1914年(大正3年)、扇形が印象的な梅小路機関車庫が現在の場所に建設された。旅客や貨物量が増加したたため京都駅北西から車庫を移設、大幅に拡張した。機関車の向きを変える転車台(ターンテーブル)を中心に、20の留置線が車庫に向かって扇状に延びる。扇形は土地を効率的に使うために生まれたアイデアという。
車庫には1914年(大正3年)―1948年(昭和23年)製の蒸気機関車16形式18両がある。十数人の技術者で整備を重ね、うち7両は今も現役だ。蒸気機関車を見慣れない現代の子供たち。黒く大きな姿を怖がり泣きだす子もいる。西村忠章学芸員は「石炭のにおいや蒸気の熱、真っ黒な車体など、五感で蒸気機関車を味わってもらいたい」と語る。
1948年(昭和23年)製のC62形は当時、日本最大・最速を誇った超大型機関車だ。全長21.4メートル、最高時速129キロメートルで特急「つばめ」もけん引。移動時間を短縮し、人々の重要な足として経済や文化を支えた。重厚な姿から当時の雄姿は簡単に想像がつく。そして時代の波とともに蒸気機関車の生産は打ち切られ、このC62形は国鉄最後の蒸気機関車となった。
同館のエントランスに使われているのは旧二条駅舎。1904年(明治37年)、当時の私鉄・京都鉄道が本社社屋を兼ねて京都市中京区に建設したものだ。二条城に近く、荘厳な和風建築が周辺の景観にマッチした。当時は京都府北部からの通勤客で混雑したという。国有化を経て1996年(平成8年)まで約90年間役目を果たした後、翌年同館に移築された。丸柱や天皇が特別列車を待った貴賓室など明治期の洋風建築が残る館内に、鉄道資料約300点を展示。ジオラマや動く模型、映像などで小さな子供でも楽しめる。
東海道新幹線、JR東海道線、JR山陰線に囲まれた同館。最新の新幹線車両、おなじみのJR在来線車両、そして蒸気機関車が行き交う様子が一望でき、歴史の移り変わりを肌で感じられる。
●アクセス
梅小路蒸気機関車館はJR京都駅から市バスで「梅小路公園前」下車、徒歩5分。またはJR丹波口駅から徒歩15分。開館時間は9時30分―17時。入館料は高校生以上400円、4歳以上100円。休館日は月曜(祝日の場合は開館、翌日火曜が休み。春休み・夏休み期間は開館)と年末年始。
●問い合わせ
▽梅小路蒸気機関車館
=075・314・2996
ホームページ
www.mtm.or.jp/uslm/
●ひと足のばせば
JR京都駅周辺には歴史のある寺院が多い。北へ徒歩7分に東本願寺、その西徒歩10分に西本願寺。西本願寺は国宝の唐門や飛雲閣など桃山文化を伝える世界文化遺産だ。高さ約55メートルの五重塔がそびえる東寺は、同駅から南西方向に徒歩15分。梅小路蒸気機関車館の隣には梅小路公園もあり、緑の中で休憩しながら周辺散策を楽しみたい。
文 /吉岡尚子
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日刊工業新聞より
やはり気になる梅小路蒸気機関車館…
子供が楽しそうとありますが、大人の私も興味をひかれますね