PSA検査は救命につながらない?・・・ | 減農薬のりんご栽培

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(木村秋則氏の自然栽培に近づくために)

「年1回の前立腺癌(がん)スクリーニングは生命を救うことにはつながらない」とする研究が、米国立癌研究所(NCI)誌「Journal of the National Cancer Institute」オンライン版に1月6日掲載された。

定期的な前立腺特異抗原(PSA)検査が救命につながるのか、過剰診断や過剰治療をもたらすのかで専門家の意見は分かれており、この知見が論争を鎮静化させることになるかもしれない。

「基礎検査に組織化された前立腺癌スクリーニングを追加しても、明確なベネフィット(便益)にはつながらず、かえって偽陽性や過剰診断による害をもたらす。
PSA検査を検討している男性は事前に検査の意味を十分知らされるべきである」と、研究を主導した米国立癌研究所癌予防部門のPhilip Prorok氏は述べている。

この研究は、1993~2009年に実施された前立腺、肺、大腸(結腸直腸)、卵巣癌スクリーニング(PLCO)試験に参加した男性(55~74歳)を対象としたもの。

一方の群は6年間にわたり年1回のPSAスクリーニングおよび直腸診を4年間年1回受け、もう一方の群は通常のケアと患者が希望または医師が要請した場合のみにPSAスクリーニングを受けた。

その結果、通常ケア群と比較した場合、スクリーニング群では前立腺癌が12%多かったが、悪性度の高い癌はやや低率だった。

しかし、2群間での死亡率に差は認められなかった。年齢、試験開始前のスクリーニングの有無、他の疾患などを考慮してもこの結果は変わらなかったという。

「前立腺癌の治療の改善が同様の死亡率をもたらしたものと考えられる」とProrok氏は指摘している。

研究では、前立腺癌患者において、スクリーニング群(4,250人中10.7%)では通常ケア群(3,815人中9.9%)に比べて他の死因での死亡率が高かった。

Prorok氏らは「これはPSA検査を受けた男性が過剰診断され、おそらく致死的ではない成長速度の遅い腫瘍が検出されたことを意味する。スクリーニング群では持続的に過剰な前立腺癌症例がみられた」と述べている。

これに対し、米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のAnthony D'Amico氏は、2009年に“New England Journal of Medicine” に掲載された、PSA検査群で20%の死亡率低下が示されたヨーロッパの研究がより信頼性が高いとしている。

また、前立腺癌の家族歴、アフリカ系米国人、60歳以上など、高リスクの男性でPSA検査によるベネフィットが最も大きいとしている。

Prorok氏は、PLCO試験が完全ではないことを認めつつも、「両群の死亡率に差がないという結果は、過剰なスクリーニングにベネフィットはなく、かえって害になると解釈できる」と述べている。

以上の様に医学は数学の様に簡単に右か左かと云う結論は出ない学問です。

原発の放射線と健康被害に関しても同様です。

専門家と称する人も実はよく解っていないのですから、何でも信じて振り回されるのは賢明とはいえません。

話を前立腺がんに戻しますが、過去に書いたいくつかの日記も参考にされ、ご自身でしっかり考え、行動する必要があるように思います。