「今日の夜、何食べたい?」
こんなふうに聞かれたとき、すぐに答えられる人は意外と少ないかもしれません。「うーん、なんでもいいよ」とか「そっちは?」と返してしまうのが、我々夫婦のお決まりパターンです。ですが、
「今日の夜、食べたくないものある?」と聞かれると…
「カレーの口ではないな」と、意外とすぐに答えられたりするものです。実は、ここに “質問力” のヒントが隠れています。今日は、そんな「質問力」の磨き方を、日常の例を交えながらお伝えします。
質問がコミュニケーションを変える
友だちとカフェでお茶をしていたときのこと。「何飲む?」と聞かれ、メニューを見てもなかなか決めきれずにいたら、「甘いの苦手だったよね?コーヒーにする?」と声をかけられました。
その一言で、すんなりコーヒーを選べた自分に気づきました。
人は「これが好き」と即答するよりも、「これじゃない」と答えるほうが楽なことが多い。この感覚を知っておくと、コミュニケーションがぐっとスムーズになります。
質問力の基本抽象的VS具体的
質問にも、伝わりやすさに差があります。たとえば…
抽象的な質問:
「何でもいいから意見を聞かせて」
「自由に書いてね」
具体的な質問:
「A案とB案なら、どちらが良さそう?」
「5分以内に3つ挙げてみよう」
何を求められているのかが具体的だと、答える側も迷わずにすみます。これはクローズドクエスチョンと呼ばれます。
一方、相手の思考や気持ちを聞き出したい場合などは、あえて曖昧さを残した質問をします。これはオープンクエスチョンと呼ばれます。
つまり、質問の仕方ひとつで、相手が出せる答えの質も変わるということです。
質問力を高める3つのコツ
仕事で新しい企画を考えていたとき。「何かアイデアある?」とだけ投げかけると、誰からも意見が出ず、ただただ沈黙の時間が過ぎていきます。
でも、「この2つの方向性ならどちらがいいと思う?」と具体的に聞いてみると、スムーズに意見が出てきました。その後は、活発なディスカッションとなり、十分な成果が得られました。
この違いを意識的に使えるようになると、質問力をぐっと高めることができます。
① 相手が答えやすい枠組みをつくる
「何でもいいよ」と任せるより、「AとBならどちらがいい?」と選択肢を用意する。それだけで、相手の迷いを減らすことができます。
② 自分の目的を意識して質問する
何のために聞くのかを明確にしておくこと。意見を集めたいのか、決断をサポートしたいのか。ゴールを意識しておくだけで、質問も自然とクリアになります。
③ タイミングを見極める
質問を投げかけるタイミングも大切です。忙しいときや、気持ちが整っていないときには深い答えは引き出せません。
リラックスしているときやふとした雑談の中で聞くほうが、思わぬ本音が引き出せることもあります。
質問力はビジネスでも人生でも役立つ
質問力は、プライベートだけではなく、仕事でも大きな武器になります。
営業なら、お客さまのニーズを引き出すために。マネジメントなら、チームメンバーの考えを聞き出すために。ライティングでも、読者の「知りたい」を引き出すために。
いい質問ができる人は、信頼され、何より、「また話してみたい」と思われます。自分に関心を持たれる(質問される)のは、嬉しいものですから。
逆に、あいまいな質問ばかりでは、相手も自分も迷子になってしまいます。最悪「めんどくさい」と思われてしまうことも...。
今日からできる“小さな質問改革”
まずは、シンプルに。「何食べたい?」ではなく、「何はイヤ?」と聞いてみる。そして、
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選択肢を示す
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ゴールを意識する
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タイミングを選ぶ
この3つを心がけるだけで、日常の会話も、仕事のやりとりも、少しずつ変わりはじめます。
質問は、相手との距離を縮めるきっかけにもなり、自分自身がよりよい選択をする手助けにもなります。
今日から、誰かと会話するとき、「質の高い問い(質問)」を意識してみませんか?きっと、小さな変化が訪れるはずです。
お読みいただきありがとうございました!