君は いない
私のとなりは 空っぽのまま
君は いない
あの路地を 曲がってみても
君は いない
街じゅうの家を ノックしたって
君は いない
向こうの山を 越えて行っても
君は いない
遥かな海を 渡っても
君は いない
この世界の はじまりから
すべてが終わる その時まで
ずっと いつだって
君は どこにも いない
* * * * * * * * * * * * * *
どこかに行ってしまったんじゃなくて、
始めから「いないひと」を好きになってしまった
女の子のはなし。
昔から、角度を変えて何度も書いてきたモチーフのひとつです。
詩は実体験を書く人が多いけれど、私は概念みたいなものを書きたいと思っています。
はじめに詩で書いて、同じ概念で短編小説を書いたりすることも。

