金利の低下、インフレなどなど、恐ろしい現実についてこのブログでお話をしてきましたが、取りうる対策で一番現実的なものが、投資を取り入れることです。
「投資はギャンブル・ばくちである」 野村総研の調査では4人に1人がそう答えていたそうです。確かに投資と投機には重なる部分があるし、投機にはギャンブルに似た面があります。では、ギャンブルと投機と投資は何が違うののでしょうか。
ギャンブルは勝負事にお金を賭けて、勝者が一定割合の配分を受けるものです。ただし、その配分額は賭け金の総額のうち、主催者が掛けをする場の運営料(てら銭)を取った後の金額になるため、賭け金の総額より少ない金額を参加者が取り合う仕組みになります。それゆえに確率論で考えると、賭けを続けていくうちに必ず損になります。参加者全体でみれば、ギャンブルは利益より損失の方が大きい「マイナス・サム」のゲームと言えるでしょう。
一方、株式のデイトレードや為替のFXトレード(証拠金取引)などは、てら銭の額が相対的に小さく、誰かの利益がほぼ誰かの損失になる「ゼロ・サム」のゲームと言えます。それが投機で、もっぱら資産価格の変動のサヤを抜くのが目的になるわけです。
これに対して投資は「プラス・サム」の経済行為だと言われます。本来、企業や国の経済の成長とともに、株式など資産の価値は増え、分け合う利益のパイも膨らんでいくからです。
では、日本や世界経済の成長が止まってしまったらどうするか。そんなときこそ資産を買うタイミングだという考え方もあります。
投資なんて素人には難しいじゃないかという方のために、投資の超プロとも言える米国の著名投資家であるウォーレン・バフェット氏が、自ら経営するバークシャー・ハザウェイの株主に宛てた手紙(2013年版)を紹介します。投資の基本原則について、次のように述べています。
「十分なリターンを得るために、何かの専門家である必要はない。それより重要なのは、自分の限界を認識することと、うまくいく合理的な方法を選択すること、そして物事をシンプルにとらえ、ホームランは狙わない、すぐに確実にもうけられるという話には即座にノーと言うことだ」
内容をかみ砕いて言いますと、
・投資には最低限の知識は必要。しかし、それより大切なのは、自分のリスク許容度を見極めて、その許容度に合った運用方法や対象資産を選ぶこと
・よく理解できない複雑な金融商品に投資したり、一発大もうけを狙ったりはタブー
・甘いもうけ話にはだまされないこと
といったところでしょうか。
しかしながら、日本には投資に対する偏見が根強く、それが「個人マネーの大半が預貯金に滞留している大きな理由」との見方もあります。確かに投資や資産運用で額に汗することはないかもしれませんが、少しは脳みそが汗をかかないと、成功はおぼつかないということで、投資は立派な頭脳労働といえるでしょう。
「投資は怖い。損をするのが心配だ」 という方も多いのでしょう。
確かに投資でリターンを得ようとすれば、必ず一定のリスクを負わなければなりません。ですが、リスクを怖がっているだけでは、知らないうちに実質的な損失を抱えてしまうこともあるのです。
それがいわゆるインフレに負けるということ。たとえば、定期預金の金利より、物価の上昇率が上回るとどうなるでしょうか? 財産の価値が目減りしていることになりますよね。金利という概念がないタンス預金は言わずもがなです。
デフレの深化が叫ばれた2009年ごろ、多くの人が実践したように、現金の価値が高まるデフレの時期には、投資は控えて元本割れの心配がない預貯金にお金を預けておくのは、有効な運用戦略でした。しかし、物価が上昇に転じた13年半ばから定期預金の実質金利はマイナスに転じ、消費税率が8%に上がってからはその傾向が加速しています。その時期によって有効な戦略は変わってくるのです。
資産の価値をいかに守るか、老後のためにいかに資産を殖やすか、知恵を求められる時代になっています。
このブログも「お金の知恵」を身に着けるための一助力になりますと幸いです。