今年の授業も残りわずかになりました。
正直ほっとしています。
日本語学校・大学、両方ともあと2回ずつ授業を残すところとなって、
私にも少しだけ心のゆとりが出てきた今日この頃です。
今年の後半は、本当にいろいろありました。
無謀にも非常勤勤務の学校を1校増やしたりして、
ちょっと自分のキャパ以上の生活設定をしてしまった感があり、
そのせいで体に無理が来て、12月に入り風邪を引てしまったりで大変でした。
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さて・・・
少し前の「クローズアップ現代」、そして昨日の「ガイアの夜明け」で、
ご覧になった方も多いと思いますが。
ツイッターでもこの話題でつぶやいている人が目立つ、
技能実習生の置かれている非人道的な立場について書きたいと思います。
技能実習生は、現地での送り出し機関や・日本の受け入れ側の会社、
また実習生を受け入れる会社を監視する日本の団体そして日本語学校と、
様々な機関へお金を支払って(借金をして)留学生として来日します。
日本で、お金を稼ぎたくて来る人がとても多いです。
私は技能実習生たちが留学生とは名ばかりで実はブラックな企業のもとで、
低賃金で長時間労働させられているという実態をこの業界に入ってはじめて知りました。
そんな、ぼーっとしている私でしたが、この頃はちょっといろいろなことを考え始めています。
もちろん、日本語学校のすべてがそういう学校ではないこともわかっています。
でも、問題なのは留学生のほとんどが勉強や技術を学ぶための来日という大義名分のもとに、
実際はお金を稼ぎに来ているということ。
そして、そのために(お金が必要だから日本で働きたいのに!)留学を斡旋する会社に100万以上もの大金を払い、実際は無理の多い借金を抱えて日本に留学生としてやってくることです。
日本語学校もそれを知りながら受け入れているのだと思います。
私の学校では、学費の払えなくなった「学生の名前」とともに「除籍処分」と大書された紙が、
教室の前に貼りだされたりもします。
初めてその紙を見た時に、私は信じられない思いがしショックを受けました。
私は、ちょうど彼らと同じくらいの歳の息子を5年前に亡くしました。
だから、どうしても彼ら(私の学生たちと思っています)が息子と重なってしまいます。
国のご両親が、彼らの現実を知ったらどう思うでしょうか・・・
考えると胸が締め付けられる思いがします。
私の働いている一方の日本語学校は9時前に授業が始まりますが、
今週は教室に入ると一番後ろの席に学生が一人座っているキリでした。
20分経って、やっと18名のクラスのうち13人が集まったので授業を始めました。
でも、授業を始めると起きているのは一人か二人です。
正直、長い時間をかけて準備してきた授業を、この状態でするのは本当に辛いものがあります。
実際心が折れそうになっているし、こんなメチャクチャなシステムの片棒を担いでいるのは、
罪だとも思い始めています。
こんな状況でも、常勤の先生にはこう言われました。
自分のペースでやってください。
あまり、いろいろ考えないで。
じき慣れますよ。
もう一方の、日本語学校は遅刻も欠席もほとんどないし、
状態としては、こちらの学校の方が学校の体をなしているけれど、
彼らの日常生活・仕事の話を聞いていると本当に可哀そうな気持ちになります。
もう、彼らの大変を解決もできないのに、抱え込んだら自分がつぶれそうなので、
来年の3月までと、この学校にはすでに退職を申し入れてあります。
今日のタイトルを「思うところいろいろ」としたのは、そんなわけです。
くたくたになるまで長時間働き、ろくに眠りもせずにビザのために学校に来る学生たちが、
まともに勉強なんてできるはずがない。
この技能実習生のシステムをきちんと見直して、
働く人材が必要なら必要で然るべき準備を整えそのうえで、
外国に働き手を求めるべきだと私は思います。
新米日本語教師は、教育とお金儲けはなかなか両立しないんだということを、
目の当たりにしていますが・・・
最近は、自分の教えるためのスキルを磨くことよりもどうすれば、
すでに日本に借金抱えて来てしまった留学生たちの負担が軽くなるのだろうと、
そんなことばかり考えますが、「一介の非常勤講師には良い考えが浮かばない」、
というのが本当の所です。
なので、冬休み春休みには、少しこのことから距離を置いてまずは自分の勉強をする!
と決め、2月から開講の初級学習者を教えるための講座に申し込みました。
いろいろな思惑から解放され、彼らに就労ビザ与えられることを望みながら・・・
本日はおしまいにしたいと思います。