私は駄菓子も扱う食料品店でレジのパートをしています
近くに小学校もあり、たくさんの小学生が連日小銭を握りしめて吟味しながらその日のおやつを買う姿が今日も見られたわけですが…。
小学生が駄菓子を小銭で買うっていう行為自体が素晴らしい社会勉強だと思うわけですよ。
例えば10円の駄菓子は一個で買うと消費税は小数点以下切り捨てだから消費税がかからないけど、二個買うと21円になるとか、100円で20円や30円の商品を組み合わせていくつまで買えるのかとか、色々と試行錯誤しながら頭をフル回転させている姿は大変微笑ましいです。
時々400円くらいのyoutubeで流行ったグミなんかをお札でほいほい買うおセレブちゃんや、suicaなどの電子マネーで買っていく最先端な子もいて千差万別、この年頃から格差ってあるんだな~としみじみ思ったりもします。
そんな中で時々いる「お金がわからない子」
なにそれ?って思うかもしれませんが本当にいる。そして一人じゃない。
今日来たのは30円の駄菓子を一つだけ買った子とその友達二人、
お会計は消費税が入って32円。
出したお金は100円玉1枚、
そして10円玉1枚と5円玉2枚。
「これでお願いします。」
うん。…うん???
お金がわからないっていうのはこういう事です。
32円のものは100円で買えるっていうことがわからない。
だから100円玉で買えるのかわからないからお財布の中の「使えそうな硬貨全部出す」作戦に出る。
100円玉には100円って書いてあるし、10円玉には10円って書いてある。
当たり前の事のはずだけど、この子にとっては100円や10円じゃなくて「何枚出せるか」が問題。
多分この穴が開いてるのも(5円玉)使えるはずだ。だから一か八か出す。
彼ら、彼女らの中では一円玉は使えるかわからないお金。
何を言っているのかわからないかもしれないけどわりとよくいるんだよ本当に。
別に見ようと思って見てるわけじゃないけど大人と子供の身長差でお財布の中が見えちゃうんだけど、そういう子のお財布は1円玉がジャラジャラしてる。
あの子たちにとっては1円玉はレシートと同じレベルの何かだけど捨てちゃダメなやつ。
いつかつかえるかもしれないアイテムって扱い。
うーんじゃあお釣りをなるべく減らしてあげようかな…と思っちゃうのは私の感覚もちょっと麻痺しているから。
105円を受け取り、先に余った15円を「多いからね」って言ってから返してあげる。
そしてお釣りですと言ってから73円を返してあげる。
100円で受け取るとお釣りが68円になっちゃうからね、これで更に使い方がわからない5円玉が増えちゃうのを阻止してあげる。
そしてよくわからないままお財布にしまう子。
今日は隣に一緒に来ていた子が「足りたんだ?良かったね!」と声をかけていた。
ちょっと待て。
今、君もいくら出していくらお釣りが返ってきたか見てたよね?
だからうっかり今日は聞いちゃった。
「100円あったらだいたいの駄菓子は買えるし、このお菓子は100円あったらあと2個は買えるんだよ?100円から32円を引いてみよう!いくらかな?」
「えーっと…60円?65円??100引く32??え~でもなんで105円にしたの?計算難しくなるじゃん、うーんわからない!」
マジか~。そこからか~。
小銭減らしてあげようっていうのは余計なお世話だったかな?
このくらいの暗算って何年生で習うんだっけ?
「今、君たち何年生?」
「5年生!!」
女の子だったからさ、発育の良いせいぜい二年生くらいかな?
って思ってたけど、そっか、5年生か、…そっかぁ。
「そっかあ~頑張れよ~~」っておばちゃんよくわからないエール送っちゃったよ。
小学校4年生のお子さんがいる同僚がその光景見てたんだけど絶句してた。
同僚いわく「4年生で掛け算や割り算の勉強してるんだけど…いるんだね、ああいう子たちも」
5年生でお金を正しく使えないって最近の義務教育ヤバくないか?
だってあの子たちだけじゃないんだよ正しくお金出せない子
多分これは各ご家庭の教育方針の問題だと思うよ。
親が子供にお買い物の仕方をきちんと教えないと出来ないんだよ。
学校側はさ、算数を教えてるんだからちゃんと駄菓子くらい普通に買えるって思ってるだろうけどさ。
ちゃんと教えてもらわないと本当にできない子はいるんだよ。
嘘みたいな本当の話、だけどきっとこの子たちが大人になる頃には硬貨だの紙幣だのは無くなって、すべてカードかスマホか腕時計で事足りちゃうようになるんだろう。
小銭の計算なんてしないし、する必要もないじゃんって世の中になるんだろうさ。
今や小学生もスマホを持ち歩くし、電卓も付いてるし、知らない事なんてチャチャっと調べればいいじゃんって世界になりつつあるけど、それがなかったら何もできない人間っていうものが出来上がる気がしてならないよ。