ふと未来のことを考えて不安になることはありませんか?
内閣府の「国民生活に関する世論調査」によると、
40代女性の83.4%が日常生活で何らかの不安や悩みを抱えているそうです。
この数字は全年代の中で最も高く、「40代女性」が現代社会で
特に心理的負担を抱えていることを示しています。
今回はそんな40代女性が抱える「不安の正体」に迫ってみたいと思います。
あなたのモヤモヤが少しでも軽くなるきっかけになれば嬉しいです。
なぜ40代女性は最も不安を感じる世代なのか?
40代という年齢は、人生のちょうど折り返し地点。
これまでの人生を振り返りつつ、これからの人生を見つめ直す時期です。
そんな40代女性が不安を感じやすい理由には、いくつかの重要な要因があります。
複数のライフイベントが重なる時期
40代女性は、多くの場合「サンドイッチ世代」と呼ばれる状況に置かれています。
子育てが一段落しつつある一方で、親の介護が始まる時期。
キャリアの転換点を迎える人も多く、自分自身、家族、
仕事など様々な面で変化や責任が重なります。
身体的な変化を実感する時期
40代は女性ホルモンの変化が顕著になり始める時期です。
更年期の入り口と言われる「プレ更年期」を経験する女性も増え、
これまでに感じたことのない体調の変化に戸惑う方も少なくありません。
将来が見え始める時期
若い頃は漠然としていた「老後」や「定年後」という概念が、
40代になると急に現実味を帯びてきます。
自分の将来像がぼんやりと見え始めるからこそ、不安も具体化してくるのです。
40代女性が感じる不安ベスト3
オトナサローネの調査や内閣府の「国民生活に関する世論調査」などの
複数のデータをもとに、40代女性が感じる
主な不安をランキング形式で見ていきましょう。
第1位:将来への不安
最も多くの40代女性が抱える不安は、「将来」に関することです。
具体的には、老後の生活や10年後の自分の姿について漠然とした不安を感じています。
「漠然とした将来の不安がある。老後、どういう生活を送っているのだろうか」(40代前半・無職)
「10年後の自分」(40代前半・会社員)
「独身で老後を迎えること。これから体力が落ちていく中で働いていくこと」(40代前半・会社員)
特徴的なのは、具体的な理由がなくても「なんとなく不安」と
感じている方が多いこと。将来に対するイメージが描けないことが、
不安を増幅させているようです。
第2位:お金の不安
第2位は「お金」に関する不安です。内閣府の調査でも、
40代女性は「現在の収入や資産」よりも
「今後の収入や資産」に対する不安が大きいことが示されています。
「給料が安い。残業代込みのお給料に変わったが...手取りが減って思うように貯金ができなくなった」(40代後半・会社員)
「貯蓄形成、どういった形態の投資で資産を増やそうか悩んでいる」
(30代前半・自営業)
「老後の生活費」(40代前半・会社員)
将来への漠然とした不安が、「老後のお金は足りるのか」という具体的な経済不安として現れているケースが多いようです。また、「年金だけでは足りない」という認識が広まる中、自分自身での資産形成に関心を持つ女性も増えています。
第3位:健康の不安
第3位は自分や家族の健康に関する不安です。特に40代になると自分自身の体の変化を感じ始め、それが不安の種になっています。
「何歳まで健康でボケずにいられるのか」(50代前半・派遣社員)
「老眼の進行具合で、いつまで仕事の現役を続けられるか」
(40代後半・パート)
「子宮頸癌と乳がんの経過観察中で、年2回以上検査が必要なので」
(40代前半・会社員)
別の調査では、40代女性の体の悩みランキングでは
「肌荒れ・シミ・シワ」が第1位、「肩こり・腰痛・頭痛」が第2位となっています。
目に見える老化現象や体の不調が、健康への不安を増幅させているようです。
その他の不安要素
上記の主要な3つの不安の他にも、40代女性は以下のような多様な不安を抱えています:
-
家族に関する不安:親の介護、子どもの進路、パートナーとの関係
-
仕事とライフバランス:「子育てと親の介護、仕事のバランス。毎日イライラしている自分がいます」(40代前半・パート)
-
更年期への不安:「更年期と子離れの寂しさと介護が同時」(40代前半・自営業)
-
容姿の変化:「体重が増えやすく、落ちにくい」(40代前半・会社員)
-
人間関係の変化:「友達が親の介護に入って遊び友達が減ってきた」(50代前半・無職)
これらの不安は互いに関連していることが多く、
ひとつの不安が他の不安を引き起こす連鎖反応が起きやすい状況です。
40代女性の不安と向き合うための対策
これだけ多くの不安を抱える40代女性。
では、どのように不安と向き合い、乗り越えていけばよいのでしょうか?
不安の種類別に対策を考えてみましょう。
将来への不安への対策
-
具体的なビジョンを描く:漠然とした不安は具体性がないことが原因。5年後、10年後にどうなっていたいかを紙に書き出してみましょう。
-
小さな目標設定:大きな目標に向かうには、逆算してステップを作ることが大切です。まずは3ヶ月、1ヶ月、1週間と、短期の目標を立てて少しずつ進めていきましょう。
-
同世代のロールモデルを見つける:理想とする40代、50代の女性を見つけ、どのような選択をしてきたのかを学びましょう。
お金の不安への対策
-
現状の把握から始める:現在の収入、支出、資産を正確に把握することが第一歩。家計簿アプリなどを活用しましょう。
-
老後資金のシミュレーション:金融機関や年金事務所の試算ツールを利用して、必要な老後資金を具体的に計算してみましょう。
-
少額からの資産形成:投資は難しいと思わず、つみたてNISAやiDeCoなど少額から始められる制度を検討してみましょう。
-
キャリアアップの検討:可能であれば、スキルアップやキャリアチェンジで収入アップを目指すのも一つの方法です。
健康の不安への対策
-
定期健診の徹底:40代からは健康診断の項目を増やし、婦人科検診なども定期的に受けましょう。
-
専門家への相談:不調を感じたら我慢せず、早めに婦人科や更年期外来を受診しましょう。
-
ストレス管理:適度な運動や質の良い睡眠に加えて、自分に合った方法でマインドを整えることが大切です。
総合的な対策
-
同世代のコミュニティに参加:同じ悩みを持つ仲間と交流することで、孤独感が軽減されます。
-
プロの力を借りる:ファイナンシャルプランナーやキャリアカウンセラーなど、各分野の専門家に相談するのも一つの方法です。
-
マインドフルネスや瞑想:不安にとらわれそうなときは、「今ここ」に意識を向けてみましょう。呼吸に意識を向けたり、静かに自分と向き合う時間が、心を落ち着かせる手助けになります。
-
趣味や学びを持つ:新しい趣味や学びは脳に刺激を与え、不安から意識をそらす効果があります。
まとめ:40代は人生の通過点、不安と共に成長するチャンス
内閣府の調査で明らかになったように、40代女性の83.4%が不安や悩みを抱えています。
将来、お金、健康—これらの不安は、40代という人生の節目に立つ女性たちにとって、
ごく自然なものと言えるでしょう。
しかし、不安があるからこそ、私たちは前に進むための準備をします。
漠然とした不安を具体的な行動に変えることで、
40代は単なる「不安の時期」ではなく、「次のステージへの準備期間」となるのです。
人生100年時代と言われる今、40代はまさに人生の折り返し地点。
これからの人生をより豊かに、自分らしく生きるための重要な時期と捉え、
不安と上手に向き合っていきましょう。
あなたの不安は、あなただけのものではありません。
同じ悩みを持つ仲間はたくさんいます。
不安を感じることは、成長するチャンスでもあるのです。
【参考資料】
-
内閣府「国民生活に関する世論調査(令和5年11月調査)」
-
オトナサローネの調査(2021年4月)