「31階」

 

ヒュプノス:タナトス、今戻ったよ。

タナトスは宙に漂うオーブをぼんやりと見つめている。

タナトス:・・・。

タナトスの前に似たような風貌の男が姿を現した。

ヒュプノス:また見つめてる・・・そんなに綺麗かなぁ~。

男が一歩踏み出すと、漂っていたオーブ達が一瞬にして姿を消した。

タナトス:魂は何よりも純粋だ・・・決して偽らない。

タナトス:強き者の魂ほど強くと輝く・・・己が小さく見えるほどにな。

タナトス:ヒュプノス・・・兄弟であれど、人の趣向に口を挟まないでくれ。

ヒュプノス:別に悪いなんて言ってないさ、誤解させたならごめん・・・。

タナトス:まあいい、私は新たな魂を迎えに行く。

タナトスは嫌な予感がしたので、振り返った。

タナトス:留守の間、むやみに触れるんじゃないぞ。

話を終えると、タナトスは目の前のワープホールにはいっていった。

ヒュプノス:やれやれ、信用がないなぁ・・・ん? この光は・・・?

宙を漂うオーブが眩しく輝き、ヒュプノスの視線を捉えた。

タナトスの忠告も忘れ、ヒュプノスはオーブに触れてしまった。

ヒュプノス:う、うわわわっ!!どうしよう!!

触れた途端、オーブから眩しい光が放たれた。

オーブから封印された魂たちが次々に溢れ出してきた。

ヒュプノス:早く戻さないとタナトスが帰ってきたら・・・想像したくないなぁ・・・。

 

 

クロハ:私はこの魂の守護霊、この魂を勝手に連れていかせはしない。

シロハ:私はこの魂の守護霊、この魂を勝手に連れていかせはしない。

 

魂の記憶の影響を受けた!体の芯まで凍りつくような寒さだ。

魂の記憶の影響を受けた!猛烈な空腹を感じ体に力が入らない。

 

魂を回収し終える

 

戻ってきたタナトスは、部屋の惨状を前に、ため息をついた。

タナトス:ヒュプノス・・・私はあれほど触るなと言ったはずだが?

ヒュプノス:ご、ごめん・・・つい・・・。

オーブが光を放つと、魂は引き寄せられるように吸い込まれて行った。

タナトス:物分かりの悪いお前にもう一度言う・・・むやみに触れるな。

ヒュプノス:だって触っただけであんな風になるなんて分かるわけないだろ~!

タナトス:・・・・・・・・・・・・

タナトス:魂の量が減っている・・・これは・・・。