わが兵法を学ぼうと思う人は、修行の法がある。
第一に、邪(よこしま)でないことを願うこと。
第二に、兵法の鍛錬に励むこと。
第三に、もろもろの芸(武芸・芸能)を学ぶこと。
第四に、さまざまな職能の道を知ること。
第五に、ものごとの利害・得失をわきまえること。
第六に、あらゆることについて鑑識力を身につけること。
第七に、目に見えないところを洞察すること。
第八に、わずかな事にも注意をすること。
第九に、役に立たないことをしないこと。
おおかたこのような道理を心がけて、兵法の道を鍛錬すべきである。
宮本武蔵