街角にて・目撃者不在の事件 | 伴に歩んで

伴に歩んで

ガンと闘った老夫婦の人生日記です。

先日、久しぶりに大阪市内へ行きました。

1週間前の大学病院でのMRI検査等の結果を聞きに行ったのです。

おかげさまで変化なしと言う結果で、また4か月長生きできました。

家内の墓参を済ませ、デパートで少し買物をして電車バスを乗り継いで帰りました。

 

平日の昼間なので、終点近くまで来るとバスには僕だけでした。

「お出かけ応援パス」をもらっていますので、運賃は120円だけで、パスを「ピッ」と運転手横のリーダー(?)にかざすのですが、普段乗らないので、よく間違えては異常音が出たり、小銭を落としたり、失敗が絶えません。

 

前回もエラー音が出て、運転手のオヤジに「先にカードをかざして読み取らせ、そのあとに120円を入れて下さい!」と怒られました。

でもそんな順番があることはどこにも書いていません。いつも無意識にやっていますので、しょっちゅうエラー音が鳴ります。

だから、迷惑にならないように他の客の後から降りるようにはしています。

そこで「これが先!」とパスを入れたケースに、自分で大書しました。アハハハ。

 

話しは戻りますが、僕と運転手だけのバスが停留所に着いて、僕は用意していたパスを自信をもって「ピッ」と読み取らせ、120円を料金箱に入れようとしました。

段取りは自信満々です。

ところが、僕のコインを握りしめた手に、折りたたんだ新聞の束が当たりました。

「バラバラ」と音を出して床に120円が散らばってしまいました。

一瞬、何がおきたのかわかりませんでしたが、「すんません!」と言いながら運ちゃんが拾い始めました。

運ちゃんが、もうすぐ終点なので新聞を読もうと準備しかけて、僕の手に当たったのかもしれません。

運ちゃんが運転席から出て、しゃがんでコインを集め、新聞を拾っていると、

今度はその運ちゃんの帽子が、頭から抜け落ち、開いていたドアから車外へ転げ落ちてしまいした。

僕はしゃがんでいる運ちゃんの横をすり抜け、帽子を追いかけると、折からの強風で少し先を転がっていきます。

 

バス停にエンジンかけて停まったままのバス。

しゃがんでコインを拾っている帽子のない運転手。。

転がる帽子を、もつれそうな足取りで小走りに追いかけるジサマ。。。

 

わけのわからない絵面でした。

「どうも、、、、ありがとうござんした」

内側に名前を大書した帽子を、キリっとかぶり直した運ちゃんが操るバスは、クルマの少ない住宅街をヨタヨタと走り出しました。

 

誰も知らない事件でした。