店長にこっぴどく叱られた。先輩の前だった。あたしが悪いんだけどね、店の備品台なしにしたし、それを反省しなかったから。
でも暫く立ち直れなくて、防犯ビデオの死界でちょっと泣いた。戻らなきゃ、と思って戻ったら、先輩が何やら分厚い本と睨めっこしている。それをあたしに見せて、「これ2000円って高い?」って。何かと思ったらアンパンマン大図鑑。それ買うんですか、って聞いたらうーん俺アンパンマン大好きやねん、って真顔で言った。要らないから戻しなさい、とふざけて言ったら、えらくしょんぼりしながらレジの後ろに仕舞っていました。
笑いが暫く止まらなかった。しょうもない事なんだけど。多分先輩はあたしを励まそうとか、そんな事は思ってなかったんだろうね。ただ、アンパンマン大図鑑が欲しかっただけなんだ。だから格好いいなと思うんだ。計算なんていらない、有りのままが一番好き。
あれ、なんかのろけてないか。気のせいか。しかし先輩は優しいな。携帯で孫に電話をかけたいおばあちゃんに、仕事ほったらかしで操作方法を伝授していました。別に先輩が教えなくてもいいのに、ほっとけないのね。電話かかった瞬間ガッツポーズしてたからね。苦労したんだなぁみたいな。

化粧を濃くしてみたら、これでもかって位不評でした。六花さんは濃いめの化粧似合いません!!ってKちゃんに言われた。そうなのか。
逃げ出したくて散歩に出た。近所のスーパ-の前の自販機でキャスターを買って、坂を上がった所で吸った。あ、携帯灰皿忘れた。1本だけだと言い聞かせて、公園の滑り台で遊ぶ子供を遠目に少し噎せた。
煙草を吸う自分は嫌い。その話をする時も。だから、自分が嫌いで仕方ない時はこんな日記を書く。自分が嫌になる。悪循環だね。きっと馬鹿なんだね。

母さんが退院した。母さんは名残惜しそうにナースステーションにご挨拶。風邪引かないようにねこの季節の風邪は厄介なんだから。婦長さんに言われて頭が上がらなかった。母さんの命を助けて下さって有難うございました、と主治医の先生に言うと、白髪混じりの頭が見えた。この人何で頭下げてるんだ、医者なんだから堂々としてりゃあいいのにさ。
治療させて下さって有難うございましたと言い返さんばかりの先生を笑って見送った。患者はコンテナに乗ったアイスの容器みたく次々に運ばれて来る。母さんが最初でも最後でもない。でも、そんな流れ作業みたいな治療でも感謝の言葉は尽きなかった。

その日の夜は母さんと一緒にお風呂に入った。母さんにとって二週間ぶりのお風呂。浴槽には垢が浮いていた。
頭の中で母さんが十割を占めなくなった。人間の適応能力って怖い。手が痺れるだの熱が出ただの言われてもどこか冷めた感情で聞いている。
母さんのいない広い台所にだって慣れた。今はお姉が畳む少しずれた洗濯物だって普通に着てる。そんな自分をまた違う自分が冷めた目で見てる。生暖かい晩御飯。冷たいのだって好きだ。
生まれて来た以上独りで生きて行かなきゃならない。準備なんか早いか遅いかの違いだと思っている。
冷たいかな、と思ったけどきっとそうなんだろうね。

あー風邪引いた…鼻水は止まらんです。布団三枚重ねで中に潜っています。耳と喉と頭も痛い(´・ω・`)インフルエンザとかだったらやだなぁ。鼻水より高熱だろうけどね。