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パソコンじゃない?

後は気が向けば宿題。



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 僕はかれこれ二ヶ月ほど、学校に行ってない。
 ある目的のためだ。

 その目的ももうすぐ達成されようとしている。
 
 まず、第一段階。
 コレはまだ、僕が学校に通っていた時から始まった。
 理科室の掃除の時、こっそりと準備室に忍び込み硝酸と硫酸をちょっとずついただく。
 毎日掃除当番を担当しているから先生からほめられた。
 その直後から休み始めたけど。
 勿論、濃度は極薄いものなのでそれを家で精製する。

 次に第二段階。
 石鹸の廃液を精製して、グリセリンを作る。
 コレにはかなり苦労した。
 一回の精製で手に入れれる量が極わずかだから必要な量を手に入れるのにかなりの時間がかかった。
 だから、二ヶ月も休む羽目になったんだ。
 その間、僕は潔癖症のふりをしていた。

 精製ができたのはうちのお父さんの特殊な職種のおかげなんだけど。

 そして、今日が最終段階だ。

 目の前の机には小さなフラスコが二つ。
「こっちがグリセリン。こっちが硝酸と硫酸の混酸」
 右、左と指差しながら小さな声でつぶやく。
「混酸でグリセリンを硝酸エステル化すれば完成」
 左のフラスコを持ち上げ、ゆっくりと右のフラスコに注いでいく。

 物凄い勘のいい人は気づいたかもしれないけど、コレはニトログリセリンを作る作業だ。

 ニトログリセリン。
 爆薬の一種であり、狭心症治療薬としても用いられる。
 わずかな振動で爆発することもあるため、取り扱いには細心の注意を払わなければならない。

 きっかけは簡単なことだった。

 僕は友達とけんかになった。
「お前、殺すぞ」
 コレは僕の言葉だ。
「お前が人を殺すようなことできるのかよ」
 友達はそう言い返してきた。
 そのとき、僕は決めた。

 いつか人を殺してやるって。
 それも出来るだけ早い段階で。

 理科好きの僕が最初に思いついたのがコレだった。
 
 お父さんが研究者で精製する設備や安全に保管する方法はちゃんと用意してあった。



 よし、出来た。

 この部屋は常に11℃になっている。

 ニトログリセリンは8℃で凍結し14℃で溶ける。
 一部が溶けたり、凍結したりすると感度が上がり爆発しやすくなるわけだ。




 コレをココにおいておく。
 ただ、それだけで殺人が完成する。

 僕は今日、友達を呼んでいる。
 五人ほど。
 その友達にはこの部屋に物凄く面白いものがあると言ってある。
 あいつらのことだ。
 勝手に入るに違いない。

 そしたら、こっちのもの。

 ニトログリセリンが爆発し友達は死ぬ。
 お父さんの管理問題ぐらいは指摘されるかもしれないが、無理矢理入っていったんだからしょうがないんだ。
 とりあえず、僕が疑われることは無い。

 はず……。



 ピンポーンと玄関のチャイムが鳴った。
 あいつらだ。

 三ヶ月にも及んだ僕の計画がやっと終わる。

 部屋を出ようとしたとき、ドアがガラッと開いた。
 お母さんだ。
 ドアに弾き飛ばされて僕はこける。
 こけて地面は勿論揺れて、そのゆれは机の上まで伝わる。



 ドカン!! と爆発音がして赤い炎が一気に広がる。

 フラスコの破片や器具類が飛び散って僕の体に突き刺さる。


「くそっあいつらを殺せなかった」
 僕は唇をかんだ。
「でも、目的は達成された。『いつか人を殺してやる』という目的は」
 僕の意識は段々薄れていく。
「ただ、残念なのはその殺す人が自分だったことだ」
 僕の意識は完全に消えた。








 数時間後……。

 僕が目を開けると見えたのはただ白い天井だった。
「ああ、起きたかい? 爆発に巻き込まれたんだが覚えているかね?」
 そう、声を掛けてきたのはカエル顔の医者だった。
「くそっ。最低限の目的も達成できなかった」
 誰にも聞こえないような声でつぶやく。
「なんで、悔しそうな顔をするんだい? 君は助かったんだよ」
 目の前のカエル顔の医者には腹が立った。
 俺の気持ちを欠片も理解してない。
「生きているということはチャンスがあるということだよ」
 チャンス……。
 そうか。俺はまだ死んでない。
 つまり、また、あいつらを殺すチャンスをもらえたんだ。

 カエル顔の医者がいなくなった病室で一人、ほくそ笑んだ。


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どうでしたか?




カエル顔の医者はあの人とは関係ありません。


ということにしといてください。





設備さえあれば上の方法で出来ないこともないかもですよ。

勿論、しないでくださいね。



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