Rainbow Chaser

Rainbow Chaser

日記のかわりに、詩や短文を書いていきます。

Amebaでブログを始めよう!

君は いない


私のとなりは 空っぽのまま


君は いない


あの路地を 曲がってみても


君は いない


街じゅうの家を ノックしたって


君は いない


向こうの山を 越えて行っても


君は いない


遥かな海を 渡っても


君は いない


この世界の はじまりから


すべてが終わる その時まで


ずっと いつだって


君は どこにも いない



* * * * * * * * * * * * * *


どこかに行ってしまったんじゃなくて、

始めから「いないひと」を好きになってしまった

女の子のはなし。


昔から、角度を変えて何度も書いてきたモチーフのひとつです。


詩は実体験を書く人が多いけれど、私は概念みたいなものを書きたいと思っています。

はじめに詩で書いて、同じ概念で短編小説を書いたりすることも。



10ヶ月になる息子が、このごろ口まねをするようになった。


わたし 「てんてんてん」

息子  「て、て、て」


お気に入りの絵本を指さして、最近ではひとりでも「て、て、て」と言っている。


他人の言うことを聴いて、それをまねしようと決め、

自分の口を動かして、精一杯似せた声を出す。


誰にも教わることなく、よく思いつくもんだ、と感心してしまう。

例えば機械にこれをやらせようとしたら、すごく複雑な処理なんじゃないだろうか。

(相手の声を録音してオウム返しにするなんてズルはなしにして)


そして単にまねしているだけではなくて、意味を分かっているというのがすごい。


絵本には、赤い画面にぽつぽつと並んだ黒い丸。

つたない指でそれを指しながら、「て、て、て」。


ちょっと泣きそうになった。←親ばか


ことばって、すごい。

特に、はじめてのことば、って。



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今はあんまり長い文章は書けないけれど、短い言葉を書き記していきたい。


私にとって「書く」ことは純粋な趣味であって、生きていくための理由でもある。

心の中にずっと昔から持っている、もやもやとした名前のない感情。

それが何なのか知るために、表現するための言葉を探し続けた。

探すために書き、学び、考えた。

…答えは、見つかったと思っている。


でも、その名のない感情にもっと明確な輪郭を与えることができないか、試してみたくなった。


* * * * * * * * * *


※日記代わりに、詩のようなモノや短編小説を書いていきます。


※それらはすべてフィクションです。