登山家の篠原直樹は、休暇を利用して孤高の山「黒狼山」に挑戦することに決めた。その山は、人々の間で伝説の山として知られており、多くの登山家が登山を諦めるほどの厳しい山であった。しかし、直樹はその挑戦を楽しみにしていた。
山小屋から出発した直樹は、荒々しい山岳の中を進んでいった。風が強く吹き、時折霧が立ち込める中、彼は懸命に山を登っていった。だが、次第に周りの景色が変わり始める。元々険しい山が、ますます不気味な姿を見せ始めたのだ。
樹木の枝が直樹の前方を塞ぎ、岩の隙間からは不気味な光が漏れているかのようだった。そして、気づけば迷子になっていた。直樹は慌てふためきながらも、冷静さを失わずに進むことにした。しかし、彼を待ち受けていたのは、恐ろしい出来事だった。
進むにつれて、山の姿がますます不気味さを増し、直樹は異様な存在を感じ始めた。途中で、彼の前に突如として現れたのは、白いローブをまとった女性だった。その女性は静かに手を差し伸べ、そして微笑んだ。
「ここは、生きて帰れない登山道。」
女性の言葉に直樹は息をのんだ。恐怖に包まれながらも、彼はなぜかその言葉に従うことを決意した。そして、女性と共に先を進むことにした。
途中、次々と奇妙な現象が起こり、直樹はますます現実と幻想の狭間に取り残されていく。そして、ついに山頂にたどり着いたとき、彼を待ち受けていたのは、予想をはるかに超える恐ろしい真実だった。
暗闇の中で、直樹はその真実を目に焼き付けた。黒狼山が隠していた秘密とは、この山に捧げられた生贄の魂が、今もなお山を支配していたということだった。そして、直樹もその魂の一部として山に取り込まれていくのだった。
彼は、もはや生きてこの山を降りることは叶わず、黒狼山に縛られたまま永遠に彷徨うことになった。生きて帰れない登山道、それはそうした者たちがたどり着く先にある、恐ろしい結末だった。
そして、今もなおその山は、呪われたように孤高の姿を誇り続けているのだった。
終わり