父が勾留され
事情聴取がはじまり


警察官から確認等の連絡が入る




ありのままに話し
ありのままに応え


冷静に対処してゆく中



一度
父に会いたいと想い始め


面談をすることとなる





申込書に記入し
身分証明を提出し
携帯電話は鍵付きのBOXに入れ
鍵はわたしが保持し
15分の面会が許される



誘導に従って部屋に入ると
ドラマに出てくるような
透明で穴の空いた
クリアボード越しで対面する




警察官と一緒にやってきた父は
随分
痩せこけ老いていた



本当は事件に関わる話を
してはいけなかったらしいが
ルールを知らないわたしは



なぜ殴っちゃったの?


と聞いた


あいつが缶でワシの顔面を
殴ってきて眼鏡が割れたんじゃ
それでカーッ!となって
その缶で頭殴った



と応えた瞬間
警察官が
事件に関わる話はしないで下さい
止めに入った



とっさに
話を逸らさなければと思い


元気なの?


と…
(話す順番が逆すぎて支離滅裂)



父は元気だと応え


母さんに迎えに来てくれと
伝えてくれ


と言い出した


お母さんは来ないよ



お前が迎えに来たんか



違うよ
自分の罪は自分で
償うしかないことを言いに来た



少し黙った父は
しばらくして



もう帰れ





帰る前に一言だけ
どんなに離れても
互いがどこにいようとも
親子である限り
その縁は切れない
それに
家族として愛してる


心の中だけでもいいから
愛人に謝罪して
罪を償うと誓って



わかった
帰れ



これで15分の面会が終わった




前日は眠れなく
心が乱れていた


行く場のない父を引き取るべきか
こんな状態の父を見捨てるのか
でも
1年前
たった2週間過ごして
父を引き取る自信はもうない



会った瞬間
情に流され
父のペースに呑まれて
しまうんじゃないかと


自信がなかった



仏壇の前に座り
香を焚き読経をし


主人に
兄に
娘に
先祖に
仏に

祈り

深く深呼吸をし


身元引受人にはならない
応えを出し面会に臨んだ



冷たいひとだと思われようと
親不孝者と罵られようと



わたしは
わたしの守るべきことを守る 
そして
これから何が起ころうとも動じず
やるべきことを
一つ一つやる


そう
決断した







帰り道
なぜか
涙が止まらなかった