ゴリゴリゴリーラの野球道ブログ

ゴリゴリゴリーラの野球道ブログ

★少年野球★ 中学野球★ 高校野球 ★
3流選手の野球道✌

高校野球編43


対函館代表の知内高校


山本鉄弥監督

 


知内高校野球部監督で、私が小さい頃から噂は耳にしていた。

知内の監督は野球経験がなく、独学で野球を学び選手を育てる。

特に鹿部中学の選手を育ててそのまま知内高校に進学し、山本監督は知内の監督に就任。


教え子には今年亡くなられた盛田こうき選手がいたらしい。



その黄金時代のメンバーを引き連れての甲子園出場。
函館地区では有斗高校が独壇場に強く、それを脅かす存在は函館工業のみで、その一角に突如現れることになるのが函館から少し離れた町の知内なのだ。


※知内は演歌歌手の北島三郎先生の故郷の地。

知内の野球の噂はこうだ。

どんな選手でも知内に進学すると伸びる。
特に守備に関しては鉄壁の選手に育て上げる。
私の先輩で投手をしていた人が、内野手になっていた姿を見た時は私もびっくりし、上達していたのは印象深く、あの先輩がショートをやれるようになるとは思えなかった。


まさに、何が起きたのだと思うほどの上達。



※どくされ野球部の1年生の私に小声で「はいって言え」と言って助け船を出した石川ノースフォックスの先輩だ。




恐るべし知内。どんな練習をしてるんだ……。


その噂は函館中に轟き、有斗を選ぶことなく知内に進学した選手は数知れず……。



私に関しても当時、有斗からの特待生としての条件が気に入らず、知内に進むことも考えたほどだ。

その後、知内に進学しても函館からは通うことはできないため下宿代がかかるのと、私は打撃の男であり守備の知内は合わないと判断した。
もうひとつは話をしたこともある憧れていた先輩や幼馴染みの進学もあり有斗を選ぶ。



知内高校



試合開始前には知内のオーダーを見ると、能戸オサムと同様の強打者の幼馴染みの坂本修一。
投手は函館のシニア上がりの北見?
等々の顔見知りの選手ばかりだが数名は知らない選手たち。




負ける気は全くしない。



理由はたくさんあるが、チームの細かい戦い方もあるため話すことはやめる。

これ以上に厳しい練習をしている我々は負けるわけにはいかないプライドがあるし、私は試合中にあえて口には出さなかったが、野球の甘さに気づいていた。

他にも気づいているものはチームに数人はいたはずだ。


しかしながら、どうしても許せない1つ気になるのは守備の際の掛け声。

知内の選手は守備の際に『うっ』と言う言葉を発し、守備のリズムを合わせているのか、打者のタイミングをずらすために行うかどうかはわからないが、全員で『うっ』を連呼する。

(体を緊張させる合図か?)


正直な話で少し攻撃側からすると、目障りと、耳障りだ。

我々有斗の気合い浴びせかけ戦法で『うっ』を封じ込むが、しばらくはやめることはなく、我々も許さなかった。

ピーーーーー!ーー気合い浴びせピーーーーー!



初回の方で知内は『うっ』の掛け声は止めることとなる……。




試合はなかなか緊迫まではしていないがお互い譲らず進むが、理由は私が打てないため厳しい試合になった。


相手の1つ下の4番ファースト坂本、先輩である私の所に右中間にバカデカイ打球を打ち返し、さすがなバッター。
カスルだけでスタンドに放り込む男で体格もいい。
同じ年で幼馴染みのオサムの方が手首が強く機敏さはあるが、修一には天性のホームランの角度がある。


私の後輩にこの幼馴染みの2人がいたことは自慢であり、奇跡に近い。

ゴリラ、マサキ、オサム、シューイチ。
この四人で甲子園にいくはずだったが修一は
知内を選ぶ。

相手投手は北見で普通の球を投げる左投手。

全くもって苦戦する相手ではないがシーソーゲームで知内リード。

ここで事件が起きる。

ワンアウト1、2塁で私に打席が回り、投手交代で寺田。
1つ下の函館でも有名な投手だった。

カウントスリーボールになり、私は知内キャッチャーの高橋に喝を入れることとなる。

「勝負しピーーーー、ーーー!」

あまりに後ろを向いて話し掛けている時間が長かったため審判に注意を受ける。


調子は悪いが完全に打てるスイッチは入った。


スリーボールから打ちにいこうか迷うが内角のボール球を審判がストライク。

(逆に体が反応しないボール球でファーボールにならなくて喜んだ。)


スリーボールワンストライクで、完全に私の勝ちのイメージがMAXに入ったところで、捕らえた獲物は逃がさないストレート山はりモード全快。

どんなに調子が悪くとも柵まで持っていける円山の空に天高く……


ホームランの角度をつける部位に何度も合図を出し身体の緊張を高めた……。




キタァーーーーーーーー!!!?!?!??!!


ボコッっっっ!!!!



~の内角高めでまさかのデッドボール。

許せん知内バッテリーよ!許せん

……キャッチャーを睨み付け投手も睨み付ける。

(許さん……許さん過ぎる)



ファーストの坂本が私に謝るが私は目も会わせず許さなかった。

その後は私がホームに帰る連打で


ホームに入ろうとした時に走る線上に知内キャッチャーの高橋がいたっ!

私は「どけろぉー」と叫ぶが、どかなかったため、そのままタックルし、キャッチャーは吹き飛ぶ。


????

高橋は体重が100キロを超えていそうな巨漢の男が吹っ飛んだ。
私はゴリラだ。



ここで試合が中断し、ベンチに戻った私は監督に喝を入れられその後の記憶はない。

キャプテンの出村がヒットを放ち逆転に繋げたらしい?

同じ空間に居たのに?????


結果は勝つことになるが後味の悪い試合になった。

知内の選手の最後の姿を見て心の奥底で思っていた。


俺が知内を選らんでいれば神田を打ち崩し勝っていたのになと……。
あっ神田倒しても、知内に神田程のピッチャーがいねぇーや。
と、本当に思っていた。





宿舎に帰り、TVでは札幌南と北照の試合を観戦。

TVをつけると南が10点程リードしての試合。

誰しもがこう言った。

「テレビ局の人でも間違えることあるんだね」
「点数が逆だよ」

この時TV局にスコアが間違っていると言う事を電話をし、確認を取れとの会話になったのも覚えている。

あの北照が札幌南高校に、3回か4回程で10点差で負けている……。
(なぜだ?何があった?いやっ間違いだ!!)

最後の方に腕を骨折していた北照キャプテンの島田が代打で登場。

左の小さい打者で1年からレギュラーを
取った小さい猛者だ。

泣きながら、涙をぬぐい片手で打席に立っていたのは印象深く、その後、島田は片手でヒットを放つ。


やっぱし負けている……負けてるよ……。

なんで泣いてんのよ島田ァァァァァァあああ!!
大脇はなにしてんのよ!!


島田の男の姿には感激し、私が同じ怪我をしていても泣きはしないが片手で打ちにいったであろう。

最後の雄姿を有斗のみんなでみとどけた。

12対1での7回コールド負け……。





天災地変とはこの事だ。






しかし、この当時の札幌南の選手の話は、我々有斗のように裏話があるのだと思う。


あの北照がか……。



決勝戦は札幌南で進学校だ。

勉強では勝てない相手にスポーツでは負けられないという、当たり前の最低限の生きていくプライド。

負けたら何を糧に生きていくのよ……。


札幌南がここまで勝ち上がってきたには訳がある……訳があるぞ……。


今だに謎な出来事であり、寿命が尽きる前に南の選手の誰かさん。

教えてほしい。




つづく