どうやら、そんな昔から、
うちんちで生きていたみたい。
あたし、六年生だったのかと。
もらって一年くらいはね、
全然懐かなくて、かわいくなくて。
でも、いきなり仲良くなって。
よく食べて、人間の食卓にも参加して。
ほんと、おしゃべりで、かわいかった。
頑固で野性的で、
蝉をくわえて家に入ってきたときは、
すごく恐ろしかった、
生きてた、ジージーゆってんの。
去年の夏、夏バテになって、
そのとき初めて彼女の死を覚悟した。
季節が移って、持ち直したのだけど。
ここ一週間ほどで一気に弱って、
ごはんもミルクも摂らないで、
顎や背中の骨がボコボコ出て、
鼻は詰まって鼻水が固まってて、
口からは唾液の泡が吹き出して、
ずっと半開きで。
すごく辛かっただろう。
亡くなる前夜。
立って歩くのかと思えば、
後ろ足が踏ん張れずに頭から倒れて。
母が支えると、苦しそうに鳴いた。
動物っていうのは、人間に知られず こっそりと死にたいみたいで。
日に日に呼吸が浅くなる。
耳も動かなくなる。
生きてるのに、身体がどんどん硬くなる。
死ぬ前の日の朝、ベッドにあがって あたしと一緒に目覚めた。
すごく嬉しかった。
まだ涙がでる。
そのくせ、実感が沸かない。
ひょっこり出てきそうで。

