎日、今の自分に正直に、心が軽くなる服を着ています。
そしてときどき、「似合う」と「好き」が完璧に一致した日には、もう祝杯あげたいくらいです。
もし、今まさにファッション迷子中だとしたら、一緒に16日間チャレンジしませんか?
きっと、あなたにとって大事な気付きがあると思います。(まずは、次のリンクをご参照ください)
大人の夏休みを楽しむファッション部活です!
今日もお読みいただきありがとうございました!