●甲武信ヶ岳
  2015年10月24日(土)~25日(日) 快晴 温泉付

 山梨県山梨市 国師ヶ岳(2,591m)、甲武信ヶ岳(2,468m)百名山

<参考コースタイム>

 第2日目

 甲武信小屋→(20分)甲武信ヶ岳山頂→(15分)→甲武信小屋→(25分)木賊山→(1時間15分)徳ちゃん新道分岐→(1時間20分)西沢山荘→(20分)西沢渓谷バス停→( 分)花かげの湯バス停前(日帰り温泉)→塩山駅

 <合計登山時間> 約4時間 22,000歩


その1からつづく

昨日、小屋に遅く着いた客は食堂に寝かされたため、朝は4時に起床。

山頂で朝焼け(日の出は6時頃)を見るには、小屋を5時少し過ぎに出ればいい。その間朝食を済ませればよいのだが、寝不足もあってかあまり食欲がない。湯を沸かし、紅茶で昨日の残りのパンを胃の腑に押し込んだ。


今朝は願ってもない快晴だが、外は寒く、風も強いようだ。


ヘッドランプを点けて、午前5時10分小屋を出発。

樹林を抜けて、尾根道に出ると、風がうなりを上げて樹木を揺らしている。

不意に目の前が明るくなって、顔を上げると、ダイヤモンドダストのような銀粉が飛び交っている。

木々を見ると、予想もしていなかった霧氷の世界。キラキラ光る銀粉は、風で樹氷に着いた氷の結晶が舞っているのだ。

遮るもののない山頂にはまだ誰もおらず、ただ強風が吹き付けるだけ。あまりに風が強く、カメラを構えた手が震え、体ごと吹き飛ばされそうな勢いだ。実際2度3度、風に吹き飛ばされてしまった。


徐々に陽が昇ると、目の前に富士山が見えてきた。

昨日登ってきた、国師ヶ岳の峰々はすっかり霧氷に覆われ凍り付いている。

国師ヶ岳方面

小屋に戻って知ったのだが、早朝の外気温はマイナス5度。強風のため体感温度はさらに2、3度は下回っていたに違いない。季節はまだ10月の後半のはず。



日の出は、山頂からは樹木が邪魔をして見られないので、少し小屋の方に戻ると、朝日が昇るさまが良く分かる。このスポットを知っていれば、わざわざ山頂でご来光を待つ必要はない。


樹氷が朝陽に染まって、まるで珊瑚礁のよう。こんな光景は初めてみた。

ご来光をたっぷり堪能して、小屋に戻ると、ほとんどの登山客が出発の準備で慌ただしい。

荷物を整理して、小屋を出発したのは大分遅い7時少し前。

その頃になると、ほとんどの客がそれぞれのコースを目指して小屋を出ていった。


われわれが朝一番に目指すのは、裏山の木賊(とくさ)山。

歩いて20分ほどの距離だが、いきなりの急坂で、ここも全て白銀の樹氷で覆われている。

ザレた急坂を登りつめて、標高2,469mの3等三角点のある木賊山頂に着。



山頂からシラベやコメツガの針葉樹の林を15分ほど下ると、見晴らしの良い場所に出た。

とくに名前はないが、富士山の全景が見られる絶景のスポット。

富士山の足元に横たわるのは、深田久弥の終焉の山、茅が岳方面の金ケ岳や曲岳、その足元に小さな広瀬湖がわずかに顔を覗かせている。

展望地から赤松の林を抜けると、シャクナゲが群生する花園に出る。道の両側をびっしりとアズマシャクナゲが覆い尽くし、それもその距離は長い。

木賊山山頂から戸渡尾根の急坂を1時間15分ほど歩いて、「徳ちゃん新道」と「近丸新道」の分岐に出た。

徳ちゃん新道とは、平成4年~5年ころに、甲武信小屋の徳さん親子らで作道されたもので、近丸新道に比べてわずか10分だが西沢山荘までの時間少ない。

そのせいか、ほとんどの登山者がこちらの道を利用するようだ。

徳ちゃん新道の分岐
木賊山から北側斜面の戸渡尾根は、急峻な尾根筋が続き、気が抜けない。

この尾根を往復する登山者が、下から上る女性はほとんど見かけない、と言っていたが確かにそうかも知れない。
シャクナゲが咲く季節(5月下旬~6月上旬)ならまだしも、それ以外の季節に登る気力はもはやない。


高度を下げるにしたがって、黄金入りに染まった唐松林が目を楽しませてくれるようになった。


さらに高度を下げると、初めてカエデ類を見た。

すっかり赤や黄色に紅葉して目に眩いばかり。冬から秋に逆戻りして気分でもある。



道は緩急を織り交ぜ下りながら、それに従って紅葉が鮮やかになって来る。




近丸新道の登山口
小屋を出発してからおよそ3時間後の10時ころ西沢山荘に着。

まだ時間は大分あるので、紅葉の名所と言われる西沢渓谷を少し散策することにした。

ちょうど紅葉の見ごろの時期に当たったせいか、駐車場やバス停から登って来る観光客の列に途切れがない。

西沢渓谷の入口付近


渓谷の紅葉は美しいが、あまりの観光客の多さに閉口して、20分歩いて吊り橋を往復しただけで、バス停に向かうことにした。

本日の日帰り温泉は、塩山駅の途中の「花かげの湯」に下車してひと風呂浴びることにした。

湯上りはいつものように生ビールで乾杯し、昼食に天ぷら定食(アジと海老&山菜の天ぷら)を食べて満腹。

晩秋と初冬を同時に味わって、ずいぶんと長い間、山籠りしていた錯覚に・・・・・。


<日帰り温泉>♨

 花かげの湯


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