ボドゲを流行らせたい

「ボドゲを流行らせたい」

この言葉はボードゲーム界隈のtwitterや、ボドゲ会で仲良くなった人と話しているときによく聞く。

ボードゲームをもっといろんな人に知ってほしい。

ボードゲームをもっといろんな人にやってほしい。

ボドゲ好きな人は大抵一度はそう思うし、僕もボドゲがどんどん流行って欲しいと思っている。

特に同人ボドゲを作ってる僕はボドゲ流行ったら僕の作ったボドゲ売れたりするしゴニョゴニョ。

 

現にボドゲは流行りつつある。

これの例は、大型ボードゲームイベント「ゲームマーケット」の来場者数が良く引き合いに出される。

2000年に始まったゲームマーケットは第1回の来場者数が約400人。

それが6年後の2006年には来場者数10000人を突破。

2021年には2日間でのべ18000人の来場者数になっている。

 

ボードゲームを流行らせたい理由は単純に「ボードゲームが面白い」からだ。

最近ではネット環境が整っているから顔を突き合わせて何かをすることが少ない。

これは、コロナで対面が難しくなる前から言われていた。

ボードゲームで人とのつながりも増える。

現に僕は増えた。

そしてボードゲームは面白い。

だからボードゲームを広めたい。

 

と、思ったのだが……。

僕はその考えに、違和感を覚えた。

 

  ボードゲームはハードウェアである

「ボードゲームが面白い」という言葉はぼんやりしすぎている。

なぜか。

それはボードゲームがハードウェアだからだ。

 

つまり、僕は「ボードゲーム」の立ち位置を「Nintendo Switch」や「PS5」と同じ位置にあると考えている。

ボードゲームはSwitchやPS5と違い、モノは存在しない。

しかし、そう考えると都合が良いのだ。

 

Switchにはソフトがある。つまり、「Splatoon」や「ポケモン」シリーズがそれにあたる。

PS5にも様々なソフトがある。

ボードゲームがハードウェアだとすると、ソフトウェアに当たるのはもちろん「カタン」「アグリコラ」「宝石の煌き」などの、個々のゲームだ。

 

ボードゲームについて語るとき、なぜか僕たちはボードゲームを一括りにしがちだ。

「ボードゲームやろう」

「ボードゲームって面白い!」

「ボードゲームしたくなってきた」

 

これをNintendo Switchに置き換えると、違和感がある。

「Nintendo Switchって面白い!」と発言する人はまぁまぁマレだ。

「桃鉄が面白い」とか、「Splatoonサイコー!」とか、必ずソフトウェアに焦点が当たってくる。

 

  Nintendo Switchが面白いわけではない

Nintendo Switchは確かに機能が新しい。

それは、傾きを検知したり片手ごとに違う動きを検知できる「Joy-Con」であったり、携帯ゲーム機でありながらテレビに接続してテレビゲーム用ハードとしても使えることであることも挙げられる。

ただし、Switchを買う人の多くの理由は、やりたいソフトがあるからだ。

桃鉄をやりたかったり、スプラトゥーンをやりたかったり、ポケモンの新作をやりたいためにSwitchを買う。

「Switchやらない?」という発言は、Joy-Conの機能性の高さを研究するのではなく、特定のソフトが発言の裏に隠れている。

 

ここからは僕の意見だが、

ボードゲームに話を戻すと、個々のゲームよりも「ボードゲーム」が先に挙がるのが多いように感じる。

しかし、面白さを考えるなら個々のボードゲームについて考えた方が良い。

ボードゲームはなぜか1回遊んだら別のゲームを遊ばなければならない雰囲気が出る。

しかし、その雰囲気さえもぶち壊してしまうような、ずっと遊べるキラーコンテンツが出た時。

その時に、ボードゲームというハードの裾野は恐ろしく広がりを見せると思っている。

 

  「ボドゲを流行らせる」は後

Nintendo Switchの前身Wii Uは売れ行きがあまり良くなかったが「Splatoon」の登場によって飛躍的に売れ行きが伸びたらしい。

この例からも、焦点を当てるべきはハードウェアではなくソフトウェアの方だ。

ボドゲを流行るのはどんな時か。

それは、「面白いボドゲが出た時」だと思う。

 

「面白いボドゲが発売され、それが流行る」が先にある。

「ボドゲが流行る」は、その後だ。

そういう意味でも、多くの人が面白いと感じて何回もプレイしたくなるボードゲームが、いま求められている。

 

  宣伝しとこ

2022年春のゲームマーケットで、トリガーゲームズから「パテント」というゲームを出す。

これはスゴロクに「競り」の要素を加えたものだ。

基本的なルールはスゴロクと同じなため、初心者でもとっつきやすく、ルールが分かりやすい。

ただし、競り要素が加わっているため、運だけではなく実力も必要になってくる。

「金づかいのうまさ」が勝負の分かれ目になるゲームだ。

マスが多くないため、プレイ時間も15分程度と遊びやすく、何回も遊びたくなる設計になっている。

 

以下にゲームマーケットでのリンクを貼っておく。

ある程度の内容は書いているので、気になる方は、覗いてください。

 

 2019年11月23日(土)、24日(日)にゲームマーケット2019秋が開催された。

 

 多数のサークルが出展し、出たボードゲームは1000種類以上とも言われるゲームマーケットで、僕のサークル「N.A.G.C.」からも連鎖するカードゲーム「トリガー」を23日(土)に販売した。

 

 N.A.G.C.の出展は今回4回目。作ったゲームは1作目「DODGE HOLE(ドッジホール)」に次いで2作目の「トリガー」。

 

 トリガーは2019年春のゲームマーケットで新作として出展し、そこで販売数が伸びなかったため秋でもう一度売ろうと意気込んだゲームだ。

 

こんな感じのゲーム

 

 毎回ゲームマーケットで反省点を踏まえて売り方を改良していくが、2019年春のゲームマーケットでの反省点は「新作のゲームにも関わらず宣伝をあまりしていなかった」ことが大きいと考えた。宣伝をしなければ、他の人に知られることは無い。だから売れなかったと。

 

 自分のゲームの販売状況を話すのは色々どうかと思うが、3回目のゲムマ春でトリガーは15部売れた。200部作って15部だ。6畳間にある段ボールの山が辛い。

 

 実際、「トリガーを作りました!」のような記事をゲームマーケットのHPに上げただけで、それ以外の宣伝はほとんどしていなかった。逆にそれで15部なら上々かもしれない。

 

 だが、トリガーは遊んだ人は「面白い」と言ってくれるゲームであり、個人でもゲームシステムは面白いと思っている。かつトリガーのデザイン自体はカードも箱も可愛くて気に入っているので、デザインが悪いともあまり考えていない。

(かわいいシンプルデザインは売れないとかそんな感じのセオリーがあるならそれは知らない)

 

 なので、今回のゲームマーケットは「知ってもらうこと」をメインに宣伝をした。ゲームマーケットのサイトに7,8回は記事を投稿し、トリガーのルールを説明した。ルールには図を入れて、カードを見せ、遊び方が見ただけでもまぁまぁ分かるように心掛けた。2種類の遊び方があることや、カードの左上に書いてある「トリガー」の記号の意味等を話題に出し、記事を書いていった。

 

ゲムマのHPに置いた図。Excelを使って頑張って作った。

 

 ツイッターでも自分の中ではチョコチョコ話題には出していたつもりだ。「何か面白いボードゲーム無いかなぁ」のようなつぶやきには「自薦ですが僕が作った『連鎖』するカードゲーム『トリガー』はどうでしょうか!」などとリプライを付け、全くと言ってもいいほど宣伝をしなかった3回目に比べたら自分の中では大分頑張ってトリガーの話題をツイッターに出していった。

 

 結果的にはボードゲームをしている人やサークルから何人かフォローを頂いた。フォロバもした。ツイッターで「宣伝の記事を書きました!」というツイートは、まぁまぁいいねやリツイートがあった。少なくとも、5,6いいねやリツイートはついていた。

 

 YouTubeで東海地方のボドゲを紹介するライブ配信にも出演した。宣伝する人募集の広告があったので勇気を出して参加ボタンを押し、緊張しながら自分のボードゲームを生配信で紹介した。

 

 今回印刷所の「盤上遊戯製作所」様がツイッターで「トリガー」の名前を出してくださることも大きかった。何回も「遊びました!」「面白かった!」と呟いていただき、小躍りしながらいいねとリツイートを押していた。

 

 「宣伝する」という項目は、他のすごいサークル様に比べれば全然なのは自覚しつつ、以前よりはちゃんとやったという意味でクリアした。ポスターを背後で吊り下げるやつも自作し、ブースも前よりは見栄えが良くなった。

 

 やれることはやった。前回よりも宣伝し、前回の反省を踏まえた。全部売り切れとは考えていなかったが、前回の15部の倍、30部ぐらいは売れるのではないかと考えていた。

 

 

 ゲームマーケットが始まった。

 

 開始すぐに一般入場の人たちが会場になだれ込んできた。全員が目当てのボードゲームに向かって一目散に駆けていく。しかしこれは最初だけで、10分もすると大分落ち着きを取り戻した。会場には一般入場のお客さんがあふれ、全体が活気づいていった。

 

 そして、開始から1時間経ち、時刻は11時になった。

 

 11時になってもN.A.G.C.のブースには、1人も来なかった。

 

 

 1人も来なかったのである。売れた数はもちろん0。4回も、4回もゲムマに参加して、前回の反省点を踏まえて色々と試行錯誤して、今回も宣伝を自分では頑張ったつもりで、後ろには在庫の山が控えていて、一般参加の人たちは目の前にあふれて居るにも関わらず、その全員が自分のブースを見向きもせずに素通りしていく。

 

 僕の中で焦りは募った。終了まで7時間もあるにも関わらず、僕の心は早々に折れていた。

 

 なんとかしなければと思い、売り子を僕自身が買って出た。何とかして、何とかして1個でも!そう思い、道行く人々に笑顔で「こんにちはー!こんにちはー!」と狂ったように叫んでいた。やべぇ奴だよ。

 

 だが必死さの甲斐あってか、そこから少しずつトリガーを買ってくれる方が出てきた。やっと、「これどんなゲームですか?」と聞いてくれる方が現れ始めたのだ。

 

 そして、ここで僕がこう説明する。

 

 「このゲームは色、記号、数字が4種類のカードがあって、それとは別に『トリガー』と呼ばれるものがついてます。トリガーは色、記号、数字のどれかで、赤だったり、〇だったり、4とかだったりします。

 

  7枚カードを配って、それを交換していって、その手札を全部同じ色か、同じ記号か、同じ数字にそろえた人が勝ちです。

 

  カード交換の仕方は普通に手札を捨てて山札から引くこともできるのですが、

 

  『相手の捨てたカード』など場にあるカードを、手札と交換することが出来ます。

 

  ただし!自分の交換する手札の『トリガー』の部分に当てはまるカードとしか交換できません。例えば、手札のトリガーに『赤』と書いてあるなら、赤いカードとしか交換ができないんです。

 

  でも!その『赤』で交換したカードのトリガーに、例えば『△』と書いてあれば、△の別のカードと1ターンで一気に連鎖して交換することが出来ます!

 

  この連鎖は何回もできるので、例えばこの緑のカードを取りたければ、手札のトリガーは『黄』で『黄色』のカードしか交換できないので、これと交換して、で!このカードに『×』って書いてあるのでこの×のカードと交換して、このカードには今度「△」がトリガーにあるので、ここでこの欲しい緑のカードを連鎖連鎖で取ることができるんですよ!!」

 

  

図:連鎖の説明

 

 実際のカードを見せながらこの最後の『連鎖のシステム』の説明をしたときに、手ごたえがあった。僕の思っている一番面白い部分がココなので、説明の熱もメチャクチャに乗る。必死さもある。売れてないし。

 

 そして、この「連鎖システム」を説明した時、「この人『このゲーム面白い!』と思って、心が動いて、今トリガーの購入について秤が揺れてる!!」っていう感触がくる。この感触はなんとも気持ちいい。下手したら買ってくれる以上に気持ちいいかもしれない。実際これで何人か「面白そうですね」と買ってくれた。

 

 ここからはもう説明は上のような連鎖の説明だけになった。「2種類の遊び方があること」「早撃ちルールはトランプのスピードっぽいゲームでパーティゲームのように遊べること」「狙い撃ちルールで山札と交換するのは4人プレイだと3回までしかできないこと」などは大体省いた。早撃ちルールとかほとんど説明しなかった。

 

 自分の「ここが面白いんです!」という連鎖する説明だけをした。今回のゲームの説明で、相手がこのゲームに興味を持ち、買うかどうか心を動かす場所はここだと思ったからだ。

 

 

 ゲームマーケット2019秋、1日目が終わった。

 

 成果は、トリガーが8つ売れた。結局前回のゲムマの半分も売れていない。2日目は出展しなかったので、今回のゲームマーケットの結果はそれで全部ということになる。(1作目のドッジホールも今回3個売れた。やったね)

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 今回、宣伝を完全に失敗したなと、ゲームマーケットでトリガーを売っていて思った。

 

 いや、開始1時間で売れたの0だから宣伝失敗は明らかなんだけど。

 

 僕が気づいたのは、宣伝の仕方を間違えたことだ。

 

 「人の心を動かす宣伝」が出来ていなかった。今回で言えば「このトリガーっていうゲーム、面白そうだな」と思わせる宣伝というのは、何一つしてこなかったというのが今回の明確な反省点だ。

 

 宣伝する時は「『連鎖』するゲームであること」「トリガーという要素があること」「2種類の遊び方があること」など、概要の説明とか内容の要素の説明をしているだけで、「このゲーム面白いんですよ!特にこの連鎖が!このカードからこのカードを経由して欲しいカードに繋がっていく!!このシステム面白くないですか!?」みたいな、「このゲームよさそうだな」「面白そうだな」と思わせる宣伝が、まるで出来ていなかったということだ。

 

 もちろん、「予約フォームは今度から作ろう」とか、「どんなゲームか説明する紙は今回設置しなかったけどやっぱりあった方が良い」とか、「動画を作る」とか、「ポスターを布製でデカいほうが『ちゃんとしてますよ』感すごい出る」「販売ブースだけじゃなくて試遊卓もポスターで目立たせる」「スタッフをお揃いのユニフォームにした方がオシャレ」いろんな細かい反省点は山のように出てきている。

 

 だが、今回の「宣伝をしよう!」と意気込んだ結果大失敗に終わったことは、僕の中で今回の最大の反省点だ。これは改善しなければならないし、これを改善するのが売上部数を伸ばす秘訣なのではないかとも思う。宣伝という意味では、今回の細かい反省点も、大元をたどれば「面白いと思わせる宣伝をする」に含まれている。そんな気がする。

 

 唯一良かった点は、今回は僕が売り子を経験したことだ。前回までは試遊卓でゲームの説明役に終始していて売り子はしなかったが、今回は直接売り子をすることでトリガーの説明を聞く人の、そしてトリガーを買うかどうか迷っている人の生の反応が見ることが出来た。ここは今回大きなプラスになったと言える。

 

 今回は惨憺たる結果に終わったが、「モノを作って売るって面白いんだな」というのを今更になって実感した回だった気がする。全然売れなかったし、在庫の山はやっぱり抱えっぱなしだけど、収穫は多かった。あと何よりなんだかんだで楽しかった。

 

 今までは「面白いゲームを作りたい!!」と思ってゲムマに参加した。けど、今度からは「面白いゲームを作って、いろんな人に『これ面白いな!!』って言わせたい!!!!」に変わった。

 

 単純にやりたいことが増えたのかこれは。今後もやることが多そうだし、忙しくなりそうだ。

 

 心は今回ズタズタに折れたが、不思議とボドゲづくりをやめようとは思わない。

 

 今後とも頑張っていこうと思う。

酒に酔っ払った勢いで、脳内人狼2日目を書かずにこんなこと書いて寝るのですよ。

 
 最近ある本を読んで「なるほどな」と思ったことがあります。
 ビジネス書なのですが、『結局、「すぐやる人」がすべてを手に入れる(藤由達藏:青春出版社)』に書いてあった一節に、こんなことが書いてありました。
 『多くの人のやる気の素は大体以下の3つに分類できます。
 1つは、上昇・達成系のやる気の素(勝ちたい、成長したい、上達したい)
 1つは、人間関係系のやる気の素(人と仲良くしたい、感謝されたい)
 1つは、プロセス志向系のやる気の素(手順を守りたい、プロセスにこだわる)
 多くの人はこのうちの1つが強く、もう2つはそこまで強くないです。』

 

 人狼をやっていると色んなタイプの人がいます。

 真面目に頑張って人狼を探す人、色んな意見に反論していく人、静かに周りを見守る人。

 その人たちのプレイスタイルを上のビジネス書の「やる気の素」に当てはめるならば、以下の3タイプになるのかなと思います。

 

1.その場の勝利に向かって突っ走っていくタイプ

 自分の感覚を信じて人狼を吊りに行くタイプの人です。

 決め打ちの傾向が強く、さらに「俺はここが怪しい」とはっきりと言える人が多い印象です。

 論理派は相手の表情考察や投票精査が上手く、パッション派は感覚での決め打ちに賭けていることが多いです(しかも結構当たる)

 

2.その場の面白くさせて動いていくタイプ

 とにかくその場で印象に残る行動を起こしたいタイプの人です。

 場合によってはセオリーから外れた行動を取ったり、外れてなくても独自の視点で人狼のミスを突けたりして、一気に真を見抜いたり真目を勝ち取ったりします。

 論理派もパッション派も独自ルール的なものを持っている印象があります。

 

3.全体的な流れを意識するタイプ

 初手から最終日の決め打ちまでにかけて、セオリーを重視するタイプの人です。

 「こうしたらこう」「この場合はこうする」ということが決まっていて、占い師COした人を吊るタイミングや、占い先や占い理由からの考察が上手い印象です。

 論理派です(決め打ち)

 

 人狼をやる人にはいろんなタイプの人がいますが、どのタイプが良くてどのタイプが悪いかというものは無いはずです。

 もしかしたら、そのプレイスタイルの違いはその人の「やる気の素」が自分と違うだけなのかもしれないのですから。

 自分がどのタイプか、自分の知ってるあの人はどのタイプなのか。考えてみるのも面白いんじゃないでしょうか。

 

 それではこの辺で、おやすみなさい。