群速度とは周波数を波数で微分したもので、イメージとしては「波束の進む早さ」です。

 

ちょうど地震波形データの解析の仕事で、群速度について調べていたらこんなことが分かりました。

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自然界で群速度が分散する最も顕著な例は水の波です。

水深がある程度あれば、波紋の広がりは、波長が短い細かい波が遅く、波長が長いゆったりとした波が速く広がります。

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それぞれの波紋が波束と考えて、これを音楽に当てはめると、

低い音が先行し、その後で高い音がどんどん追従します。

そう、まるで和音のアルペジオマークのように(!?)

 

ノクターン第13番の中間部、コラールという解釈が一般的ですが、私の怪しいピアノの先生は「マヨルカ島に打ち寄せる波」という極めて斬新な解釈をします。

確かに美しい和音による和声進行ですが、そこにアルペジオマークがついているとなると、確かにそれはまるで波!?

案外、自然現象で説明できる解釈になってしまうことが分かってしまい面白かったのが今日の日記です。

 

なお、私の怪しいピアノの先生は、ff+増六などの強烈なエネルギーのある音楽は「アインシュタインが相対性理論でエネルギーが大きすぎると時空が乱れる」のを根拠にインテンポで弾かずに時間をつくることを推奨します。

それは物理の摂理通りとのことです(!?)。

 

というわけで、自然に戯れながら、物理を学ぶことで先生の突拍子もない解釈を出し抜けるかもしれません。




どうでもいいけど僕の苦手な熱情第3楽章のこれが、ウィキペディアとかにある群速度のイメージ図にしか見えなくなってきました。

手の油分が無くなって超絶サラサラで滑りまくり、特にベートーヴェンとかカッチリしたやつを弾くとめちゃくちゃ調子悪くなる問題、化粧水を手に塗り込むと見違えるように弾きやすくなります!

実は僕だけ知らなかった?(笑)


あと、最近健康的生活を送りすぎて油分が足りてないかもしれない…!


というわけで


自分では楽しめているのに、録音してみるとガチャガチャしてて、何が言いたいのかよく分からない…!もう少し時間をかければ聴ける音楽になるかもってところで次の課題に進んでしまい、永遠に洗練されないという。

平均律を残すところ2巻の8曲くらいになった自分にとってフーガとはなかなか音楽的に演奏するのが難しい関門であり続けます。


フーガに取り組むときのステップは以下の感じです。


1. パーツを考える

1.1 テーマを探す

なんでハンマークラヴィーアの第4楽章なのかというと、これのせいでバッハをここ1年くらい弾いてないからです。テーマ、pのところ、あるいは27小節目のシラソファミレソ!からだと思いきや、なんと違います。下から二段目のファッ→跳躍→タリラリラリ(トリル)からがテーマです。そんなんわからんて。うちの習ったフーガって1人でテーマを奏でるところから始まるのにさっそくイレギュラーなことをしやがったベートーヴェンさん。
ちなみにテーマのアーティキュレーションも、曲の雰囲気とかも含めて音楽的経験をもとに決めます。困った時は順次進行はレガート、跳躍はポルタートを原則にするといいことがあるとバドゥラ=スコダ先生がおっしゃってました。

1.2 自由唱問題
さっきはどこからテーマなのかでしたが、ここで大事なのはどこまでテーマなのかです。上のハンマーさん、なんとcreaseのところからが自由唱です。ずっと16分音符だからテーマが長ったらしく続くと思いきや、こんなところに境界があるなんて知らんて…。

1.3 対旋律
テーマと一緒のタイミングで奏でられる旋律です。ハンマーさんの場合はテーマの16分音符がうねうねしている間のタッタ(アクセント)ーーータがそれにあたります。これは比較的難易度が低いかも。

1.4 第2主題、第3主題

平均律だとないときもありますが、多くの場合別の主題が入ります。ハンマーさんの第2主題と第3主題ですが、正直どちらも主題よりハーモニーが甘くて美しいです。これがむやみやたらに出ず、ちょろっとしか出ないものだから、ますます美しく感じるのかもしれません。憎いですね。

2 全体構成を考える
パーツが分かると、どこでテーマが出てきてーみたいなのが分かってきます。そしてフーガのテクニック(?)である上下反転したやつや、カニのように左右逆に歩く反行フーガも見えてきます。

蟹歩きフーガ

上下反転フーガ

3 和声解析
和声を解析します。ここは何調の何の音なのか。一声や二声だと分かりにくいですが、声部が増えると和声が分かりやすくなります。細かいフレーズが全終止なのか半終止なのか分かるといいですね。

4 抑揚の決定
ここまできてようやく抑揚が決まります。どこに盛り上がりを感じるのか、どこにアクセントを持つか、どこで落ち着かせるか、などです。抑揚を決めるポイントは、拍・アーティキュレーション・和声・音の高さです。そしてこの作業は各声部に対して行うのも大事だったりします。ベートーヴェンさんは色々な指示記号を書いてますが、バッハの場合はまるで指示が無いので、自分で考えないといけません。なお、ここで先生から違うと言われたらこの先のプロセスが全て崩壊しますので、この場で修正は不可能なので出直してきますと言い返します。

0 物語の作成
音楽的な細かい分析が終わったので、曲全体のストーリーは常に頭の中で設計します。ハンマーさんの場合はそうですね、音楽で空を飛ぶといったところですかね!LYU TIANYAOさんよろしく!

5 指使いの決定
ここから技術的内容です。アーティキュレーションと抑揚が定まることで指使いがやっと決まります。レガートのための指はもちろんですが、ショパンのように拍頭などの強い音には135をなるべく使いたいところではあります。

6 身体の使い方の決定

これに関しては賛否両論ありますが、ポリフォニーな曲の場合、ある声部は落ち着きの全終止なのに、別の声部はアクセントがくるなんてことがあり、不器用な私の場合はそれを指先だけで表現するのはとても無理なのでアクセントがある側に身体を倒すなど工夫をします。


7 難しいところの鬼練習

これはフーガに限らないですが、異様に難しい箇所は何度も繰り返して指使いを再考したりしなければなりません。


8 録音して聴いてみる。

なんだかんだでテーマさえ聴こえればヨシ?

イマココで彷徨い中。

こだわりすぎるあまりガチャガチャとなりがち。結局テーマ以外テキトーでアーティキュレーションとかの弾き分けとかなくても、テーマがはっきり聴こえて、そして曲の終盤をフォルテで押し切ったらそれなり(音楽的に聴こえるのが悔しいところ…。練習のときに10回に1回くらい発生する全声部が融合した巨大で崇高な素晴らしい音楽を、どうすれば再現性高めて昇華させて聴き手にお届けできるのだろうか…


という感じで暗中模索しておりまして、最後のほうは尻切れトンボのようになりました(笑)