東大教授の贈収賄がニュースになっています。
そこで思い出した「聞いた」話です。
Aさんは医療機器を輸出入する会社で、アメリカの展示会に行くことになりました。
毎年、同じ場所で、世界最大の医療機器展示会が開催されるのです。
そこへ行く準備をしているとき
日ごろからいろいろと相談に乗ってくれているBというある大阪の国立病院の医師に
「先生は行かれないのですか?」
と聞くと、こう言われました。
「今回、僕は行かない。だけど僕の親しいCという医師が××県の○○国立大学付属病院にいる。やはりその展示会に行くと言っていた。連絡をしておいてあげるから会場で落ち合って、アドバイスをしてもらったら?」
「じゃあ、お願いします」
アドバイスを求めたのは、Aさんが日本へ輸入したいと感じた展示製品があれば、意見を聞きたい」と言うシンプルなものでした。
そしてそのC先生と待ち合わせて会いました。
若い30代半ばの「医長」の先生でした。
初対面です。
開口一番、そのC先生は自己紹介の後
「今夜、私は友人の医師夫婦と**ホテルのレストランを3人で予約している」
「君も良かったら来なさい。来るならその代金を負担しなさい。そしてそのレストランに自分で電話して人数変更をしなさい」
Aさんはびっくりしました。
初対面でそんな申し出を、しかも若い先生が業者に持ちかけるとは。
とっさに「いやあ、残念ながら今夜は先約がありまして」と言うと、
「日本から重要な顧客が来てるから、と先約を断りなさい」
と言うではありませんか。
東大教授とは違って、多分一人1万円程度の店です。
キャバクラも、ソープも、付いてきません。
自分で予約して自分が払う気だったのですから、そのくらいの予算だったでしょう。
それを初対面のAさんに持たせようとしたのです。
さっきまでお互い名前も知らなかった相手です。
そのAさんを友人との会食の席に座らせようとしたのです。
「せこい!!」
Aさんは呆れました。
帰国して、その顛末をB先生に話しました。
半分は苦情でした。
B先生はAさんに軽く謝り、大笑いしました。
さすがに彼も呆れたようです。
医者と言えども、大学教授も「ひとりの教員だから給料は安い」
B先生は呟きました。
かれはAさんにゆすり、たかりの様な事は一切、言いませんでした。
その後、B先生は国会議員として選挙に立候補して落選しましたが、Aさんとは友人関係が続きました。
先生は奈良県の無医村でお医者さん稼業を続けました。
でもそこから先は聴いていません。
もちろん、C先生のその後もわかりません。
今回の東大の件で、ふと思い出した「聞いた話」です。