母になったこと③ 出産のこと
ずっとどこかに残しておきたいと思っていた妊娠・出産の思い出。私はもともと生理が重く、ひどいときは痛みで倒れたり、気分が悪くて吐いてしまうこともあったため、出産時の痛みにとても恐怖を感じていました。また、分娩の際に叫んだり取り乱したりすることなく穏やかに産みたいという希望が強かったので、娘を出産する産院は無痛分娩を実施しているところを選んでいました。無痛分娩では、あらかじめ背中から硬膜外(脊髄を包む硬膜という膜の外側)に麻酔薬を入れるためのチューブを挿れておき、陣痛促進剤を点滴して陣痛を促し、陣痛が来たら分娩完了まで麻酔を使います。背中からチューブを挿れる事前処置が必要なため、娘を産む日はあらかじめ産院と相談して予定日ちょうどと決めていました。しかし正産期である37週以降であれば、赤ちゃんはいつ産まれてもおかしくありません。産院と決めておいた出産日より早く陣痛が来てしまう可能性も当然あり、私の出産も予定日10日前に破水からスタートしました。昼間、自宅で破水し、すぐに産院へ。背中にチューブを入れる事前処置だけをしてもらって自然に陣痛が来るのを待ちましたが、翌日の昼になっても来ず、促進剤を点滴して陣痛を起こしました。陣痛が来て、早めから麻酔薬を入れてもらったため、痛みは軽く、重めの生理痛くらいでした。痛みの間隔には夫といつものように会話しました。分娩のときは流石にかなり痛く、全身が震えて汗びっしょりになりましたが、痛みが軽減されていたぶんいきみやすく、最初に希望した通りの穏やかなお産でした。お腹から出て来てキョトンとしている娘を見た瞬間、安心して自然と涙が出ました。出産に最初から最後まで立ち会ってくれた夫は私よりも号泣していて、私と夫の涙に娘を取り上げてくださった先生ももらい泣きされていました。産まれたばかりの娘は小さくて花みたいに可愛く、私は出産の壮絶さに放心していました。