小説「初恋は魚眼レンズ」 | らいむ店主のブログ

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その男は突然店の外に駆け出した。

目的は走って二分の自分の家にある一眼レフ

数分前 彼は近所の居酒屋 らいむで後輩とビールで仕事の疲れを癒やしていた。

何気なく開いたメニューブック


そこには店の名物である十勝どろぶたのジンジャーグリルの写真が…


この写真…




気に入らないなぁ…

そうつぶやいた彼の名前はT

Tは突然強い衝動にかられた。

俺ならあの娘をもっと綺麗に撮れる!

Tは相棒の一眼レフを持って店に
走り込んだ。

あらかじめ頼んでおいたどろぶたのジンジャーグリルがテーブルに置かれていた。

ゆらゆらと立ちのぼる湯気がTを挑発しているようにみえた。





Tはシャッターをきった。

何度も何度も


額には汗が

自分の荒い息づかいでブレないよう必死にシャッターをきった。


ちがう…


こんなんじゃない…


完璧を求めるTには納得できるものは何一つなかった。

ちくしょう…俺はこんなもんじゃねぇ

そう吐き捨てるとTは携帯で料理の写真の撮り方を検索しだした。

その時Tの後輩Mが おもむろにシャッターをきりはじめた。

「たかのさぁぁんどうすかこれぇ」

「あれ…いいんじゃないか… 」
いきなり出てきた素人にTは殺意を覚えた…


「森君…森にお帰り」


そうつぶやいたTは近くにあった爪楊枝をMの鼻の穴にはしらせた!しかも束で…








小説「初恋は魚眼レンズ」待望の映画化!



2726年手稲区だけでロードショー!

同時上映「らいむ店主のステキな生態」

キミは青春の涙をみるか…
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