「いいよ、大丈夫」って、ほんとは大丈夫じゃないのに言ってしまう。
「うん、わかった」って、心では納得していないのに頷いてしまう。
あなたにも覚えがありませんか?
わたしもずっと「イヤ」と言うのが怖くて、「それは違う」と感じても、笑顔で飲み込んでしまう。
気づけば “感じていること” よりも “どう見られるか” を優先していた40代でした。
素直になるのが難しい理由
「ほんとはイヤなんだよね」って言えないのは、弱いからじゃない。
ただ、それを言うことで「関係が崩れたらどうしよう」と思ってしまうから。
-
空気を壊したくない
-
めんどくさい人って思われたくない
-
相手にガッカリされたくない
そんな思いが、口を閉ざしてしまう。
でも、そうして積み重ねてきた「無理」や「ガマン」によって、どんどん本来の自分から遠ざかっていくんです。
「ほんとは何がしたいの?」
「本音はどこにあるの?」
自問自答するも、忙しい日々で、答えが出ないままやり過ごしていく。
先送りすればするほど、ますます言い出せなくなる悪循環に陥りがちです。
素直な人って実は“強い”
忘れもしない、43歳の春。
繁忙期でめちゃくちゃ忙しかった時に、当時の講師仲間と、仕事のやり方についてちょっともめたんです。
わたしが初めて「それはちょっとイヤかも」と口にしたとき、相手は笑いながらこう言ってくれました。
「え、そうだったんだ!全然気づかなかった。言ってくれてよかったよ」
そのとき、初めて知ったんです。
「本音を伝えること=嫌われる」じゃないんだって。
むしろ、ちゃんと向き合いたいと思っている人ほど、“ほんとの気持ちを知りたい" と思ってくれている。
素直になるって、何もかもさらけ出すことじゃなくて、「自分の気持ちを自分でちゃんと扱うこと」なんですよね。
どんなに親しい間柄でも、他人の気持ちなんて絶対に分かり得ないものです。
だから、せめて、自分自身がちゃんと責任をもって扱う。これを出来るのが本当の大人なんだと気づいたわけです。
少しずつ心が削られていく
仕事でも、プライベートでも、“いい人でいること” は、たしかに場をスムーズにするかもしれません。
でも、そればかりだと――
「何を言ってもOKな人」
「断らない人」
「都合のいい人」になってしまうこともある。
それって、本当に自分の望んでいる姿だっけ?
自分がまるで “便利なサービス” みたいに扱われているように感じて、すごく虚しくなったことがありました。
でも、そこに追いやっていたのは、他の誰でもないわたし自身だったんです。
素直になるために今日からできること
「よし!素直になるぞ!」と思っても、いきなり出来るものではないと思います(出来る人なら悩まないですよね)。
わたしが当時取り組んでいたこと、2つをご紹介します。
「本当はどうしたい?」と、自分に聞いてみる
頭で考えるより先に、心に問いかける "クセ" をつけます。最初は面倒だったり、忘れてしまったりしますが、継続は力なりです。無意識にできるようになります。
誰かに一度だけ、正直に言ってみる
「ちょっとしんどかったかも」「実は無理してました」―そんな一言から、本音が動き出します。最初の一言さえ出せれば、あとは身を委ねるだけ。信頼できるメンターや友人を頼りましょう。
わたし自身とつながり直すこと
「イヤ」と言うのは、わがままじゃありません。
「それはちょっと違う」と伝えるのは、自己中心でもありません。
むしろ、それを言えないままでいることの方が、自分を見失わせる危うさを持っています。
わたし自身をちゃんと理解して、信頼して、「こんなわたしでいいんだ」と思えること。
自分を信頼できたその先に、他者に対しても同様に信頼が生まれます。
自分にも相手にも「大丈夫」と確信をもって言える。
それが出来たとき、きっと人との関わりも、もっと心地よくなるはずです。
わたしもあなたも、そんな大人になれると信じています。
お読みいただきありがとうございました!