春
今年もこの季節がやってきたか……
多くの人が「花粉症」を思い浮かべると思うが違う、私は花粉症ではない。
年がら年中鼻が詰まっているが花粉症ではない、そんな事はどうだっていい、ついに来てしまったのだこの季節が
そろそろ寝ようと電気を消し、目を閉じる午前0時20分頃。
あの音が聞こえてくる。
ぷぅぅうん
なんなんだ、何故電気を消してから聞こえるんだ、さっきまで何の音もしてなかったじゃないか
とりあえず電気を点けて周りを確認する。
いない。
アースノーマットを出そうかとも思ったが去年の残りがない、新しいのを買いに行かなければ。
まぁいいか、寝よう。そう思いまた電気を消す。
ぷぅぅうん、ぷうぅぅん
勘弁してくれ、こっちは寝たいんだ
何故わざわざ耳の周りを飛ぶんだ、何故一回ちょっと離れてまたやって来るんだ
殺らないとスッキリ眠れないな、と思いまた電気を点け周りを確認する。
やっぱりいない。
なんなんだ(ブチギレ)血なら吸わせてやる、だから耳の周りを飛ぶんじゃない!
翌日痒くなるのは仕方ない、許そう、だから耳の周りを飛ぶんじゃない分かったな!
と、この部屋にいるはずの蚊に向かって念を飛ばす。
よし、寝よう。
次はちょっと音が聞こえた位で起きないぞ、と意気込み電気を消す。
ぷぅぅん、ぷぅん、ぷぅぅぅうん、ぷぅぅぅぅぅうん
もう我慢ならん。
絶対に殺す、叩き潰してやる
そもそもあそこまで人をイライラさせる音があるのだろうか、嫌いな音ランキングぶっちぎりの1位だわ!と思いながら電気を点ける。
案の定蚊はいない。
出てこないならこっちから探し出してやる
殺すまでは絶対に寝ないぞ!と誓い、捜索が始まる。
とりあえず壁を叩いてみる。
反応がない。
まぁいい
次は反対の壁をドン
ほぅ。なるほど壁ではないのか、ではベットをドン
ほほぅ。ここでもない、それでは扉のある壁をドン
ぷぅぅん
微かに音が聞こえる、なるほど、その辺か。
次は本棚をドン
反応がない。
こっちか?と三段ボックスを叩いた瞬間、奴の姿を確認した。
見つけたぞ!
しかし、奴は天井に向かって飛んでいき着地した。
なるほど、天井なら叩かれないと思ったか。
甘いぞ!
ジャンプして天井をドン
叩く瞬間に天井と手の隙間から逃げられてしまった。しかしすぐ近くにいる。
もう一度ジャンプしてドン
またもやジャンプしてドン
ジャンプしてドン
もう一度ドン
ドン
一軒家に住んでいて本当によかった、心置き無く部屋の天井を叩けます、お父さんありがとう
そんな事を考えながら天井を叩き続ける僕と逃げ続ける蚊
やるやん?と、思ったその瞬間蚊がいなくなった。
手のひらを確認するとそこにはぺしゃんこに潰れた蚊と恐らくこの家の誰かのであろう血が付いていた。
勝った。
ようやく眠れる。手のひらをティッシュで拭き清々しい気持ちで布団に入り、電気を消す。
ぷぅぅうん
まだまだ戦いは続きそうですお父さん